「階級社会」よ、こんにちは・・・メディアのレベルアップと不可避な現実

> 専門家が考えるような形でメディア報道の質を高めると確実に間口は狭くなるので、そのようなメディアがどう採算をとるのかという問題のほか、社会の方も階級社会に向かってしまわないかという危惧があります。
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Daisuke IKEMOTO/池本 大輔 @MGULaw

下記RT、岩間先生@2000gripsの、日本のメディアは社員のレベルアップをという意見に共感。ただヨーロッパの場合は一般の人向けのメディアとエリート向けのメディアがはっきり分かれていて、専門的な分析を提供しているのは基本的に後者だけという面も。

2022-03-09 12:34:30
Daisuke IKEMOTO/池本 大輔 @MGULaw

イギリスの新聞はタブロイドと高級紙で中身が違いますし、公共放送のBBCですら、BBC1の夜10時のニュースとBBC2の夜10時半から始まるニュースナイトでは、対象とする視聴者層が違います。階級社会ならではのメディアのあり方ですね。

2022-03-09 12:39:24
Daisuke IKEMOTO/池本 大輔 @MGULaw

学生には驚かれることが多いですが、日本の新聞の部数は世界でも突出して多いですし、少なくとも一昔前までの日本のメディアは、それなりの質のものを幅広い人に提供していたのではないかと。

2022-03-09 12:45:19
Daisuke IKEMOTO/池本 大輔 @MGULaw

専門家が考えるような形でメディア報道の質を高めると確実に間口は狭くなるので、そのようなメディアがどう採算をとるのかという問題のほか、社会の方も階級社会に向かってしまわないかという危惧があります。

2022-03-09 12:50:16
河野有理 @konoy541

加藤秀俊が『中間文化』(1957)で、敗戦直後の思想界を一方で高級論壇誌、他方での低俗エログロカストリ雑誌の分極と特徴づけ、そういうものの終わり(と中間文化)の成立を「新書」創刊ブームに見いだしていることの味わいが、以前とは違った意味合いで深くなってきました。

2022-03-09 13:01:44
河野有理 @konoy541

なぜ、テレビとか新聞じゃなくて「新書」なんだろうとかつては思ったものでしたが、日本の「中間文化」はいま一週回って再び「新書」が最終防衛ラインの時代にまで回帰してきたのかもしれません。

2022-03-09 13:03:46
河野有理 @konoy541

@MGULaw おっしゃる通りだと思います。本邦にはBBCもエコノミストもないけれど新書があった。学会水準の専門知がどういう経路でマスにもリーチするのかについては国ごとの多様性が大きいという話かなと。

2022-03-09 13:07:46
河野有理 @konoy541

エリート向けのメディアを見ると本邦の貧弱さが目立つのは理解できるのですが、仕事に疲れた市井の善男善女が「うーん、国際情勢複雑怪奇だから新書でも読んで勉強すっか」という文化が幸いまだぎりぎり維持されているなら、これは誇るべき大事な戦後日本のレガシーだと思いますね。

2022-03-09 13:17:08
河野有理 @konoy541

私は明治時代が専門なので「大新聞」と「小新聞」が截然とわかれている風景にはなじみがありますが、一言で言えば階級社会ですよ。江戸との違いは、階級上昇の欲望に駆動される階級社会であること。

2022-03-09 13:24:40
Daisuke IKEMOTO/池本 大輔 @MGULaw

米英両国のポピュリズムがBBC・ニューヨークタイムズ等の既成メディアや専門家を標的にしたのも、エリート向けメディアと一般の人向けメディアがはっきり分離している状況が前提になっているわけです。

2022-03-09 13:48:01