尾崎将也の脚本に関するつぶやきをまとめました(2021年版)

twitterに今年一年間に書いた脚本の書き方・勉強の仕方についてのつぶやきをまとめました。 noteで「尾崎将也の<全部入り>脚本講座」の連載をしています。https://note.com/ozakimasaya 書籍『3年でプロになれる脚本術』も合わせてお読みください。https://www.amazon.co.jp/dp/4309277845/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_AuxkCbWV6N63T
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尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

ストーリーが煮詰まり気味の状態で打ち合わせ。ああだこうだと話すうちに「そうだ!」と突破口になりそうな案をを思いつきました。脳の仕組みはわかりませんが、話すことで整理されたり活性化されたりすることがあるのは確か。

2021-02-16 17:45:55
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

脚本を面白くするテクニックを学ぶには、面白いものを見てどうして面白いか考えることが効果的ですが、それがある程度進んだら、面白くないものを見てなぜ面白くないのかを面白いものと比較して考えることも勉強になります。

2021-02-16 20:32:55
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

〈脚本の初心者が苦手なことシリーズ〉プロットの中のどこを膨らますか、どこを端折るかの判断がうまくいかないことが多いようです。どうでもいい段取りを長々と書いたり、ドラマ上重要な(または面白くなる)ところを少ししか書かなかったり。

2021-03-04 18:10:26
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

(続き)重要なところや面白くなるところは書くのが難しいところでもあるので、無意識または意識的にそこから逃げているということがあるのかもしれません。

2021-03-04 18:12:26
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

@Nanjo_Rico09 僕はもっと大きなカードの片面にまとめて書いていました。書き溜めておいて後でセリフはセリフで分類できた方がいいので、一目で何を書いてあるかわかる方がいいのでは?ただこの作業は「考えて、言語化して、書く」というとこが重要ですので、形式は重要ではないと思います。

2021-03-06 09:55:07
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

生徒が書く脚本は「ストーリーが本格的に始まるのが遅く、そこから先が端折り気味になる」という症状に陥ることが多いです。だから直しの多くは「前半を短く(ストーリーの発生を早く)して後半をテーマに沿って膨らます」ということになります。

2021-03-07 11:46:47
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

キャラクターや人物関係を考えるとき、既存の名作になぞらえてみるのは有効な方法です。例えば男女4人の関係を「風と共に去りぬ」のスカーレット、メラニー、アシュレー、レット・バトラーを当てはめてみるとか。そのためには多くの名作を見てパターンを知っていることが必要になります。

2021-05-30 10:57:15
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

脚本を書いていて楽しいのはキャラクターが生き生きと自分で動き出す感じになったときです。最初のうちは段取りを追うような感じで「いまいちだなあ」と思っていると、ふとキャラが動き出す瞬間があります。どうすればそうなるかわかりませんが少なくとも「そうなりたい」と思っている必要があります。

2021-05-11 11:37:55
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

コンクールの最終審査に残る作品でも、主人公が誰かはっきりしない作品があります。そういう欠点があっても最終に残ることは可能だと言えますが、そこから上に行くのは難しいでしょう。

2021-06-28 16:51:38
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

すごく細かいト書きの話。「太郎が立っている」と「太郎が誰かを待っている」の違いは何か。「立っている」は見たままですが「誰かを待っている」はどうしてわかるのか。ただ時間をつぶしているのと誰かを待っているのは何が違うのか。このへんを疎かにすると大事なことも見落とす危険があります。

2021-07-03 15:34:41
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

ト書きは目に見えるものを書くのが基本です。「暗い気持ちで立っている」の場合、「立っている」は見えますが気持ちは見えません。「泣きそうな顔で」とか「落ちている空き缶を蹴る」とか目に見えるものに置き換えるのが重要な作業です。「何に置き換えるか」で作品のクオリティが変わってきます。

2021-07-03 15:41:43
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

物語を作る上でデジタルとアナログの区別は大切です。例えば会社に辞表を出せば物語的にはデジタルに退職が決定したことになります。辞表を出すか迷っていたらアナログ。辞表を出しても内心はよかったのかと迷いがあったら表面はデジタルで内面はアナログ。この区別がないと物語がぐだぐだになります。

