「ウイルスとの共生」思想はどこから来たのか 〜長崎大熱帯医研・山本太郎教授の著書、インタビューを分析する

オミクロン株の流行が止められなくなった2022年初頭あたりから、コロナの感染拡大を容認する方針を各国政府が採用する流れが起きてきました。 そういった流れを先取りするような「ウイルスとの共生」を唱え続けている感染症研究者が日本に存在するので、その思想の概要と問題点をまとめました
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クリエネ(入国検疫の不備が第6波を起こす) @morecleanenergy

長崎大学熱帯医学研究所教授の山本太郎の唱える「ウイルスとの共生」について連続ツイートする。山本は新型コロナパンデミックに際して、一貫してウイルスとの共生を唱えていた。

2022-04-16 21:21:28
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長崎大学熱帯医研教授の山本太郎に着目する理由 ・新型コロナパンデミック初期からウイルスとの共生を唱えてきた ・2020年8月から厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務局参与厚労省新型コロナ参与を務めている ・熱帯医研所属の人間がコロナ対策に関わっていることが多い

2022-04-16 21:21:31
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「新型インフルエンザ 世界がふるえる日」2006年、岩波新書。 著者の山本太郎は現在長崎大学熱帯医学研究所教授だが、この著者プロフィールでは長崎大学熱帯医学研究所助教授を経て、外務省国際協力局多国間協力課勤務、アフリカ諸国、ハイチなどで感染症対策に従事してきた、とある。

2022-04-16 21:21:33
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「新型インフルエンザ 世界がふるえる日」は新型インフルエンザに備えよという警告の書である。 プロローグで渡り鳥とインフルエンザの関係を紹介し、第一章で新型インフルエンザの現在と感染症学の基本概念である基本再生産数と流行の収束の関係など、 第二章でインフルエンザの歴史に触れている。

2022-04-16 21:21:33
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「新型インフルエンザ 世界がふるえる日」(現長崎大教授・山本太郎著) 第三章で山本が現在に至るまで提唱し続けている「ウイルスの共生」を説いている。ここでは共生を考える「医学」となっていることにも注目。 HIV-1とHTLV-1を例に挙げている。

2022-04-16 21:21:33
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「新型インフルエンザ 〜」 HIV-1では500-1000年後には宿主の死亡による淘汰が起き、弱毒化するだろうという研究を挙げ、HTLV-1では人間の生活様式の変化により何もしなくても自然に消滅に向かっているという。また弱毒化したウイルスに感染することで他のウイルスから守る役割も期待できると主張。

2022-04-16 21:21:34
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「新型インフルエンザ 〜」 現長崎大教授・山本太郎は「一つひとつのウイルスを理解し、そのウイルスとの共存・共生の道を模索する」ことを「21世紀のパラダイム」と提唱し、ウイルスは形質変化のスピードが速く、それに人間は太刀打ちできないが、宿主を必要としている点が共生の鍵だと主張。

2022-04-16 21:21:34
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現長崎大教授・山本太郎が「新型インフルエンザ 〜「新型インフルエンザ ~」でも「感染症の歴史」でも気になったが、長崎大教授・山本太郎は好んで文学などを引用し、科学的な考察の積み重ねよりも感情の揺さぶりを優先しているきらいがある。

2022-04-16 21:21:34
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「新型インフルエンザ ~」でも「感染症の歴史」でも気になったが、長崎大教授・山本太郎は好んで文学などを引用し、科学的な考察の積み重ねよりも感情の揺さぶりを優先している。また「新型~」でウイルス共生の必要性を説く部分では架空と思われる二人の研究者の会話という形式を採用している。

2022-04-16 21:21:35

「感染症と文明」(2011年、岩波新書)

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「感染症と文明」(長崎大・山本太郎、岩波新書)より、「エピローグ 共生への道」の一部分(p191-192)を引用。 ウイルスが宿主を生かす方向に適応(弱毒化)する、とジョン・メイナード=スミスが言及していると紹介している。この部分が「ウイルス共生思想」の肝のようだ。 pic.twitter.com/zdVGHYIUm8

