【中秋の】月のついのべまとめ 2011/09/12【名月】

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@souji_doll

#twnovel 蝉時雨がいつの間にか月鈴子に変わった、と彼は空を見上げる。月のない夜だった。星々の弱い光が地上に届く。月鈴子とは何の事だと尋ねれば彼は笑う。月夜に鳴く蟲の声だ、と呟いて虚ろに開いた空から僕に視線を移し、そっと唇に指を当てた。成程、静寂の中の星と蟲の饗宴であった。

2011-09-12 12:14:08
あかね @akane2003

夕方の東の空に、大きなお月様が浮かんできました。紫色の雲からちょっとだけ頭を出していたので帽子をかぶっているように見えました。スズメ達が街路樹で「お月様はすてきだね」って話をしています。やがて暗くなり闇がスズメ達を寝かした後、月は優しく天頂から街を照らすのです。#twnovel

2011-09-12 15:02:57
simmmonnnn @simmmonnnn

#twnovel 「月が綺麗」「見て。何か出てきた」「うさぎかな」「もしもし、うさぎさん。どうしてそんなに耳が長いの?」お前の声がよく聞こえるように。「どうしてそんなに目が赤いの?」楽しみで眠れなかった。「どうしてそんなに口が大きいの?」「それはお前を」ついに魔界の扉が開かれた。

2011-09-12 18:26:02
あかね @akane2003

全速力で走った後、公園のベンチに両手をついて膝を折った。パン屋の親父が「汚い子どもに売るパンはない」と言ったから、突き飛ばして持って来てしまったふかふかのパン。東の空に満月が上がってきた。お母様のような優しい光が切なくて、私は月に背中を向けてパンにかぶりついた。#twnovel

2011-09-12 18:56:09
TAG @bttftag

「今日は中秋の名月だそうですが」「うん、そうだね。晴れて良かった」「これで中ということは、大秋の名月はさぞかし綺麗なんでしょうね」「定番のボケだな、で、何飲む?」「とりあえず生で」 #twnovel

2011-09-12 19:52:20
久遠 @kuon29102

今夜は十五夜。根付けの兎はいつにもまして忙しい。文机の上に飾ったすすきにちょっかいを出し、月見団子を鼻先でつつき、月が上ると同時に童の姿になって庭に駆け出す。「つき!」振り向き、満月を指差して笑う。だが、兎の頬はつまみ食いした団子でぷっくり膨らんでいた。 #twnovel

2011-09-12 20:01:26
伊万里 純 @verselet

月の明るさに道は照らされ。行き着く先さえ希望に感じられる。今夜、君の待つ場所へ届けに行くから。とびきりの優しさと。とびきりの笑顔を連れて。 #twpoem #twnovel

2011-09-12 20:19:25
鷲獅子さんうー @wasisisi

#twnovel 「今日は月見の日なのか……」世間は月見、お店には卵を月にたとえた料理が並び、空にはとても綺麗な月が浮いている。 「いつになったら、あそこに帰れるかなぁ……」月に生まれ、地球で過ごした。 みんなは地球がいいと言うけれど、自分はあそこがふるさとなんだ。

2011-09-12 20:30:29
工房径(koubou-kei) @pleaseinuplease

#twnovel 片手に酒瓶携えてぶらりと彼がやってきた。今宵は十五夜。『私の部屋、窓から月が見えるんだ』自慢のつもりが”ふたりきりで月見”とは。飲むほどに感じる視線は酔いのせい?「月、見なよ」「ばぁか」彼の笑みは月より怪しく。「十五夜なんて口実だ。夜、お前の部屋に行くための」

2011-09-12 20:32:58
花粉でしっつ明した @Sitz101623

#twnovel 月を見た。月を見た瞬間に、狼になった。目の前の獲物に飛び込み、欲望のおもむくままに、食らう。どろどろと、肉と、赤い物を噛み締める。ぐちゃぐちゃと、口の中で肉の味を楽しみ、歓喜に打ち震え、吠えた。「んめええええ!!!」俺はいよいよもって月をすくいあげ、口に運んだ。

2011-09-12 20:36:56
とおる6th @windcreator

眠れない。好きな人に好きと言われて眠れるわけない。首を縦に振るのが精一杯で、何一つ言葉を返せなかった。頭の中は今も真っ白。送ってもらった帰り道、月が眩しいくらいに道を照らしていた。遠慮がちに握られた手。二人の輪郭が重なった一つの影をずっと見ていた。月が綺麗。 #twnovel

2011-09-12 20:49:08
高良 志乃☀/💗🍼 @TaKaRaSHINO

「月の耀きは、孤独の反射なのよ」と彼女は言った。どこか物憂げに、ありがちに窓枠に身を預けながら。顔だけをこちらへ向けて、しかしその眼は空ろを示していた。僕は、彼女から視線を外せずにいる。「もしここで私が貴方を好きって言ったら、その耀きは少しだけ曇るのかしらね?」 #twnovel

