オランダ商船で2番目に有名?タンカー「オンジナ」は大物食い
- noricksakurai
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蘭印の海域で拿捕、沈没したオランダ商船調べてみたら、合計160隻以上いたから、さすがに「地元」だなあと(笑 なかでも一番有名なのは病院船オプテンノール(Op ten Noort)かな。日本側の拿捕要件がグレーであったが、オランダ側も救助目的とはいえスラバヤ沖海戦直後の海域に派遣とは無茶するよな。
2020-01-27 23:53:34第2次大戦時のオランダ商船で一番有名なのは病院船「オプテンノール」かな?と書いたが、それでは「オンジナ」(Ondina)は?といわれても「あの船だな」とわかる人は少ないよね。「オンジナ」はロイヤルダッチシェル社のタンカーで1939年8月にアムステルダムで建造されました。 pic.twitter.com/oRBxESdU2Y
2020-02-11 11:38:311939年12月にアメリカで石油製品を積んでハリファックスからイギリス行きの船団に加わり、無事イギリスに到着して危険な処女航海を終えましたが、当時は中立であったオランダ政府を当惑させました。自衛用にアメリカ製10.2cm砲×1門が砲弾40発とともに後部甲板に搭載され、対空機銃も装備されました。
2020-02-11 11:48:07その後は蘭印~オーストラリア航路に転じたようで、1942年11月初め、オーストラリア西海岸のフリーマントルで積荷を降ろしてバラストとして数百トンの穀物を積載し、次の目的地であるペルシャ湾のアバダン行きの準備が行われました。この航海にはインド海軍の掃海艇「ベンガル」が随伴しました。
2020-02-11 11:54:18「ベンガル」(HMIS Bengal)はオーストラリア海軍のBathurst級掃海艇で、当初の基準排水量は590トンでしたが、戦争中の追加装備で排水量は約1000トン程度まで増加しており、速力も13ノット程度に低下していました。「ベンガル」の場合搭載予定の10.2cm砲が不足のためかわり7.6cm砲が搭載されました。
2020-02-11 12:09:45Bathurst級掃海艇はイギリス海軍流に「コルベット」と呼ばれるクラスで、オーストラリア海軍向けに56隻が建造され、他に4隻がインド海軍に配船されて汎用護衛艦として運用されました。大きさや性能的にも日本海軍の掃海艇とほぼほぼ同じですが、レーダーとアスディックを装備しておりその辺で差が(汗
2020-02-11 12:35:56@zdv300 恥ずかしくて船名はとても言えない(泣
2021-05-08 12:59:16@zdv300 まさか、あの大日本帝国海軍の「報国丸」と「愛国丸」がオランダタンカー「オンジナ」とオーストラリア海軍の掃海艇「ベンガル」を攻撃して、逆にタンカーの10.2㎝砲が命中して「報国丸」が誘爆・沈没。タンカーは空船だったので「愛国丸」の魚雷でも沈まずに2隻とも生還したなんてとても言えない。
2021-05-08 15:31:35@noricksakurai 火力だけなら天竜型ぐらいはあるのに豆鉄砲に負けてそれが帝国海軍仮装巡洋艦による通商破壊の終焉になるなんてありえない
2021-05-08 15:33:261942年11月5日、2隻はフリーマントルを出港し、船団速力10ノットでディエゴガルシアを目指しました。11月11日11時30分頃「オンジナ」の見張りが約12,000メートルの距離の水平線上に2隻の船を発見しました。不明船は一見空母にも見えましたが、友軍艦が付近にいるとの情報はありませんでした。
2020-02-11 18:47:02直ちに警報が発せられ「オンジナ」は敵艦から離れる方向に転舵し、11時50分頃「ベンガル」は敵艦の正体を確認して「オンジナ」の脱出時間を稼ぐために健気にも敵方に転舵しました。敵艦の正体は日本海軍の仮装巡洋艦「報国丸」と「愛国丸」であり、低速の「オンジナ」では振り切ることは不可能でした。
2020-02-11 18:50:31オーストラリア海軍のバサースト級掃海艇も、インド海軍所属のベンガルが報国丸と撃ち合ってるんですよなあ。タンカーと共同で報国丸を撃沈に追い込んでますが、これは仮装巡洋艦が見た目ほど火器管制能力が高くないのと防御力弱いのもありそうですが。 pic.twitter.com/RHfcDscw6i
2021-01-08 21:48:54「オンジナ」は船尾の10.2cm砲で「ベンガル」を支援しました。11時58分には「ベンガル」がSOSを発信し、12時「報国丸」が「ベンガル」に対して発砲して海戦の火ぶたが切られました。「ベンガル」も7.6cm砲で報国丸の発砲に答え、12時5分頃「オンジナ」の船尾砲も約8,000mの距離で発砲しました。
2020-02-11 18:57:02「オンジナ」のマストに報国丸の14cm砲弾が命中したとき、「オンジナ」の第2弾が報国丸の船首のすぐ前に落下し、着弾修正された第3弾は見事デッキハウスに命中しました。「オンジナ」には測距儀も管制装置もなく砲側照準のみで命中させたのは上出来でした。
2020-02-11 18:59:43「報国丸」と「ベンガル」が撃ち合っている間に「オンジナ」の砲火は「報国丸」の船尾の方に移動し、第5弾または第6弾が命中で大爆発が起こりました。魚雷発射管に命中した砲弾により魚雷が爆発し、搭載の弾薬や潜水艦用の魚雷が誘爆し、船尾が破壊されて搭載していた水上機が吹き飛ばされました。
2020-02-11 19:06:38「報国丸」は船尾が沈下し同時に右舷側に傾斜してさらに弾薬の誘爆が始まりました。「愛国丸」も砲撃を開始して両船に命中弾を与えました。「ベンガル」は砲弾を打ち尽くしたため12時40分頃には煙幕を張って離脱を図り、1分後には命中弾により火災が発生したが沈火に成功しました。
2020-02-11 19:13:1613時8分「オンジナ」は砲撃を避けて転舵を繰り返しましたが、ブリッジに命中弾を受けて火災が発生し、「ベンガル」はこれを見て「仮装巡洋艦1隻とタンカー沈没」と打電しました。「オンジナ」が最後の砲弾を発射したとき「愛国丸」は3,500mまで接近しておりHorsman船長は船の放棄を命令しました。
2020-02-11 19:18:05