2022-03-21 12:04:43
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「感染症と文明」 山本太郎(長崎大)は「共生への道」で、ウィリアム・マクニールの「大破局の保全」という言葉を持ち出し、洪水対策のやりすぎが川底の上昇を生むように、感染症対策のやりすぎが破滅的な悲劇を生むと主張している。しかし生物学的な具体例は鎌状赤血球貧血くらいである。

2022-03-22 00:59:16
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「感染症と文明」 山本太郎(長崎大)はさらに論を論を進め、致死的な感染症を防ぐ手段を人間は部分的に持っているが、その積み重ねが大惨事につながることを知っている、と断言する。ここは明らかに論理の飛躍がある。

2022-03-22 00:59:16
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「感染症と文明」(岩波新書)p195 山本太郎(長崎大)は共生への道が正しいと信じていると信仰告白する一方、その道によって対価を払う個人がいることもわかっている。それでも共生への道は「大きな挑戦」としてあきらめずに進めるらしい。 pic.twitter.com/nPYQ3ts1SL

2022-03-22 01:01:51
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「感染症と文明」p195 つまり、山本太郎(長崎大)は共生への道のためには、犠牲を払う(感染症で死ぬ)人がいても逡巡をしつつも挑戦を止めはしないと言っている。「感染症との共生」とはそんなに大事なものなのだろうか??

2022-03-22 01:03:44
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「感染症と文明」(岩波新書)p202 山本太郎(長崎大)はあとがきで刊行直前に起きた東日本大震災に触れ、地球環境との問題にしろ、感染症との問題にしろ、「共生」なくして人類の未来はないと固く信じている。押谷仁が「もののけ姫」を持ちだしていたのと似た雰囲気を感じる。 pic.twitter.com/d0MtuO0gf9

2022-03-22 11:25:04
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2020年4月、コロナ禍初期のNHKインタビュー

クリエネ(入国検疫の不備が第6波を起こす) @morecleanenergy

長崎大教授・山本太郎は新型コロナパンデミックに際して、一貫してウイルスとの共生を唱えていた。 2020年4月記事。 www3.nhk.or.jp/news/special/c…

2022-04-16 21:45:19
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山本はなぜ共生を目指すのかという問いにこう答えている。 「ウイルスを我々の社会の中に取り込んで社会全体が免疫を持つことによって、社会自体が強固になっていく。そんな視点が必要なのかなと思います」

2022-04-16 21:45:20
クリエネ(入国検疫の不備が第6波を起こす) @morecleanenergy

山本が提唱する「社会全体が免疫を持つ」とはなにか? 「新型インフルエンザ 世〜」「感染症の歴史」では弱毒化したウイルス感染が他のウイルスから人間を守るという例を挙げているが、コロナウイルスに感染しても免疫が続かないことは昔から知られているし、そういったことが起こるか疑問である。

2022-04-16 21:45:20

「疫病と人類 新しい感染症の時代をどう生きるか」(2020年、朝日新聞出版)

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「疫病と人類 新しい感染症の時代をどう生きるか」(2020年、朝日新聞出版) 山本太郎(長崎大)がコロナ禍で書いた本。第6章でコロナ禍での自粛の意義として流行速度を遅くすることでウイルスを「弱毒化」に向かわせることができると主張している。

2022-04-16 21:45:20
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しかし、流行速度が遅くなることで変異の速度は落ちるかもしれないが、「弱毒化」に向かうとは限らない。また、もしそれが正しいのなら、オミクロン株に対して対策を取らないノーガード状態は非常にまずいということになる。

2022-04-16 21:45:21
クリエネ(入国検疫の不備が第6波を起こす) @morecleanenergy

「疫病と人類 新しい感染症の時代をどう生きるか」6章で山本は「社会」が感染症を選び取ると主張している。もちろん人間の生活様式がパンデミックの要因になりうることはあるが、山本の主張は社会の変革を促す預言者のように連なっている。外務省、厚労省の職を務めた経験がそうさせるのか。

2022-04-16 21:45:21