「MMT」派のよく言う「信用創造」は錬金術? ハーバード大・マンキュー教授「信用創造は富を創造するわけではない」! ――元日銀理事・早川英男氏「銀行は際限なく貸せない」「政府の借金は消せない」

最近のネット(冒頭リンク)を見ると、「信用創造」について、とくに日本版「MMT」の支持者は、「無から有」を生み出す「錬金術」のように語ります。これは本当でしょうか? そこで、前半では、ハーバード大教授の「マンキュー」氏を引用して、信用創造は富を生み出す錬金術ではないことを示します。 後半では、元日銀理事の「早川英男」氏の記事を引用して、「銀行が預金の元手なしに、いくらでも貸せる」とか「日銀が国債を買えば、政府の借金を消せる」ということを否定します。 これらはなぜか、日本のMMT信者の間では、念仏のように繰り返されることですが、何か正当な根拠があるわけではなく、極端に膨れ上がった「希望的観測」のようです。 なお最後に、「池戸万作」氏との応答が少しだけあります。
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しろうと @sirouto

togetter.com/li/1844452 「藤巻健史 VS 池戸万作」 MMT、金融、日銀についての論戦! ――論点は「日銀当座預金」の原資が、一般の預金かどうか? など(以前まとめ)

2022-02-15 21:25:00
しろうと @sirouto

togetter.com/li/1844475 「木村優 & 加納裕三 VS 池戸万作」 MMT、リフレ、信用創造についての論戦! ――論点は「日本版MMT」と「本家MMT」の違いなど(以前まとめ)

2022-02-15 21:25:22
しろうと @sirouto

どうも、しろうとです。今日も、「MMT」(支持者の主張)について検討します。今回はとくに、経済学者の「マンキュー」氏と、元日銀理事の「早川英男」氏の主張について、お話していきます。

2022-02-15 21:27:18
しろうと @sirouto

まず、マンキュー氏から。「グレゴリー・マンキュー」氏は、アメリカの経済学者で、「ハーバード大学・経済学部 教授」だ。彼の「マクロ経済学」の本は、世界的なグローバルスタンダードの教科書になっている。

2022-02-15 21:29:27
しろうと @sirouto

そのマンキュー氏の『マクロ経済学 入門編』から、「信用創造」についての部分を引用してみよう。上のリンクにあるように、最近議論になっていたから。

2022-02-15 21:30:28
しろうと @sirouto

マンキュー「(……)銀行システムが貨幣を創造するといっても、富を創造するわけではない点に気をつけよう。銀行が準備を取り崩して貸出にまわすと、借り手に取引・支払いを行う能力が生まれるので、マネーサプライを増やすことになる」(引用/次に続く)

2022-02-15 21:31:12
しろうと @sirouto

マンキュー「(……)しかしながら、借り手は銀行に対しての負債(返済義務)を負うので、貸出は借り手を富ませることにならない。言い換えると、銀行システムによる信用創造は、経済の富ではなく、流動性を増やすのである」(引用/ マンキュー『マクロ経済学 1 入門編』(4版)より)

2022-02-15 21:32:08
しろうと @sirouto

マンキュー氏の著書の引用部を、さらに一言で要約すると、「銀行システムによる信用創造は、経済の富ではなく、流動性を増やすのである」とおっしゃっている。

2022-02-15 21:33:29
しろうと @sirouto

MMT支持者は、「信用創造で、お金が無から生まれる!」などと言う。また、「現代の錬金術」とか、好き勝手なことを言っている。が、信用創造は「富」を生まない。「流動性」を増やしているだけ。

2022-02-15 21:35:05
しろうと @sirouto

信用創造で流動性(貨幣量)は増えるが、借り手は借りた金を返す必要がある。つまり、ゼロを「プラス」と「マイナス」に分解しているので、「プラスマイナスゼロ」になる。「貨幣の中立性」から考えても当然。無から有は生まれない。フリーランチはない。

2022-02-15 21:38:12
しろうと @sirouto

というと、「政府紙幣」や「無利子永久国債」のように、返済しなくていい通貨を供給すればいい、と考えるかもしれないが、それはインフレになる。通貨には使用価値がないのだから、一方的に供給すれば、財・サービスが不足してインフレになる。

2022-02-15 21:40:02
しろうと @sirouto

マンキューは「経済学の十大原理」を提示していて、その中のひとつが、「政府が紙幣を印刷しすぎると、物価が上昇する」というものだ。

2022-02-15 21:42:32
しろうと @sirouto

togetter.com/li/1840261 じつはあの北朝鮮は、「無税国家」宣言していた! 無税でどうやって、国家運営しているのか!? ――政府紙幣、永久国債、通貨発行益(以前まとめ)

2022-02-15 21:42:56
しろうと @sirouto

「無税国家」宣言をした北朝鮮が、紙幣の刷りすぎで、物価が毎年2.5倍上がっていた。ので、無税国家の実態は「インフレ税国家」でしかない。マンキューの言う通りインフレしている。経済史上、「フリーランチ」はない。

2022-02-15 21:44:47
しろうと @sirouto

youtube.com/watch?v=UW6JXI… 【解説】輸入品「38%」値上がり…影響いつまで?(2021/11 日テレ)

2022-02-15 21:46:16
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しろうと @sirouto

youtube.com/watch?v=ICabtb… アメリカのインフレが止まらない 消費者物価指数40年ぶり高水準に(2022/02 FNN)

2022-02-15 21:47:51
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しろうと @sirouto

また現に、アメリカがインフレしている。これは原油高の影響があるだろうが、アメリカ国内で給付金をバラまいた影響もあるだろう。ヘリマネでインフレが起きるのは別におかしくない。「バーナンキの背理法」の通りだ。

2022-02-15 21:49:00
しろうと @sirouto

さて、マンキュー氏は、「MMT(現代貨幣理論)」に関して、直接言及しているので、その主張も見ておこう。

2022-02-15 21:50:53
しろうと @sirouto

上記を見ると、全体的には、やはり主流派経済学者(ニュー・ケインジアン)らしく、MMTに批判的な立場のようだ。ツイッターで網羅するのは大変なので、マンキュー氏の主な論点に絞って、取り上げてみよう。

2022-02-15 21:54:05
しろうと @sirouto

まず、MMTで一番多く取り上げられるのは、「自国通貨建ての国債は、デフォルト(債務不履行)しない」という主張だ。より単純に、「自国通貨建ての国債は、絶対破綻しない」という風に言われることもある。しかし、これは嘘だ。

2022-02-15 21:55:35
しろうと @sirouto

上記のマンキュー氏によると、「ハイパーインフレ」よりマシだから、政府はあえて「デフォルト」を選択することがあるという。だから、「デフォルトしないから安全」、というわけではない。

2022-02-15 21:56:34
しろうと @sirouto

また、インフレと貨幣の伸び率の相関が高いデータがあり、「貨幣数量説」は大筋では当てはまっているという。主流派は単純な貨幣数量説を採らないが、それは完全否定しているのではなく、より精緻化しようとしているのだと。だから、MMT支持者の「(金を刷っても)インフレしない」は違うと。

2022-02-15 22:00:36
しろうと @sirouto

さらに、マンキュー氏は、MMT支持者が頼りがちな「価格統制」についても懐疑的だ。価格統制の歴史を鑑みれば、解決策(価格統制でインフレも統制できる)になるとは考えにくいと。

2022-02-15 22:02:59