『感染は悪、感染は汚れ、感染は罪』という現代の風潮は二千年の昔からすでに裁かれている

内科医のfaithhopelove(信仰・希望・愛)先生が旧約聖書のレビ記と、新約聖書に記されたイエスの言動を紐解き「病人への差別への対応がユダヤ教からキリスト教にかけてどう変遷してきたか」を解説。
2
faithhopelove @fhljpt

旧約聖書ではツァラート、新約聖書ではレプラと記された皮膚病は、らい病(ハンセン病)のこととされていましたが今では特定の病気ではないとされ『重い皮膚病』などと訳されています レビ記にはその診断や取り扱いが詳細に規定されていますが それを行うのが医師ではなく祭司であることが特徴的です

2022-04-10 16:22:49
faithhopelove @fhljpt

皮膚に腫れや吹き出物や変色があって祭司がツァラートと診断するとその人は『汚れた者』となり七日間宿営から隔離されます 七日毎に診断し患部が薄まっていれば『清い者』になりますが動物を生け贄にするなど特定の儀式が必要です また『汚れた者』の衣服も患部となることがありそれは焼き捨てます

2022-04-10 16:31:36
faithhopelove @fhljpt

ツァラートは家の壁に生じることもあります 祭司は家を七日間閉鎖したあと患部の石やしっくいを町の外に捨てさせます 汚れている間の家に出入りした人は衣服を洗わなければなりません 家が治ったときも小鳥の血を使った清めの儀式が必要になります 病気は汚れという概念は昔から根強いのです

2022-04-10 16:39:39
faithhopelove @fhljpt

レビ記は神がモーセを通して与えた律法であり、刑法・民法を始めユダヤ人のあらゆる日常生活を規定する書です 目には目を、など同害刑の概念もありますが 病気や障害・女性の月経や同性愛など『完全』ではないものは全て『汚れ』とする考えが現代とは違います そして祭司が医師であり裁判官です

2022-04-10 16:52:38
faithhopelove @fhljpt

現代では逆に医師なのに宗教指導者のように見える事もあります レビ記では食べ物の規定もあります ユダヤ教ではひずめが分かれていて反芻する動物は食べて良いとか、うろこのある魚は食べて良い、というのは有名かもしれません ウサギを食べたりタコを食べたりするとその人は汚れた者となるのです

2022-04-10 16:59:10
faithhopelove @fhljpt

ところがイエスは新約聖書のなかでレビ記とは全く逆のことを教えます ある人が生まれつき目が見えないのは本人の罪か親の罪か、と問われたイエスは そのどちらでもない、神の栄光が顕されるためであると言ってその目を癒しました 病気や障害は罪では無いし汚れでもありません 食べ物については

2022-04-10 17:10:32
faithhopelove @fhljpt

イエスの弟子達が手洗いをしないでパンを食べているのをパリサイ人や律法学者など他のユダヤ人からとがめられたイエスは 答えます 『すべて外から人の中に入って、人をけがしうるものはない。かえって、人の中から出てくるものが、人をけがすのである。聞く耳のある者は聞くがよい』と

2022-04-10 17:19:32
faithhopelove @fhljpt

弟子に向かっては 『あなたがたも、そんなに鈍いのか。すべて、外から人の中に入って来るものは、人を汚し得ないことが、わからないのか。それは人の心の中にはいるのではなく、腹の中にはいり、そして、外に出て行くだけである。』 『人から出て来るもの、それが人を汚すのである。すなわち

2022-04-10 17:25:36
faithhopelove @fhljpt

内部から、人の心の中から、悪い思いが出て来る。不品行、盗み、殺人、姦淫、貪欲、邪悪、欺き、好色、妬み、誹り、高慢、愚痴。これらの悪はすべて内部から出てきて、人をけがすのである』 イエスも弟子も人が感染を怖れる重い皮膚病患者に素手でさわり癒しました 病原微生物も外から人に入りますが

2022-04-10 17:35:14
faithhopelove @fhljpt

人を汚したり罪に落としたりすることはできません 人の汚れ・人の罪は自らの内側から出てくるものです 『感染は悪、感染は汚れ、感染は罪』という現代の風潮は二千年の昔からすでに裁かれています

2022-04-10 17:38:27