「MMT」支持者の言う「信用創造」とは、無からお金を生み出す、「錬金術」のような魔法!? 現実は……? ――インフレ、実質成長、価格決定モデルについて
togetter.com/li/1653994 「信用創造」は、「無」から金を生み出せる「打ち出の小槌」なのか? ――MMTの説明と、実際の金融の違いについて(以前まとめ)
2022-01-29 21:28:59上記のように以前もやったから、「信用創造」については、今日はこの辺にしておこう。一言でまとめると、信用創造は「無から有」を生む錬金術ではない。経済に「フリーランチはない」で終わりだ。
2022-01-29 21:30:29さて、MMT信者は、信用創造を拡大適用して、政府は紙幣や国債を刷ることで、「無から有」を生み出せる、という「国家レベルの錬金術」のようなこともまた言っている。
2022-01-29 21:32:20「誰かの赤字は誰かの黒字」とか「家計と政府の財政は違う」とか「政府が借金するとお金が生まれる」とか、MMT信者が念仏のように、コピペ的に繰り返している。
2022-01-29 21:33:37では、政府は借金するほど得なのか? もちろん、そんなわけがない。旧ソ連が経済崩壊したり、今まで財政破綻した国の歴史との辻褄がまるで合わなくなってしまう。
2022-01-29 21:34:45どうしてMMT(信者)はそう考えてしまうのか? それは、MMTが「価格決定モデル」を持っていない、という致命的な理論的欠陥があるからだ。
2022-01-29 21:37:30youtu.be/LsxRSrnhpNc?t=… MMT(Modern Monetary Theory)の問題点は? 安達誠司のマーケットニュース 江崎道朗【チャンネルくらら】(2019/05)
2022-01-29 21:38:28fujitsu.com/jp/group/fri/k… MMT(現代貨幣理論):その読解と批判(2019年7月 富士通総研/早川英男)
2022-01-29 21:41:00「早川英男」氏は、元日銀理事だ。上記事の冒頭要約部分に「MMTは会計論に終始し、価格や均衡の概念を欠くところに本質的な弱点がある」とある。やはり、価格決定(均衡)モデルを欠くことを指摘しておられる。
2022-01-29 21:43:06が、前半の「信用創造」と、後半の「価格決定」の話が、どうつながるのか、普通の人はなかなか分からないだろう。多少、マクロ経済学の知識が必要になるので、私が解説しよう。
2022-01-29 21:45:58まず、政府が借金をしまくれば、経済成長するとか、国民が豊かになるとか、MMT信者はそう考えてしまうが、ここでも「無から有」は生まれないし、フリーランチはない。
2022-01-29 21:47:41政府は紙幣を刷れるから、「家計とは違うんだ」とか、いくらでも借金できるとか、日本版MMTの信奉者たちはデタラメなことを言うが、それは間違っている。
2022-01-29 21:48:24政府が借金をしまくれば、GDPは増えるだろう。GDPの定義に政府支出も含まれるから。しかし、そこで起こるのは「名目成長」だ。金を増やしただけだから。
2022-01-29 21:51:13あるいは、同じ江戸時代でも、前期と後期では、何万倍とかの違いが出たかもしれない。ただし、金属貨幣による金本位制でなく、刷り放題の紙幣が登場していたら、という前提の話だが。
2022-01-29 21:56:36戦前に「円タク」というのがあって、一円でタクシーに乗れたので、数十年たつと数百倍になる。長期的なインフレによる物価上昇、逆に見ると通貨下落のためだ。
2022-01-29 21:57:50で、同じ江戸時代で、物価が100倍になったら、100倍豊かになるだろうか? もちろん、ならない。同じような科学技術の水準なら、同じような生活だろう。
2022-01-29 21:59:01もし、「1メートル=100新メートル」と決めれば、日本人の身長は「180新メートル」とかになるが、日本が巨人の国にはならない。「ガリバー旅行記」みたいにはならない。たんに単位が変わるだけ。
2022-01-29 22:03:05本当の経済成長は、実質成長だ。生産量が増えることで、モノが手に入りやすくなることで、豊かになる。じっさいたとえば、農作物は江戸時代より今の方が生産量が多い。化学肥料や耕作機械を使うから。
2022-01-29 22:05:31