戦災で焼失した名古屋城天守、二度と燃えないようにするために、鉄筋コンクリート製を名古屋市民は皆願ったのか？

日光81 @nikko81_fsi

昨年5月、名古屋城現天守閣解体申請に対する文化庁からの指摘事項への回答がなされた時期に、名古屋市がまとめている「特別史跡名古屋城跡 本丸整備基本構想」を確認しました。重要なことが書かれてますね。ご指摘ありがとうございます。 nagoyajo.city.nagoya.jp/plan_expert/up… twitter.com/Nagoyacastle2/…

金鯱城 @nagjo1612

「名古屋城天守閣は二度と燃えないないように鉄筋コンクリートで再建された」 実際は、当時の世論調査では木造復元を望む声が近代建築より多かった。 pic.twitter.com/XxrBeSqCJa

2022-02-17 22:55:20

日光81 @nikko81_fsi

P.32以降が基本構想の説明。P.36からのB-1 天守の歴史的変遷の項目に、1-2 現天守閣の再建までの経緯がまとめてあります。再建検討時、名古屋市は「天守は昔のまま再現したい」とする一方、鉄筋コンクリート再建に批判な意見、またやむを得ず鉄筋コンクリートにせざるを得ないなど複数の意見掲載。

日光81 @nikko81_fsi

やむを得ないという意見、そのやむを得ないのは『木造再建は技術的には不可能ではないが資材の関係で』とあり、当時からこの規模の大天守再建に、資材がネックになるという認識があったことがわかる。

日光81 @nikko81_fsi

戦後の早い段階（昭和22年）には商工会議所・観光協会が再建陳情、それをうけた当時の世論調査（昭和23年）では、再建必要が73.6%で木造にすべきが44.7%、近代建築が37.5%と圧倒的な差ではないが、むしろ木造再建希望が多い。拮抗しつつも木造再建が希望されていると読め、意見が分かれている。

日光81 @nikko81_fsi

ということは、まことしやかに語られている、戦災に遭った名古屋市民の市民感情として、二度と燃えないコンクリート天守を望んだのだということは、一部の市民の意見ではあっても、当時の名古屋市民の総意とは言えないだろう。むしろ、現在の再建議論と同様、かなり意見が割れていたということだ。

日光81 @nikko81_fsi

一方で住宅不足解消、教育・交通など都市機能の整備を優先すべきで、天守再建は時期尚早という主張は、優先せよという項目こそ違えど、現在も含め、常に言われ続けるであろうことでもあって、興味深い。

日光81 @nikko81_fsi

その上で、現天守閣の評価として『戦後の経済復興を観光によって図ろうとした時代の価値観に基づいた『戦後を象徴する建造物』という指摘は適切だろう。そしてその意味での歴史的価値は、オリジナルの天守とは別の次元の価値として、認識できるもの。

日光81 @nikko81_fsi

鉄筋コンクリートによる再建天守閣の再建経緯を正しく振り返ることは非常に大事で、某市長の言動には賛同しかねる点が多いが、名古屋城天守の木造再建に至る過程として、着実に進展している部分はあるんだな、と感じた次第。

日光81 @nikko81_fsi

少なくとも「戦災に遭った名古屋市民の市民感情として、二度と燃えないコンクリート天守を望んだのだ」という誤った歴史の理解に基づき、当時の人々の「その」思いを大事にしろとはいえないよね（勿論そういう人もいて、その意見の人々を大事に思うことにはなるが、44%の意見の人はどうなるんだい？）

日光81 @nikko81_fsi

とはいえ…である。名古屋城天守閣の歴史が重なるだけ、多くの人々の記憶と思いはそこに堆積する。昭和の再建当時、耐用年限に気付けたかわからないが、結果的に限りある建物に、愛着を集めてしまった…そうした思い出と愛着の居場所を解体した後どうつくるか、その落とし前をつけることも大事だな。 twitter.com/nikko81_fsi/st…

日光81 @nikko81_fsi

批判を受けるかもしれないが、二度と燃えない天守を…という望みは秦始皇帝が不老不死を求めたような印象を受ける。かたちあるものはいつかは消え行く、ならば何度でも甦らせるしかない。本来燃えないことが目的ではなく、失くならないが目的のはず。戦災のインパクトはつよいだろうが…

日光81 @nikko81_fsi

二度と燃えない天守閣をつくったがために、別の理由でなくなろうとしている皮肉…