ゲームシナリオにおける「リアリティ」を判断する基準について・・・「お約束」の意義と素人感覚の陥穽

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生田美和 @shodamiwa

ゲームシナリオには、「矛盾や違和感を潰していく」チェック工程がある。ところが稀に「魔法なんて現実には存在しないですけどね」というレベルで、ジャンルそのものを否定されるチェック体制になることがある。どういうことかというと、「ゲームを遊ばない素人感覚こそ正義」という方針のため。

2022-04-12 11:46:29
生田美和 @shodamiwa

「奪われたら世界が困るようなアイテムを、キャラ個人が持ってるってどうなんでしょうね?」「なんでここでバトルになるんですか?ふつうは上司に確認してからですよね?」等など…ゲームを遊ばない人間による「現実とは違う」という指摘に対処していたら、ゲームのスタイルからかけ離れていく。

2022-04-12 11:47:12
生田美和 @shodamiwa

例えば、ドラマやアニメのシナリオに。「一人のキャラが話しはじめたら、ほぼ誰も遮ることなくその台詞を言い切らせる」みたいな「視聴者に向けた会話」を、「現実は違う。あちこちで会話はあるし、一人が言い切るまで待たない」をやったら、リアルかもしれないけれど、作品としてはわかりにくい。

2022-04-12 11:51:05
生田美和 @shodamiwa

例えば演劇で。恋人をふったあと。主人公だけに急にスポットライトが当たって、「許してくれ。君を守るためにはこうするしかないんだ。永遠に愛している」と独白したりしますが。これを「現実は違う。こんなにすぐ心情をもらしたりしない。これは説明台詞」等と指摘されてもと思います。

2022-04-12 11:56:30
生田美和 @shodamiwa

そのジャンルごとに、「求められる表現やスタイル」があって。「会話劇とバトルを交互にやっていくのが遊びやすい」とか、「世界のバランスを壊すものをアイテムに設定しておくことで、持ち歩けたり、すり替えられたり、奪い合ったりして、マップ攻略やバトルにつなげやすい」とか。

2022-04-12 12:03:17
生田美和 @shodamiwa

ゲームだからこそ求められている表現があって、ずっと上の先達の代から洗練されてきた技術がある。ゲームを知らない現実主義者が、オオナタ振って切って捨ててしていいものではない。チェック工程をどう持つのか?素人最強とか現実の違和感こそ正義とかじゃなく。何によってチェックするのか?

2022-04-12 12:07:48