2021-07-04 12:44:09
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

2時間ドラマと1時間ドラマは構造が違います。だから2時間ドラマのあちこちをカットして短くすれば1時間ドラマになるというものではありません。それは二階建ての家の窓を取ったり壁を取ったりしても一階建ての家にならないのと同じです。

2021-07-13 13:50:54
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

そして、デジタルとアナログの対立が物語を生むことが多いです。婚約したけど(デジタル)、この人でいいのか迷いがある(アナログ)とか。

2021-07-04 12:50:17
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

ト書きを含め、原稿の書き方についてはこちらの記事にほぼ漏れなく網羅してあります。note.com/ozakimasaya/n/…

2021-07-03 16:23:15
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

ドラマのプロットは、制限のある長さで書かないといけないため、つい出来事だけを追う「現象追い」になりがちです。ドラマは人間の感情やキャラクターを描くものなので、慣れないうちはかなり意識して現象追いを避け、人物の感情、キャラクター、葛藤が描けているかチェックする必要があります。

2021-09-02 17:51:24
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

人間ドラマは大まかに二つの方向性がある気がします。人物がみんな作者の頭から生まれた作者の代弁者という感じがするものと、人物がそれぞれ別のところで違う人生を生きているリアリティがあるもの。前者の方がテーマ性の強い作品に向いている気がしますが、僕はどちらかというと後者が好きです。

2021-09-15 16:52:29
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

初心者がドラマのプロットを作るとき、過去の出来事を大きくし過ぎない方がいいです。作者がそれでドラマができたような錯覚をしやすい上、過去の回想に分量を取られて現在の主人公の行動が薄くなりがちだからです。

2021-09-16 15:26:48
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

うまく出来たストーリーは「この作品はこういう話」と端的に言える構造を持っています。それを理解するまではいくらストーリーを作っても「出来事の羅列」になってしまいます。一番確実な勉強法はよく出来た作品を見て「この作品はこういう話」と言えるまで突き詰めて考える作業を積み重ねることです。

2021-10-01 12:24:42
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

初心者が書くセリフはやたら長く演説のようになる傾向があります。その人物が言いたいことだけをまくしたてるからです。そこから脱却するには聞いている相手のことを考えることです。相手はその言葉を聞いてどんな気持ちになるか、何を言い返したくなるかを考えることが人と人の会話になる第一歩です。

2021-10-04 10:58:39
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

他ではあまり言われないことですが、僕は脚本を勉強する人はカット割りやカメラワークも意識した方がいいと思います。そんなに高度な話ではなく、重要なセリフを言うときはその人物のアップになることが多い、というようなことをちゃんと意識して見る方が自分が書く脚本のクオリティも上がるはずです。

2021-10-04 13:06:05
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

脚本を書いている途中で割とよく思うのは「これじゃ普通だなあ」ということで、そう思ったときは普通じゃないことを思いつくまで考えます。生徒の場合は普通のことを普通なまま書いていることが多いです。とりあえず「これじゃ普通だなあ」をスタートにするとよいのでは。

2021-10-30 11:14:37
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

かと言って、変なことや奇妙なことを描けばいいというものでもありません。普通のことをリアルに描いて、視聴者が「あるある」とか「わかるなあ」と面白さを感じたら、そこには誰でも書けるものではない希少性があるということで、やはり普通ではないということになると思います。

2021-10-30 12:13:35
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

エンタテインメントの活劇だと「危機また危機」みたいな展開は楽しいのですが、リアルな人間ドラマで「葛藤に次ぐ葛藤」みたいに悪いことがてんこ盛りで起こると、ある意味クオリティが上がる一方で「そんな問題、本当にあるの?」という気もしてきます。脚本を練るほどそこに陥る危険性もあるのでは。

2021-11-07 12:32:24
尾崎将也/小説『パラレル・パスポート』発売中 @ozakimasaya

ドラマには葛藤が必要というのは当然ですが、たくさん入れればよいというものでもありません。三幕構成は、そのドラマに必要な葛藤の量を調節する機能も持っているのではないかという気がして来ました。その形式にきちんと則ることで、葛藤や事件をあれこれ入れ過ぎずに済むのではないかと。

2021-11-07 14:16:13