茂木健一郎さんの「無意識のコンプレックスを意識化して、かえって自由になるための手法」

脳科学者・茂木健一郎さんの8月20日の連続ツイート。 Twitterトラブルによりトゥギャりもれだった分・・・いまさらですが・・・
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茂木健一郎 @kenichiromogi

「連続ツイート」をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 今朝は、もっと自由になりたい!

2011-08-20 07:39:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

こぷ(1)記憶は脳のもっとも大切な機能の一つであるが、一方で若さを失う原因にもなる。すでに学んだことでなんとか回していけるから、向上心を失う。また、ネガティヴな体験にいつまでもとらわれていると、新鮮なチャレンジ精神がなくなってしまう。

2011-08-20 07:40:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

こぷ(2)忘れることが、最高のアンチエイジングになる。これまでどのようなことがあったとしても、まるで今朝生まれたばかりのように、新鮮な気持ちで世界に向き合うこと。脳は記憶するのが仕事だが、逆説的に、忘れることが若々しいエネルギーの源泉ともなるのである。

2011-08-20 07:41:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

こぷ(3)記憶には、意識的に思い出せるものと、思い出せないものがある。忘れることによるアンチエイジング。重要なのは、思い出せない記憶から自由になることである。自分の無意識に蓄積された記憶のコンプレックスから、解放されなければ若くはなれない。

2011-08-20 07:42:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

こぷ(4)無意識の中にあるものにこそ、人はとらわれる。劣等感。挫折の記憶。コミュニケーションの断絶。そのような記憶が、ネガティブなものであるほどに、私たちは向き合おうとしない。無意識の中に閉じ込めて、見えないようにする。そのためにかえって囚われる。支配されてしまう。

2011-08-20 07:44:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

こぷ(5)たとえば、ある存在に対して攻撃的になったり、やたらと否定的になったりしている時には、無意識の中のコンプレックスに支配されている場合が多い。気力が湧かない、やる気が起きないというような場合にも、無意識の中に蓄積された体験に縛られていることがある。

2011-08-20 07:45:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

こぷ(6)無意識の中の記憶から自由になるためには、逆説的だが、一度それを思いだして意識の中に呼び戻さなければならない。意識化することで、凝り固まっているコンプレックスを解きほぐす。思いだすことで、ようやくのこと、安心して忘れることができるのである。

2011-08-20 07:46:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

こぷ(7)どのようにして、無意識を意識化するか。一つの手法として「フォーカシング」がある。自分の心の状態をメタ認知して、そこに何か感じられるもの(felt sense)を探りあてる。関連して思い出すこと、気になることを、無意識の暗闇に光を当てるように見つめていく。

2011-08-20 07:47:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

こぷ(8)ニーチェは、「ルサンチマン」(恨みの感情)こそが、人を堕落させるものだと看破した。ルサンチマンと、それに基づく攻撃性は、精神を急速に老齢化させる。無意識の中に凝り固まったルサンチマンから自由になるためには、一度思いだして、それから忘れることだ。

2011-08-20 07:49:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

こぷ(9)人間にとって、自由になるのは「今、ここ」から先の「未来」だけである。心がけ次第で、今この瞬間に「革命」を起こすことはできる。しかし、そのためには、「忘れる」ことが必要である。忘却の新鮮作用こそが、私たち人間を若々しく保つ、単純で深遠な手法なのだ。

2011-08-20 07:50:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、忘れることを通してのアンチエイジング、とりわけ、無意識の「コンプレックス」を意識化して、かえって自由になるための手法についての連続ツイートでした。

2011-08-20 07:51:36