日本人がハリウッドで闘う方法・・・O-1ビザが使えない時代の基本

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Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

ここ数年ずっと思ってたんだけど、「ハリウッド俳優」を目指す日本人俳優にとって、今一番ハリウッドに近いのって、実は東京だと思う。確かにLAの方が地理的には近いんだけど、LAは「ビザ」「英語力」「演技力」の3つを確保した人間のみが戦う主戦場であって、まだそうでない人には不利すぎる。

2021-12-16 06:30:51
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

昔は、ハリウッド俳優を目指す人は、 1、LAに留学する 2、留学中に学生映画に出演しまくる 3、OPT(労働許可)を取得する 4、1〜3の期間内の経歴を使ってO-1ビザ(俳優の就労ビザ)を取得する 5、O-1ビザ期間中に出演した経歴を使ってグリーンカード(永住権)を取得する というルートが確かにあった

2021-12-16 06:35:17
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

しかし「4」のO-1ビザの取得条件が近年厳格化され、実質的にほぼ取得不可能になってしまった。たとえ「それなりの映画」に、主役級で出演していたとして、その作品が映画祭で賞を取っていたとしても、現時点では、O-1ビザは「取得できる可能性が限りなく低いビザ」になってしまった。

2021-12-16 06:40:05
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

僕は近年、↑の「ハリウッドへの道」に希望を見出し、1〜3の期間中に「それなりの映画」に出演し、その映画が映画祭で賞を取得したにも関わらず、O-1ビザの申請に失敗しアメリカを去らざるを得なくなった、才能あふれる俳優さんたちを何十人も見て来た。だから言える。このルートはもう使えない。

2021-12-16 06:45:31
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

しかも!もし誰かがこの地獄ルートを奇跡的に突破しO-1ビザを取得できたとしても、何とそのO-1ビザは、現時点では「ほぼ使えないビザ」でしかない。実は10年ほど前から、ほとんど全ての米TVドラマや大作映画が、俳優が独自に取得したO-1ビザでの出演を認めない方針になってしまっている。

2021-12-16 06:55:35
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

僕自身、自分がまだO-1ビザだったころ、とあるTVドラマのオーディションを受けてキャストされたにも関わらず、TV局から「O-1ビザなので出演できない」と言われ、リキャストされてしまった。僕がこれまで出演した大作映画も全て、毎回その映画スタジオが独自に出すO-1ビザへの切り替えを要求された

2021-12-16 07:00:21
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

↑を見ると「映画スタジオがO-1ビザを出してくれるなら、それで良いんじゃ?」と思うかもしれない。しかしこの手続きをするため、スタジオは弁護士費用として約30万円を支払わなくてはいけない。つまりその役者の出演料とは別に「ビザ費用」が掛かってしまうわけだ。当然条件的に不利になる。

2021-12-16 07:04:11
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

それだけじゃない。実はここ7、8年で、ハリウッド映画や海外ドラマの主役級に日本人役がある場合、なんと、そのオーディションはほぼ、日本で行われるようになってしまった。日本でキャスティングをする方法が確立されてしまったんだ。だから「ハリウッドへの入り口」が日本に移動してしまった。

2021-12-16 07:09:13
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

こうなると、↑のO-1ビザからハリウッドを目指すルートは、 ・O-1ビザはほぼ取得できない ・もし運良く取得できても、ほぼ使えない ・ハリウッド作品のオーディションは日本で行われている ・・・という、使えないビザを手元に抱えたまま、ただ時間だけが過ぎていく「生殺しルート」になってしまう

2021-12-16 07:12:35
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

ならばこれから「夢のハリウッド」を目指す日本人俳優はどうすれば良いのか。まだルートとして確立はされていないけど、ハリウッドへの入り口が日本に移動したのであれば、そっちの入り口を目指す方が良いように思う。つまり東京から、ハリウッドを目指す。

2021-12-16 07:16:58
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

まず、東京で行われているハリウッド作品のオーディション受けるために必要なものを揃える 1、芸能事務所に入る(※事務所に入っていないとオーディションの数が大幅に減るため) 2、英語力をつける(※日本の「ペラペラ」レベルでは話にならない) 3、英語での演技力を磨く 4、演技デモ映像を用意する

2021-12-16 07:23:20
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

まず1番の「芸能事務所に入る」。LA在住の日本人俳優は「エージェントに所属していないと大作オーディションは受けられない」とう大原則は理解しているはずなのに、これが舞台が「東京」になると、途端に及び腰になる。東京もLAと同じで、事務所に入っていないと「プロの俳優」として認められません。

2021-12-16 07:26:57
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

なぜ及び腰になるかというと、日本の「事務所制度」に対し拒否感が強いから。LAではエージェントは俳優が雇うものであり、いつでもクビにして、別のエージェントに切り替えることができる。しかし日本では俳優は「事務所の所有物」であるという考え方がかなり根強い。

