思想家「ジョージ・オーウェル」の先見性・・・現代ロシア・ウクライナ戦争を契機に

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kemofure @kemohure

戦後のオーウェルが激怒してたやつそのままじゃないですか... アレな西欧知識人「ソ連の侵略は良い侵略!!」 オーウェル「それ、侵略されている人達の前で言えるの?」 twitter.com/paramilipic/st…

2022-03-26 12:45:56
ぱらみり(公式療養修了者) @paramilipic

「ロシアの侵略は、いい侵略」みたいなことを平然という人たちがネット上から国会議員に至るまで各所にいるわけですよ

2022-03-26 12:36:08
kemofure @kemohure

オーウェル「英国知識人のロシア崇拝に、明らかに貢献している要因がある。英国の生活は平穏無事なことだ。英国も様々な不正はあるが、英国は人権の国であり、国民の圧倒的多数は暴力や不法行為を経験していないのである。こういう環境で育ったら、独裁体制の実態など容易に想像できるものではない」

2022-03-26 12:53:06
kemofure @kemohure

オーウェル「(反英米西欧、親ソの英国知識人の頭の中では)愛国心、宗教、帝国、軍の栄光――これらは全てソビエトという言葉に集約された。父、国王、指導者、英雄、救世主――スターリンという一語。神スターリン、悪魔ヒトラー、天国モスコー、地獄ベルリン(略)それは根無し草の人間の愛国心なのである」

2022-03-26 12:56:52
kemofure @kemohure

上記引用は全て岩波文庫「オーウェル評論集」より。後は、上記のタイプとは異なる、英国の利益の為に英国は枢軸国と妥協すべきとしたミステリ作家チェスタトン(日本の保守主義者が大好きなあの人です)のことも国際平和も国際協調も見えない小英国主義者であるとしてオーウェルは痛烈に批判している

2022-03-26 13:02:08
kemofure @kemohure

オーウェル「(チェスタトンは)民主主義者のつもりだったのである。ところが目を外に向けて国際問題となると、(英国の利益として枢軸国との妥協を主張し)その原理を放棄したことに気が付きさえしなかったのだ。こういう訳で、神秘的にまで民主主義を信じていた彼はムッソリーニを礼賛できた訳である」

2022-03-26 13:06:36
kemofure @kemohure

オーウェル「ムッソリーニは議会政治を破壊し、チェスタトンが守ろうとした出版の自由を破壊したのに、ムッソリーニはイタリア人でありイタリアを強国にした、それで話は終わりだった。チェスタトンは帝国主義や有色人種の征服(植民地化)にもそれがフランスやイタリアの行いなら一言も反対しなかった」

2022-03-26 13:11:12
kemofure @kemohure

上記引用もオーウェル評論集より。オーウェルの評論で最も有名なものの一つである「ナショナリズムについて」です

2022-03-26 13:12:14
kemofure @kemohure

本棚の奥の奥にあったフォースターの随筆集読んでいるけど、やはりこれは今読まれるべき名編。特に、20世紀の名随筆で必ず選出される「私の信条」が素晴らしいね。ニーチェ主義者の共同体(ナチス・ドイツ)を批判して、民主主義の可能性は思いやりある共同体を作るチャンスがあることと述べている(続)

2022-03-26 14:57:01
kemofure @kemohure

ちなみに、なぜ枢軸国に迎合的姿勢を取ったチェスタトンにオーウェルが凄く怒ったかは、彼の「文学を阻むもの」を読むと凄く分かりやすい。これも名編だよ。少し引用

2022-03-26 15:45:52
kemofure @kemohure

オーウェル「正真正銘の非政治的文学などというものは存在しない(略)(表現に政治が介入してくる)タブーはたった一つであっても、壊滅的な作用を知性に及ぼしうるのだ。ここから言えることは、全体主義は如何なる種類の作家にとっても致命的であるということである」(続)

2022-03-26 15:48:55
kemofure @kemohure

オーウェル「全体主義の構造を保持する国家全てにおいて、文学は消滅を運命づけられるだけに留まらず、全体主義の価値観を採用する作家、迫害に言い訳を見い出す作家は皆、作家としての自分自身を滅ぼすことになるのだ」 チェスタトンらに対する厳しい批判

2022-03-26 15:50:53
kemofure @kemohure

オーウェル「我々が知っているのは、想像力とはある種の野生生物のようなもので、これは囚われた状態では子を産めないのである(略)(全体主義体制に阿る)作家やジャーナリスト達は皆、事実上、自己自身の破壊を求めているのである」(文学を阻むもの) これも名編だね。表現の自由はファシズムに抵抗する

