- BlauerSeelowe
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ネット論客。表現の自由戦士。フェミニストにしてアンチフェミ。寛容と対話の力が、私たちの社会に残る分断と断絶を乗り越えられると信じて、今日も論じます。「私は君の言うことに反対だ。しかし君がそれを言う権利は命をかけても守ろう」アイコンはマスコットキャラの「ヴォル子さん」(※呟きは個人の見解です。所属組織とは一切無関係です)
インフレ率が2%のインフレ目標に近づく中で、追加金融緩和ですか……インフレ率を抑えながら金利抑制を図るとなった場合、財政出動に制約が発生しかねませんが……。 日銀、14日に金利抑制策発動 国債を0.25%で購入: 日本経済新聞 nikkei.com/article/DGXZQO…
2022-02-11 01:45:19言うまでもありませんが、空前の財政赤字に伴う膨大な国債発行は金利押し上げと、貨幣供給によるインフレの発生原因となります。わが国の財政拡張政策の前提は、財政赤字にもかかわらず超低金利と低インフレ傾向が続いていたことでしたが、その前提が崩れつつある……。
2022-02-11 01:49:19@BlauerSeelowe 前提知識足りな過ぎてぜんぜんわからないのでもう少し噛み砕いてもらえるとたいへんありがたいです(強欲)
2022-02-11 02:45:02インフレというのは、いろいろな商品の価格が上昇することを言います。基本的に、経済は成長する生き物であるため、少しずつ価格も上昇することが望ましいとされています。日本の中央銀行である「日本銀行」は「2%」のインフレ率を政策目標として設定しています。 twitter.com/tohogensyoki/s…
2022-02-11 11:48:37よく、「インフレになると給料の上昇よりも早く物価が上昇して大変だ」と言われますが、普通は、物価が上がると企業の収益も増え、給料は上がっていきます。すべての商品の価格や給料が常識的な速度で上がっていくのであれば、インフレはまったく恐ろしいことではありません。
2022-02-11 11:48:38むしろ、恐ろしいのは価格が下がることのほうです。これを「デフレ」と言います。一般に、商品や給料の価格を引き上げるのは簡単なのですが、下げるとなると、いろいろな困難が生じることが多いです(これを経済学の言葉で「下方硬直性」と言います)。
2022-02-11 11:48:38誰でも、給料を下げると言われたら抵抗しますよね。また、独占や寡占になっている業界の商品は、デフレになってもなかなか下がっていきません。結果として、給料や一部の商品だけが異常に高いいびつな経済ができあがってしまいます。
2022-02-11 11:48:39そうすると、販売商品の価格が下がったのに、給料や原価が下がらない多くの企業は、赤字になり、倒産します。また、商品の価格がずっと下がっている社会では、人々は「もう少し待てばさらに下がるだろう」と予測するため、買い控えが発生し、これがますますデフレを加速させます。
2022-02-11 11:48:39これがいわゆる「デフレスパイラル」です。一部の既得権益を握った企業や、高給が保障された正社員・公務員ばかりが豊かになり、逆に、給料が高すぎるため、リストラや派遣社員の採用、新規雇用の低迷が発生します。こうしてデフレ中に雇用にあぶれた「氷河期世代」が生まれるわけですね。
2022-02-11 11:48:39さて、では、インフレ率をコントロールするにはどうすればいいでしょうか。簡単ですね。上げたいときには国がお金をばらまき、下げたいときには国がお金を回収すればいいのです。
2022-02-11 11:48:40想像すればわかりますが、普通は「お金をばらまく」ほうが簡単です。お金をもらって喜ぶ人はいても、とられて喜ぶ人はいないからです。したがって、歴史的には、国はインフレに苦しむことのほうが多いです。ジンバブエですごいことになったのは有名ですね。 pic.twitter.com/5nD2efiJvm
2022-02-11 11:48:40続き。ここからは、国がお金をコントロールする方法について説明します。ざっくり大きく分けると、その手段は二つで、一つは「金融政策」、もう一つは「財政政策」と呼ばれるものです。順番に説明します。
2022-02-11 13:15:37まず、「金融政策」ですが、これは、お金を作っている「中央銀行」(日本の場合は「日本銀行」)が、じゃんじゃんお金を作ってばらまいたり、逆に回収したりするというものです。中央銀行は、お金をコントロールする三つの武器を持っています。
2022-02-11 13:15:37私たちのお金がどうやって私たちの手元に来るかですが、基本的には、中央銀行が民間銀行に貸す、民間銀行が企業に貸す、そして企業がおちんぎんとして私たちにお金を払う……というルートです。 中央銀行 ⇒ 民間銀行 ⇒ 私たち(企業など)
2022-02-11 13:15:38まず一つ目の武器は、「中央銀行⇒民間銀行」で中央銀行が民間銀行に貸す際の「金利」をコントロールするというものです。これを「公定歩合」と言います。中央銀行の金利が上がれば、民間銀行はより高い金利で貸さざるをえませんから、お金を借りにくくなりますし、
2022-02-11 13:15:38逆に、お金を預けると金利が多くもらえるので、人々はなるべくお金を使わないようになり、企業は投資を抑制し、どんどん銀行にお金が戻っていきます。インフレは抑制できますが、景気は悪くなりますね。逆に、中央銀行が金利を下げれば、どんどんみんながお金を借りて、使うようになります。
2022-02-11 13:15:39二つ目の武器は、「民間銀行⇒私たち」の部分のお金の量をコントロールするというもので、「法定準備率」と言います。中央銀行は、「民間銀行が預金者から預かっているお金の何割を私たちに貸してもいいか」を決める権限があります。
2022-02-11 13:15:39これも、公定歩合と同じく、上げれば銀行の貸し出しが減り、人々が持っているお金の量が減ります。逆に、下げれば、貸し出しを積極的に行うようになるため、人々はお金をたくさん持つようになり、インフレ率が上昇します。
2022-02-11 13:15:40さて、で、やっと日本の話になるのですが、日本はデフレなので、教科書的には、日銀が公定歩合を引き下げ、法定準備率も下げればそれでいいじゃんという話なんですが、ことはそう簡単ではありません。
2022-02-11 13:15:40日本はすでに長いこと「公定歩合」はゼロです(いわゆる「ゼロ金利政策」)。また、法定準備率を操作しようにも、そもそもみんなが銀行にお金を預けた額のほうが、貸出する額よりもはるかに多い状態が続いている(超過準備)ので、中央銀行としてはこれ以上どうしようもない状態なのです。
2022-02-11 13:15:40みんながお金を使わな過ぎて、中央銀行の金融政策が無効になってしまうことを、経済学の言葉で「流動性の罠」と言います。いわゆる「失われたウン十年」は、この「流動性の罠」にはまっていたと説明されることが多いです。
2022-02-11 13:15:41さて、そこで中央銀行の三番目の武器、これが実はメインウェポンなのですが、これが「公開市場操作(オペレーション)」と呼ばれるものです。これは、中央銀行が自ら、市中に流通する債権や株式を買ったり、売ったりするというものです。
2022-02-11 13:15:41中央銀行が債権を買い入れた場合、債権を低い金利で発行してもバンバン売れるようになるため、企業の投資環境がよくなります。株式を買えば株価が上がるので、企業はジャンジャカ投資するようになり、投資家は儲かって景気がよくなります。なんだか卑怯臭いですが、効果は抜群です。
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