【考える時間】福間健二 #k2fact322

福間健二 @acasaazul

透きとおるようなフルムーン。一年ぶりに会った人たちが順番に踊る。みんな、コロナ大丈夫だったんだ。行く人は行き、通りすがりに発見もある。たれさがる布、和風とはかぎらないし、食べ物の調達に苦労するプリンセスもいる。おから煮た。コンニャク多いけど、許してね。（考える時間１） #k2fact322

福間健二 @acasaazul

淡いピンク系。貝殻のツルツルした内側から。あるときはやわらかく、あるときは骨。指の機能をもつものに挟まって移動する。形じゃなくて心を読みなさい。とくに右膝が痛む人。授業はない土曜日。ワーイ、明るくなってきた。行為によって変わる関係。戻れない夢に対しても。（考える時間２）#k2fact322

福間健二 @acasaazul

広い場所に出た。ぼくは大きすぎる帽子をかぶっている。破れる紙、破った骨にも変化がおこるという形式。バラバラに死んでいく動物たちがいて、岡山でもブルックリンでも聴いた音楽が鳴った。すごいですね、と言う人。なるほど、と言う人。それから、体温が十字路だ。（考える時間３）#k2fact322

福間健二 @acasaazul

どこに行くのか。問いかけるのは、どんな場所に置かれても景色を楽しめない若者。都市でも、田園でも、劣等感を素材の光沢で隠そうとする。でも、泣かない。読んでいる本を叩きつける。世界の破れ目に。無邪気な散歩がいけないと言うのなら、これは生きるのに必要な散歩だ。（考える時間４）#k2fact322

福間健二 @acasaazul

あるのだ。いまこそやらなくてはならないこと。でも、風がつめたい。見る。さわる。その前に心で旅をする。何地方でもいい。フタのあかない箱にこだわってやりそこなったこと、やりそこなってよかったのかもしれない。おはよう、子どもたち。光が骨を透きとおらせる。（考える時間５）#k2fact322

福間健二 @acasaazul

ディラン・トマスの廊下。ジル・ドゥルーズの窓。終わること。波の前に立ってもう叫ばない。速度、失うのではなく速度そのものになる。昼ではなく、夜に。自転車の少女が「錆びたナイフ」を歌っている。ここまで何をしに来た。体の硬いところ、それがまだあると感じる。（考える時間６）#k2fact322

福間健二 @acasaazul

パンにみそ汁でもいいですか。視界、機械、未来。そこにないドアを叩く詩人には鳥と青い塔の三月。雲のコピー、四月。工場と印象派は十月。キャベツとちくわが入っている。節約すること、保存すること。落葉と古い歌のほかに、ということ。ミルク少し入れたら最高だった。（考える時間７）#k2fact322

福間健二 @acasaazul

水曜日、日曜日、火曜日、木曜日。何をした日だろう。体に聞けばすぐわかったが、かわりに放つ線を用意するまでに洗濯物がだいたい乾いた。生と死のあいだで。不完全な空白。イメージから実体へ。戦争がはじまった日。二十世紀に使ったものばかりで、混線している。快晴だ。（考える時間８）#k2fact322

福間健二 @acasaazul

声も出さずに。夢の切れはし。知りたかった名前と住所と好きな色。わかったとしても、手紙は途中で書けなくなる。待っていること、いまはとくにないとしか言えない。ひとりで歩く。ひとりでいる。自由だ。心臓が静かに打っている。太陽神経叢があたたかい。二月二十六日だ。（考える時間９）#k2fact322

福間健二 @acasaazul

考える時間、もう少しください。そう言って終わるつもりだった。ぼくとさびしい虫たち。いま、回転の止まる台から落下して、黒く、あるいは悲鳴でわかるのか、はなればなれだ。この郊外の光は青くない塔に閉じこめられていた光だ。恋をした。生きるのに必要なことだった。（考える時間10）#k2fact322