飯田譲治さんが語る『沙粧妙子 - 最後の事件 -』

沙粧妙子最後の事件の脚本を執筆することになった時は、まだ連続ドラマの脚本執筆の経験がなく、12話をひとりで書くことが可能かどうかもわからず、とにかく突入していったという感じでした。
2010-04-14 02:20:53
最初に書いたのは、「アナザヘヴン」の原形です。空から落ちてきた悪意がいろんな人に乗り移って悪事を重ねていく。それを二人の刑事が追い掛ける。毎回犯人役は代わっていくけれど、犯行を行う「意志」はひとつ。
2010-04-14 02:24:05
考えたらこれは、「意志」が乗り移っていくというネタを取り除くと、まるで「古畑任三郎」ですよね。でも、そういう構想を練っているときはまだ「古畑」の放送前でしたから。
2010-04-14 02:25:20
ところがこれは、SF過ぎてお客さんが着いてこれないだろうということでボツになりました。第一話、自分ではけっこう面白かったんですけど。
2010-04-14 02:26:10
何年か後に、テレビ朝日で「アナザヘヴンec.」というSF連続ドラマをやりましたが、やっぱりお茶の間のお客さんは着いてきてくれなかったので、当時のフジの判断は正しかったんだと思います。
2010-04-14 02:29:21
沙粧妙子を書く前に、羊たちの沈黙を読んだかどうかは定かではないんですが、FBIの捜査官が執筆した犯罪心理学という本に刺激を受けました。
2010-04-14 13:47:15
しかし、FBI犯罪心理捜査官の中の記述、犯罪者と接見していくうちに、ただ話しているだけなのに犯罪者に同化してしまっていく心理をキーポイントにするというアイデアはすごく自分で面白かった。
2010-04-14 23:50:19
プロファイリングチームの解散から後、現場の刑事になった女性と、新しく配属される新米刑事のバディストーリーということで第一話を書いてみました。
2010-04-14 23:52:03
池波宗一は第一話にサブキャラで登場させていたんですが、このキャラクターを発展させていくと面白いという意見が出て、以降、池波を重要キャラとしてふくらませていきました。
2010-04-14 23:53:13
梶浦が生きているか死んでいるかは、決めずに物語を書き続けてみました。あの結末を考えたのは8話が完成したくらいの時だったと思います。
2010-04-14 23:54:49
沙粧妙子は最初12話の予定だったんですが、最終的に11話になりました。これは視聴率が悪くて短縮したわけじゃありません。イレギュラーな理由がありました。
2010-04-14 23:56:11