体内のウィルス量が減ったからといって、病気の症状が軽くなるとは限らない。薬の効果を定義する「エンドポイント」とは

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祟り神 @H6eJiFlVi1uQ2lR

何科の医師であれ、臨床経験が10年ほどあれば、「インフルエンザウィルスを減少させます。1回飲むだけで大丈夫です。国産です。」 と言って売り出した、塩野義のゾフルーザを忘れてはいないだろう。

2022-02-08 15:28:04
祟り神 @H6eJiFlVi1uQ2lR

10年と書いたのはゾフルーザ発売時に単独で新患の診察していた医師なら、若くても10年目くらいだと思ったからね。発売は2018年よ。誤解しないでね。

2022-02-08 15:42:53
祟り神 @H6eJiFlVi1uQ2lR

感染症が専門でない私のような医師は、ゾフルーザを通じて塩野義さん、ウィルスを減らすだけでは意味がなく、治験のエンドポイント設定の必要性を教えてもらったんですよ。ええ、皮肉でなく。

2022-02-08 16:16:28
\\りょーた// @ryoinalf

塩野義がコロナの「内服薬」を出すと言っていてすでに治験では「手ごたえを感じている」と。 国産のコロナができるっていういい話のように見えるこの話に医者がわーわー言ってるのはなんでかというのをちょっとお話。 塩野義には「前科」があるんですよ。

2022-02-08 11:42:48
\\りょーた// @ryoinalf

さて、皆さん、薬を飲むことってありますが「薬が効く」ってどんなことを指すでしょう?例えば今はやりのコロナにかかったとして、熱が出た、のどが痛い、息がつらい、全身つらい、っていうときに薬を飲んで「これは効いた」っていうのはどんなことがあったらでしょうか?

2022-02-08 11:43:55
\\りょーた// @ryoinalf

多分、「熱が下がってのどが痛くなくなって息が楽になって、重症化せずに、死なずに済んだ」ことが「薬が効いた」、だと思うんですよ。こういう、「効果」の定義を治験なんかでは「エンドポイント」と言います。

2022-02-08 11:45:17
\\りょーた// @ryoinalf

さて、塩野義はこの「エンドポイント」を、「体内のコロナウイルス量が減る」と定義してます。 「ウイルス量減ったらそれだけ治るじゃん」と思う人がいるかもしれません。そこが人体の不思議で、それがさっきのような「楽になって重症化したり死んだりせずに済んだ」とはならないこともあるんです。

2022-02-08 11:47:10
\\りょーた// @ryoinalf

もう5年ほど前のインフルエンザシーズンで「一回だけ飲めばいいだけのインフルエンザの最新の薬が出ました!」なんて話題になったの、覚えてないでしょうか。「ゾフルーザ」って薬で、最近テレビで見なくなったスキンヘッドの呼吸器の専門の開業医も

2022-02-08 11:49:13
\\りょーた// @ryoinalf

ワイドショーで診療場面公開しながら「一回だけ飲むだけならそっちの方がいいですよね?」みたいに言ってました。この薬、塩野義が「体内のウイルス量が少なくなります」っていう触れ込みで大々的に売り出したんですよ。

2022-02-08 11:50:33
\\りょーた// @ryoinalf

さてふたを開けてみたらどうか。 まず子供では発熱期間が「かえって延長しうる」ということで子供に使いにくくなりました。 大人ではどうか。高齢者、基礎疾患がある人には使えません。(既存のタミフルのように安全性が担保できない)

2022-02-08 11:51:59
\\りょーた// @ryoinalf

結局「若くて健康な成人に対してゾフルーザを飲ませたら、タミフルと変わらず熱がある期間を半日から一日程度短縮しました」という結果に終わりました。 まあ「大して効かないうえにリスクの高い人に安全に使えない」という何ともお寒い結果でした。

2022-02-08 11:53:54
\\りょーた// @ryoinalf

しかもこのゾフルーザ、「タミフル5日分」よりも「高い」のです。 高くて効かない薬でした。

2022-02-08 11:57:12
\\りょーた// @ryoinalf

そして今回、塩野義がコロナに対する内服薬の売り文句が「体内のウイルス量が減ります」なのです。 …ホンマに大丈夫なんか?と疑いの目を向けたくなるんですよね。こんなことがあったから。

2022-02-08 11:58:51