2021-12-16 07:30:02
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

でも考えてみて欲しい。LAで自分に合ったエージェントを選ぶように、日本でも、自分にあった条件の事務所がきっとあるはずだ。その探す努力をしないで「日本の事務所は怖い」と及び腰になっていたら、キャリアが止まってしまう。ハリウッドへの道が止まってしまう。

2021-12-16 07:32:50
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

そして2番の「英語力をつける」。これを軽視する人が多いのですが、本当に死ぬほど重要です。確かに、もしあなたが既に華々しいキャリアを築いている「大スター」だったら、作品の編集段階で英語が上手い俳優で吹き替えます(※声を似せるので誰も気付きません)ので、そこまで重要視されません。

2021-12-16 07:39:56
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

でもあなたが「大スター」でないのであれば、東京にいながら、LA在住であるかのような英語力をつけておく必要があります。その確固たる英語力を確保する方法は、泥臭く自分で探す必要があります。ちなみに日本で言う「英語がペラペラ」は「小学二年生レベルの英語」だと思っておいた方が良いです。

2021-12-16 07:44:58
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

そして3番の「英語での演技力を磨く」。実はこれが一番難易度が高い。東京で催されている「英語でお芝居」のワークショップの殆どは日本人向けに「手加減」されていて、ゆっくり英語で喋ってくれたり、感情をセリフに直結しながら芝居する「直情型」のレベルで満足しています。そんな人間はいません。

2021-12-16 07:51:34
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

「演技法」とは、「自分」と「キャラクター」をどのように混ぜ合わせるか、というキャラクター構築の「初歩」であって、役に入り込んだら今度は「喋っている相手に感情を隠す」という次の段階があります。しかし殆どの方が、役の感情を「どう見せるか」という、真逆の方向に進んでしまっています。

2021-12-16 07:55:09
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

それから、ハリウッドの俳優は演技法を複数学んで、その中から「自分に合った独自の演技法」を構築しています。しかし日本では「これが◯◯も学んだハリウッドの演技法だ!」とまるで演技法の決定版があるかのように宣伝されています。残念ながら、そんなものは存在しません。

2021-12-16 07:59:44
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

つまり、ハリウッドを目指す日本の俳優は、東京にいながら 1、容赦ないスピードの英語の芝居に慣れる 2、複数のハリウッドの演技法を習得する 3、それらの演技法を実際に使ってみて「自分に合った独自の演技法を構築する」 という作業が必要になるわけです。

2021-12-16 08:03:51
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

そして4番目「演技デモ映像を用意する」。このデモ映像のクオリティでその人の「演技力」と「プロ度」が判断されますので、非常に重要です。自分から、東京にある、才能あふれる国際的映画人の輪の中に飛び込み、短編作品などへの出演を通してデモ映像を集める作業が必要になります。

2021-12-16 08:08:25
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

ここまで読んで、「うわー大変すぎる・・・」と思ったかもしれません。でもこっちのルートの方が、自分で着実に階段を上っていける分、「O-1ビザルート」より遥かにマシです。だってO-1ビザルートは、今はそもそも「階段」が「目標」へと繋がって無い状態なので。

2021-12-16 08:12:49
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

これらの作業を根気よく繰り返し、日本でハリウッド作品への出演の機会を狙い、運良く大きな役で複数回キャストされたら・・・、そうしたら、ようやく米国の「グリーンカード(永住権)」の取得条件に手が届きますので、↑の「地獄のO-1ビザルート」から脱出することができるようになるわけです。

2021-12-16 08:19:15
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

一つだけ補足ですが、 1、容赦ないスピードの英語の芝居に慣れる 2、複数のハリウッドの演技法を習得する 3、それらの演技法を実際に使ってみて「自分に合った独自の演技法を構築する」 東京でこれらを習得するのは中々難易度が高いため、いっそのこと演技留学するのは悪くないように思います。

2021-12-16 08:49:38
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

>事務所が無いとオーディションの数が減る と書きましたが、フリーランスでも受けれるハリウッド作品のオーディションはあります。たとえば @kaijuinc@EijiLeonLee さんはフリーランスでもオーディションを受けさせてくれます。その方式は↓の動画を参照して下さい。 twitter.com/Yuki_Mats/stat…

2021-12-16 23:15:36
Yuki Matsuzaki 松崎悠希 @Yuki_Mats

現代のハリウッド作品のオーディション方式である「セルフテープ」の撮り方 HOW TO ビデオである「史上最高のセルフテープの撮り方」の字幕完全版が出ました!地方で活動されている俳優さんでもハリウッド作品に応募できる時代ですので、ぜひ一度見て頂ければと思います。 youtube.com/watch?v=NOQXEP…

2021-12-13 16:20:05