2022-03-26 15:53:08
kemofure @kemohure

フォースター「(オーウェルは)自由主義者なので、イギリスがスターリンのロシアやフランコのスペインより自由があること、国民的伝統を守っていくためには、この自由を減らすどころか、さらに拡大しなければならないと信じている」(略)(続)

2022-03-26 16:00:11
kemofure @kemohure

フォースター「我々の前から去っていったのは、矛盾と不安に満ちたこの世界を直視して、隠れている意味すら掴もうとした人間――少なくとも目の前に来ている未来を見ようとした人間なのである」(ジョージ・オーウェル) オーウェルが没した直後に書かれたフォースターのオーウェル追悼

2022-03-26 16:01:55
kemofure @kemohure

ファシズムと戦う時に表現の自由は凄く大事なんだよね。なぜなら、ファシズムは批判を許さない統制体制であり、表現の自由とはまさに批判も含めて自由であるべきものだから。オーウェルもフォースターも最近ではフィリップ・ロスとかも凄くこれを重んじた。日本の作家も表現の自由を重んじて欲しいな..

2022-03-26 16:08:10
kemofure @kemohure

このことに関しては、フォースターの「ヴォルテールとフリードリッヒ大王」が最高にユーモアがあって楽しい作品で好き。フリードリッヒ大王に客人として招かれたヴォルテールが大王を怒らせて弾圧を受けた実話をユーモラスに描く。独裁政治の下では作家は生きてゆけないと twitter.com/kemohure/statu…

2022-03-26 16:24:49
kemofure @kemohure

フォースター「ヴォルテールは教訓を得たのです。自由と多様性と寛容と同情に信を置く人間は、全体主義国家の空気を吸ってはいられないとベルリンが教えてくれました。表面は素敵かもしれません――しかし!専制君主は魅力と知性の持ち主かもしれません――しかし!」(続)

2022-03-26 16:26:50
kemofure @kemohure

フォースター「機械は申し分なく動いてくれるかもしれません――しかし!何かが欠けているのです。人間の心が欠けているのです。ヴォルテールは人間の心に信を置き続けました。今から200年前にドイツの独裁政治を相手に戦ったのです」(ヴォルテールとフリードリッヒ大王)

2022-03-26 16:28:24
kemofure @kemohure

フォースターは講演で、もしナチスドイツが英国を征服した時は、自分やハックスリーのような、自由主義的、個人主義的な作家、どうしても作品を自由に書いて、権力者を風刺してしまう作家は生きていけないでしょうって述べていて、上記はユーモラスに描かれているけど、真剣な話でもあるんですよね...

2022-03-26 16:34:02
kemofure @kemohure

フォースター「戦争になれば、私やオルダス・ハックスリー氏のような個人主義的、自由主義的作家などは一掃されてしまうと言われるかもしれません。(ナチスドイツがイギリスを征服したら)我々が一掃されてしまうことは間違いなく、そればかりか、私は戦争もあるだろうと思っています」(続)

2022-03-26 16:40:49
kemofure @kemohure

フォースター「現在の様々な災厄に関する救済策は様々でも(略)我々(集まった作家達)は例外なく勇気を信じています。勇気と感受性を失わなければ、作家は社会に対する責務を果たしたことになる、私はそう考えています。それは瓦解を目前にしても再び人間性を喚起する力です」国際作家会議パリ講演

2022-03-26 16:45:21
kemofure @kemohure

オーウェル読んでいるけど、今読むと先見性が凄い、というか今が100年前みたいになっているのか...。例えば、「ガンジーについて」では、ガンジーは真の聖者であるとしてその偉大さを讃えると共に、独立したメディアが機能する国でしかガンジーは生まれないとしている

2022-03-26 17:27:38
kemofure @kemohure

オーウェル「ガンジーは世界の目を覚まさせることが可能であると信じていた。だが、世界を覚醒させることが可能なのは、我々が行うことを世界が耳にする場合のみに限られる。ガンジーの方法は、体制に異議を唱える者は真夜中に消え、以後二度と見つからなくなる国では、機能しないのである」(続)

2022-03-26 17:29:35
kemofure @kemohure

オーウェル「出版の自由、集会の自由がなければ、我々は国外の世論に訴えかけることはおろか、大衆運動すら引き起こすことができない。いや、我々は我々の意図を我々の敵対者に知ってもらうことすらもできないのだ。目下、ロシアにガンジーのような人はいるだろうか」続

2022-03-26 17:31:24
kemofure @kemohure

オーウェル「もしいるなら何ができるだろうか。ロシアの大衆が市民的不服従を実践しうるとしたら、それは大衆の頭に同じ考えが同時に浮かんだ時のみだが、そういう場合さえ、ウクライナ飢饉という歴史的大事件から判断すれば、隠蔽されてしまうだろう(略)更にガンジーが個々人を相手にして」続

2022-03-26 17:34:32