<今後、より病原性の高いSARS-Co-2が出現する可能性は高い>

@influenzer3 先生の2022年3月17日のツイートをまとめてみました。
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influenzer @influenzer3

●SARS-CoV-2の将来予想:免疫逃避能を持ち、より病原性の高い変異株が出てくる可能性が高い →Nature reviewsの記事です。 これまでウイルスの変異に関して、「トンデモ理論」レベルの自説を、いわゆる自称専門家らが論じているのを読んでは、いつも苦々しく思っていました。

2022-03-17 19:40:53
influenzer @influenzer3

今回の記事は極めて常識的な内容ですが、Nature誌面でウイルス変異についての基本を、科学的に論じる事の意義は大きいと思います。

2022-03-17 19:40:54
influenzer @influenzer3

実際の未来がどうなるかは、神のみぞ知る領域です。 しかし、少なくとも現在の科学的コンセンサスに基づいて論じれば、このような予測となる。 それだけの事だと思います。 個人的には科学的予想は見事に覆えされ、何故か完全収束!というパターンを願いたいですが・・・

2022-03-17 19:40:54
influenzer @influenzer3

要点は以下かと。 ・集団の免疫レベルが上昇している現在では、今後の変異株は理論的には免疫逃避株となる。 ・次の変異株の病原性がどうなるのかは予測できない。オミクロン株は病原性が低下した例外的なVOCであった。

2022-03-17 19:40:54
influenzer @influenzer3

・オミクロン株の例を考えると将来の変異株は、すでに別の場所で進化しており出現を待っている可能性がある。 ・抗原性の大きく変化した変異株出現のメカニズムの解明が今後の重要な課題。

2022-03-17 19:40:55
influenzer @influenzer3

Antigenic evolution will lead to new SARS-CoV-2 variants with unpredictable severity nature.com/articles/s4157…

2022-03-17 19:40:55
influenzer @influenzer3

----- ・オミクロン株が比較的軽症化(comparatively milder infections)している事に加え、集団免疫レベルも高くなってきている(higher levels of population immunity)事もあり、パンデミックはこのまま収束していくのではという期待が出て来ている。

2022-03-17 19:40:56
influenzer @influenzer3

しかし、我々は本稿において、オミクロン株の重症化率が低下したのは単なる偶然に過ぎず(coincidence)、現在進行形で進んでいる急速な変異により、免疫逃避能を持ちより重症化率の高い、新しい変異株が出現する可能性が高いという事を主張したい。

2022-03-17 19:40:56
influenzer @influenzer3

・高い感染伝播能と獲得免疫の経時的減弱、変異による抗原性変化、そして多種の動物のリザーバーの可能性を踏まえると、SARS-CoV-2は今後も継続的にヒト間での感染が持続する事になるだろう。

2022-03-17 19:40:56
influenzer @influenzer3

重要な問題点は、このような継続的感染という状況下において、疫学的および臨床的パラメーターがどうなるのか、将来の社会にどのような負担となりうるのかを予測する事である。

2022-03-17 19:40:57
influenzer @influenzer3

・オミクロン株感染が過去のVOCと比較して軽症である事から、ウイルスの疫学および進化に関して、かつて存在していたさまざまな希望的予想(wishful narratives)が、再び唱えられるようになってきている。

2022-03-17 19:40:57
influenzer @influenzer3

これらには、「無害な地域流行(‘harmless’ endemicity)という見当違いで十分な議論もなされていない理論(misconceived and premature theories)」から、「集団免疫の獲得により安全な地域流行病となる」という予想、そして「ウイルスは弱毒化へ向かって進化する」という予想まで多岐に渡っている。

2022-03-17 19:40:57
influenzer @influenzer3

・「ウイルスが自分の宿主を絶滅させないために弱毒化へ向かって進化する」という考え方は、病原体の進化の議論をめぐる最も根強い神話の一つである(one of the most persistent myths)。

2022-03-17 19:40:58
influenzer @influenzer3

強い選択圧下で起こるウイルスの免疫逃避や感染性の変化とは異なり、病原性は通常、宿主と病原体の両者の複雑な相互作用によって決定される副産物(by-product)と呼ぶべきものだ。

2022-03-17 19:40:58
influenzer @influenzer3

・ウイルスは感染伝播能が最大となるように進化するが、時にこれが高い病原性と関連することがある。例えば、ウイルス量が多くなれば感染性は増大するが、これが重症度を増加させる場合などだ。その場合には病原性が高くなる方向へ進化する事になる。

2022-03-17 19:40:59
influenzer @influenzer3

・しかし、もしも感染伝播に必要な一定の潜伏期間を経て、疾患の重症化が感染後期に表れる場合、これはSARS-CoV-2だけでなくインフルエンザやHIV、HCVなどでもそうであるが、ウイルスの増殖力(fitness)の感染伝播能に果たす役割は限られており、ウイルスの選択には有利とはならない可能性がある。

2022-03-17 19:40:59
influenzer @influenzer3

・変異に伴う病原性の変化を予測する事は複雑な作業であり、オミクロン株の重症化率が低下したからと言って、将来の変異株もそうなるとは予測できるわけではない。

2022-03-17 19:40:59
influenzer @influenzer3

将来、免疫逃避能による再感染性と高い病原性を併せ持った壊滅的な変異株( disastrous combination)が出現する可能性は 残念ながら極めて高いのだ(unfortunately very real)。

2022-03-17 19:41:00
influenzer @influenzer3

・ワクチンや自然感染による免疫獲得により、SARS-CoV-2感染は将来的に軽症化するだろうというのも良く聞かれる考え方だ。しかし、この考え方はSARS-CoV-2の最も重要な特徴である抗原変異を無視している。

2022-03-17 19:41:00
influenzer @influenzer3

ウイルスの抗原性は宿主の免疫の選択圧に対抗するように持続的に変化し続けているのだ。抗原変異の幅が大きければ、再感染や重症化を阻止する宿主免疫を逃避する事になる。

2022-03-17 19:41:00
influenzer @influenzer3

・オミクロン株はSARS-CoV-2が、極めて短期間に大幅な免疫逃避変異が可能である事を証明している。この変異株は武漢株と比較して50以上ものアミノ酸変異が生じており、これまでの変異株とも抗原性が大きく異なっている。

2022-03-17 19:41:01
influenzer @influenzer3

そのため、過去に感染歴がある例やワクチン免疫者にも容易に感染する事が出来た。オミクロン株は亜株間でも遺伝子が大きく異なっており、この違いの重要性は、BA.2が急速に増加している事でも示されている。

2022-03-17 19:41:01
influenzer @influenzer3

・初期の比較的安定した進化期間の後、2020年9月にSARS-CoV-2の先祖(武漢株)とは著明に抗原性の異なる変異株が出現した。ベータ株、ガンマ株、デルタ株の少なくとも3つの過去の変異株は免疫逃避能を備えていた。

2022-03-17 19:41:01
influenzer @influenzer3

現時点では、将来において本ウイルスの抗原変異速度が鈍化する事を示唆するものは一つもない。それどころか、我々が見ている変異株(VOC)は変異の氷山の一角にしか過ぎないのだ。

2022-03-17 19:41:02
influenzer @influenzer3

数百ものウイルス系統が持続的に分枝しつづけており、進化論的(evolutionary theory)には、将来に免疫逃避能を持つように進化する可能性は高いと予想される。 (続く)

2022-03-17 19:41:02