2011-09-12 20:56:06
min @37a_

#twnovel 今夜は月が奇麗だね あなたと分かち合いたくなって 逢いに行こうと企むも 願い叶わず溜息一つ せめて声だけ聞きたくて 稀にダイヤル回してみては…想い留まり溜息ばかり 塞ぎ込みそな気分こらえて 言葉なくとも見上げます 中秋の夜に満月一つ あなたもきっと見ているはずと

2011-09-12 20:56:26
@UKIYO_DO

月と地球の距離。満ち欠け。ゼロと無限の間で、僕らは。新月のように陰ながら見守り、半月のようにいつもそばに寄り添い、三日月のように君を包み込んで、満月のように君を明るく照らしたい。太陽の下で会うことが叶わぬなら、闇が降りるまで君を想おう。闇が降りる度に君に逢おう。#twnovel

2011-09-12 20:59:02
藍 真史 @shin1960

#twnovel あれから15年。あれから10年。あれから半年。涙する人も、笑顔の人も、喧嘩する人も、握手する人も、憎み合う人も、愛し合う人も、歌う人も、酔っ払う人も、眠る人も、目覚める人も、出会った人も、別れた人も、行く人も、帰る人も、たどり着いた、みんなみんな今宵この月の下。

2011-09-12 21:17:19
あかね @akane2003

デイブが「月に行く」と乗り込んだロケットは私が書いた音符つき。ロケットは無事に月に到着。でこぼこの砂場を丁寧に踏んで靴の足跡を残した。次は火星の赤いベンチで一休み。お日様のぬくみであったかい。木星でジャンプして土星をぐるぐる回してたら「ごはんよ」の声。また明日ね。#twnovel

2011-09-12 21:38:03
桂木みお @kusatteruneko

#twnovel 大きな月をバックに石神社長が凛として立っている。姿勢良く貫禄ある立ち姿は神々しいほどだった……その頬にクリームがついていなければの話だが。「ん?どうした皆」珍しく真面目な顔の社長。そしてドアが開き、ドーナツの空箱を持った緒川さんが入ってくる。夜空に絶叫が響いた。

2011-09-12 21:48:47
しぃとろん @seatoron

今日は中秋の名月。でも、空はいつも厚い雲に覆われているので、本当の姿が見えない。誕生日にプレゼントされた私の望遠鏡は、百年前の地球を映し出す。私はこの時代の風景が好き。本当は、空も海も全てがキラキラしていたことを知った。この灰色の地球が、当たり前ではないことを。 #twnovel

2011-09-12 22:00:12
水木ナオ @nayotaf

今夜は満月の筈なのに、夜空は真っ暗。月はどこだと空を見上げて歩いていたら、何かに躓いた。見るとハンカチが落ちている。中からは柔らかい光がにじみ出ていて。拾おうとしたら、「ダメ!皆に見つめられて…恥ずかしいの」おや。僕はそっと、ハンカチに囁いた。「君は綺麗ですよ」 #twnovel

2011-09-12 22:01:48
@inori_nn

月が見えない 雨に邪魔されて いいえ 見えてしまうとまた あなたを思い出してしまうから 空は其れすらお見通しで #twnovel #twpoem

2011-09-12 22:02:23
simmmonnnn @simmmonnnn

#twnovel 「今夜の月は綺麗だな」「昨夜の月はご覧になられましたか」「いや、別に」彼女は深くため息をつく。「貴方は綺麗なときしか月に興味を示さないのですか」そして、両脇に従わせていたライティング要員に待機を命じた。光を失った彼女の顔に残るニキビの跡はクレーターのようだった。

2011-09-12 22:04:59
layback @laybacks

月が満ちていた。一人、また一人と人影が集まってくる。浜を埋め尽くしたゾンビたちは渇いた砂の上で膝を抱え、今にも溢れそうな月をじっと眺めている。声を発する者はいなかった。波音がさらさらと時を刻み、潮風がそれをどこかへ運んでゆく。日が昇る頃には月も人影も消えていた。 #twnovel

2011-09-12 22:05:16
@saitou24

#twnovel 月が巨大なお団子だと分かった時から、人類の宇宙進出が本格化したと言って良いと思います。ほぼ無尽蔵ですから、これで食料問題は解決する。誰もがそう思った事でしょう。まさかこの団子に合うタレが見つからないなど、誰も予想できなかった時代の話です。

2011-09-12 22:06:25
久遠 @kuon29102

「もしもし?今、いい?月がすっごく綺麗だよ。もし良かったら、一緒に見ない?そう、あの公園。うん。待ってるよ」電話を切って、糸が切れるようにベンチに座り込む。満月の光は綺麗過ぎて、たいして寂しがりでもないはずの僕でさえ、人恋しくてたまらない。君に早く会いたいよ。 #twnovel

2011-09-12 22:07:20
鈴々@物語る鳥 @re_rhythm

縁側に胡坐をかき手酌で酒を呑む。月見酒と云う奴だ。乾した杯を再び満たした処で憶えのある靴音を聞いた。折角の月を肴に一人酒とは野暮だな。揶揄う友の手に芒と団子がある。これがなければかぐや姫も口説けまい。男の戯言にさて、と笑う。手の届かぬ天女より俺は団子が食いたい。 #twnovel

2011-09-12 22:08:48
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