駒尺喜美『魔女の論理』読書メモ

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かんた @0sak1_m1d0r1

男に従って素直についてくる紫の上と、奔放に欲望におもむくままにふるまうナオミと、そのタイプは一見正反対にみえるけれども、いずれも、男好みにつくられた女という意味では同じである。 (駒尺喜美『魔女の論理』10) なるほど、気がつかなかった。

2022-02-25 23:12:45
かんた @0sak1_m1d0r1

人間が人間を思いのままにしようという、その営みが既に非人間的な営みである以上、そこに人間の関係が成立しないのは理の当然であるが、しかし、男と女の関係においては、この無駄な努力のくり返しが、ずっと今日までつづいているのではないだろうか。 (駒尺喜美『魔女の論理』10、11)

2022-02-25 23:18:49
かんた @0sak1_m1d0r1

『魔女の論理』p12。自然主義の作家たちが「封建社会の肉欲抑圧のモラルへの反撃」として「エロスを肉の側面に釘付け」した、という指摘、面白いな。

2022-02-25 23:24:12
かんた @0sak1_m1d0r1

男と女の関係構造が、養う側と養われる側という、この基本構造が変らないかぎり、どのように民主的よそおいをこらそうが、本質は同じである。「主人」という呼び名を、どのように変えようとも、養う側の主導権は動きようがない。 (駒尺喜美『魔女の論理』16)

2022-02-25 23:34:43
かんた @0sak1_m1d0r1

がこの場合わたしがもっとも警戒したいと思うのは、人間は所詮孤独なものだ、といったふうの通俗哲学に対してである。夫と妻の、男と女の不通・孤立の問題を、そのように言いすてることは、安易、軽薄、怠慢以外の何物でもない。 (駒尺喜美『魔女の論理』38)

2022-02-26 00:45:40
かんた @0sak1_m1d0r1

女は逃げるもの、相手が好きであっても逃げるふりをするもの、男は、そういう女を力ずくでひきよせる。このパターンがまるで求愛の儀式のようになってしまっているのは、男は性的に積極的なもの、女は受け身だという固定観念によってささえられているからではないだろうか。 (『魔女の論理』75)

2022-02-27 10:42:23
かんた @0sak1_m1d0r1

アメリカの本によると強姦という犯罪は、結局、男の財産である女を盗まれたという、論理上の解釈で罰せられるらしいのである。昔からのそういう法律が残っているらしいのである。 (駒尺喜美『魔女の論理』83) えっ

2022-02-27 10:50:48
かんた @0sak1_m1d0r1

わたしはいつも言うのだけれど、男は誇示二ケーションとなり、女は媚二ケーションとなっている。男と女の関係が依存させる側と依存する側の組合せであるかぎり、男は誇示的になり、女は媚的になるのは当然の運びであろう。 (駒尺喜美『魔女の論理』89)

2022-02-27 17:54:38
かんた @0sak1_m1d0r1

『魔女の論理』三歳の女の子がスカートを拒否して男の子の群れに入りたがることを「女であることに屈辱を感じて」おり、「女が差別されたる性であることを、直感しているからであるに違いない」と指摘しているけど、これは違うんじゃないかな。

2022-02-27 18:06:42
かんた @0sak1_m1d0r1

これはつい近頃思いついたのだが、女の作家であろうとも、ほとんどの場合は女を男の眼で書いている。(略)だが、吉屋信子を読んで初めて気づいたことは、客観の眼ではなく、女の眼で書かれている、つまりは女が女をいとおしむ眼で書かれていることである。 (駒尺喜美『魔女の論理』234)

2022-03-03 21:43:51