『風の谷のナウシカ』漫画版はアニメージュ連載版→単行本化に際し加筆修正されており、中でも「虚無」と「上人さま」の描写が異なっているという話

しろちち＠C103日曜西け28b委託 @shirochichi0707

漫画版 #ナウシカ はアニメージュ連載版→単行本化に際し、様々な加筆修正がなされていますが、中には微細な台詞の変更でも考えさせられるものがあります。例えば、ナウシカの内なる「虚無」の初出ですが、左が連載版、右が単行本版になります。 pic.twitter.com/pB5NUhNseF

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この「虚無」は奇妙なことに、ナウシカが土鬼で出会った「上人さま」と瓜二つな姿をとるのですが、その上人が実際に口にしたのは下記の台詞になります(此方は連載版・単行本版とも同一)。 pic.twitter.com/if6eIwCErm

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こうして見比べると連載版の「虚無」の方が実際の上人の台詞に近い(というよりほぼそのまま)と言えます。そしてこれは裏を返せば、単行本版では「虚無としての歪み」がより強調されていると言えます。

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実際、現実の上人は自身の諦観を荒々しく否定するナウシカを「優しく猛々しい風が来た」と温かく迎え、送り出す心がありましたが、死を安息として誘う「虚無」にそうした面はなく、寧ろナウシカを責め苛む面が目立ちます(３、４枚目が「虚無」)。 pic.twitter.com/DlGL8nzZr2

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つまり「虚無」はナウシカが猛々しく反駁した(それは同時に論理的には反駁し難かったことも意味します)「全ては定められた業苦であり、受け入れるしかない」という上人の言葉への不安が肥大化し、内面で具現化したものでもあるわけです。 pic.twitter.com/vVIJAQrIUw

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これは一人ナウシカに限った話ではなく、大海嘯に打ちのめされた土鬼の民衆もまた、本来は現世での希望となるべき「青き衣の者」を彼岸への導き手と見なし、従容として死を受け入れることこそが正しい信仰という虚無に沈んでいます。それは正にナウシカと同じ状態でした。 pic.twitter.com/cXrgekiA3L

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以上を改めて踏まえると、「虚無」初出場面での台詞変更は、ナウシカの中で上人の言葉がどう歪み、絶望・虚無へと変質していったのかを示すものと思われるのですが、如何でしょうか。 pic.twitter.com/P5ynZ3zATv

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というわけで、アニメージュ連載版ナウシカ補完計画の進捗報告も兼ねた、久々の #ナウシカ 報告でした。大分揃ってきましたが、特に5巻後半以降、90-91年号あたりで苦戦している感じです。何とか、夏コミでの連載版/単行本版比較考察刊行めざして頑張りたいですね…！ pic.twitter.com/cWGbfiErh2

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【せんでん】 過去考察総集編Ⅰ（人物編、墓所編：電子）、Ⅱ（トルメキア戦役編：紙冊子）を下記BOOTHにて頒布中ですので、是非是非よろしくお願いいたしますm(__)m 総集編Ⅰ shirochichi.booth.pm/items/3734509 総集編Ⅱ shirochichi.booth.pm/items/3510553

ゲスナー @gesunaa

初出の方が仏教的にはしっくりくる。 twitter.com/shirochichi070…

🦂🐋オウゴンオニクワガタに挟まれたい🐌🐛 @Linuxy256

セリフが遠回しになった代わりに、絵が怖くなってるΣ（・□・；） twitter.com/shirochichi070…

TATO(城郭訪問) @CastleTato

単行本版は連載版より顔が怖くなってる…ここもナウシカの虚無と上人様が似たようでまるで別の物だという事を分かりやすく示してるなぁ　RT