2022年4月18日

『惡の華』読書会メモ 高校生編 +【おまけ】久保校長の超絶読み

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めんたね(あぶない) @dmentane

昨日の惡の華読書会で語ったことやそこからさらに連想したことをメモっておく。 高校生になっても春日君はやはり内向的で、興味関心が自分の内側に閉じていた。 目の前に生身の恋人(常磐文)がいても中学生の時に出会った中村さんをそこに投影し、あの時の中村さんと自分の関係を反芻する。

2022-04-18 08:06:42
めんたね(あぶない) @dmentane

脳内一人相撲の表れ方は中学時代よりも穏やかになっているけど、高校生でもやはり同じことをやり続けている。ベースは同じで表現をわずかに変えた変奏曲になっている。そこにぼくは春日君の春日君らしさを読み取るし、だから、『惡の華』を安心して楽しめる。キャラクターの動きに一貫性がある。

2022-04-18 08:10:22
めんたね(あぶない) @dmentane

基本的に作者の押見修造さんは春日君に自分を投影して書いていると思うので、その辺は自分の思考、感情、体験を反映して書けばわりとなんとかなる。 『惡の華』がすごいなと思うのは主人公春日君以外のキャラクターの説得力、一貫性もあることだ。自分の性格とは異なる人物像を描くのは難しい。

2022-04-18 08:15:49
めんたね(あぶない) @dmentane

春日君の内向的な脳内独り相撲癖はそのままに、それでも彼なりになんとか世界と向き合っていこうとする過程が高校生編の重要なテーマだと思う。

2022-04-18 08:20:04
めんたね(あぶない) @dmentane

常盤さんというのは、基本的に非常に健康な人間である。健康であり自分の感情や葛藤に対しての自覚度も高いからこそ、彼女なりの悩みを持ち、それをきちんと悩みとして受け止めて考えられる。

2022-04-18 08:26:00
めんたね(あぶない) @dmentane

春日君が高校生になっても、結局のところはやっぱり脳内独り相撲野郎であることは変わらず、それでも彼なりに目の前の現実に目を向けていくことができるようになったのは、健康的な常盤さんと付き合うようになった影響だ。

2022-04-18 08:27:40
めんたね(あぶない) @dmentane

人は一緒にいる人間から影響を受ける。その相手のことを好きになればなおさらだ。春日君はその傾向が非常に強く、中村さんと一緒にいれば中村さんの影響を大きく受けて、内心のモヤモヤを暴力的に吐き出すことを美しいこと、良いことと考えるようになる。

2022-04-18 08:29:19
めんたね(あぶない) @dmentane

春日君が小説を真剣に書く常盤さんと一緒にいるようになると、今度は最終的にその自分の中の闇、モヤモヤを文字にして、文章にして書こうとし始める。 その辺も大変に春日君の春日君らしさであり、彼が救われて前を向く一つのルートがきれいに描かれているなと思う。

2022-04-18 08:31:12
めんたね(あぶない) @dmentane

受動的なメンヘラ男である春日君にとって、常盤さんというのはわかりやすい「理解のある彼女さん」である。これはその手のタイプの男性にとっての夢である。 まあ、実際にはそういう女性はほとんどいないw

2022-04-18 08:34:45
めんたね(あぶない) @dmentane

春日君と常磐さんはいい雰囲気で時間を過ごすようになるが、そのやりとりをていねいに読み解いていくと、ずっとディスコミュニケーションの連続である。超優良健康女の常盤さんとメンヘラ男の春日君では思考のベースも感情の持ち方も他者理解の方向性もみんな違う。しょっちゅう微妙にやり取りがズレる

2022-04-18 08:38:06
めんたね(あぶない) @dmentane

そのズレを互いに何となく感じ取ってはいるのだが、何がどうズレているのかはなかなか言語化できない。「何かが違う」「そうじゃない」という感覚だけが湧く。その辺の繊細な表現が丁寧になされていて、そこを読んでいるだけで個人的にはご飯三杯いける。

2022-04-18 08:45:01
めんたね(あぶない) @dmentane

8巻で春日君が常磐さんの部屋にいるところに常磐さんの彼氏(晃司)がやってくる。晃司は春日君と常磐さんの関係に不信感を強め、春日君を強めにいじったりする。その後、9巻で晃司が春日君に謝りたいと呼んで晃司、常磐、春日での三者面談するシーンのラストで仲直りの握手を形式的にする。 pic.twitter.com/mi6bpTSZL0

2022-04-18 08:57:02
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めんたね(あぶない) @dmentane

この三者面談は名目上は謝罪ということになっているが、事実上、晃司にとって、自分と常磐は恋人関係、春日は単なる友人という関係を再確認してダメ押しするための儀式のようなものであった。その気配を常磐さんも春日君も感じ取っている。

2022-04-18 08:59:31
めんたね(あぶない) @dmentane

そこで、常磐さんから「あそこのバイトをやめようと思っていた」という話題が出される。 バイト先で常磐さんと晃司は一緒に働いており、共通の友人たちがたくさんいる。そして、常磐さんは自分が本好きで小説を書いていることを彼らには開示していない。理解されると思っていないから。

2022-04-18 09:01:22
めんたね(あぶない) @dmentane

ここで勘のいい人間ならば、これは常磐さんが晃司との関係について距離を取りたいということを間接的に匂わせているのかもしれないと感じ取るかもしれない。 その流れで「私のことバカだと思う?」と常磐さんは春日君に問いかける。 pic.twitter.com/0QNsFv3osc

2022-04-18 09:06:07
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めんたね(あぶない) @dmentane

常磐さんがここで春日君に問いかけていることは、おそらく「本当に価値を感じていて大事にしている小説について感覚や体験を共有している春日君との関係よりも、それらを隠して相手に合わせて演じている自分の恋人晃司やその周囲との人間関係を優先させている自分はバカだと思うか?」ということ。

2022-04-18 09:09:17
めんたね(あぶない) @dmentane

でも、春日君は自分の内側を向いていて、自分の心の中の問題で一杯一杯になっている。常磐さんの心の中で何が起きているのかには興味関心が向かない。

2022-04-18 09:11:38
めんたね(あぶない) @dmentane

それが「…え…」「何で…?」というキョトンとした返答に表れている。ここで伝わらない断絶を無意識的にかもしれないが感じた常磐さんは「…ううん」「べつに…」とこの話題を打ち切る。こういう微細なディスコミュニケーションの表現が素晴らしい。

2022-04-18 09:13:00
めんたね(あぶない) @dmentane

そこでさらに追い打ちのように春日節が出てくる。「小説…絶対最後まで書いてよ」「もしよければ今書いたところまで見るよ」と。彼はいつでも自分の脳内に住んでいて、脳内のストーリーを一人で進める。彼の中では小説を通じての常磐さんとのつながりが全てなのだ。 pic.twitter.com/KAbbRN0ENE

2022-04-18 09:20:54
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めんたね(あぶない) @dmentane

その言葉の聞くときの常磐さんの視線は冷たい。失望を感じているのかもしれない。「違う、そうじゃない、そこじゃない」というやつだ。

2022-04-18 09:22:18
めんたね(あぶない) @dmentane

常磐さんは春日君の小説を読むという申し出を断り、二人はそのまま別れようとする。春日君も常磐さんも相手に近づきたいと内心思いつつも、うまくそれを言葉にできないし、自覚も不十分なまま、不全感をもって離れていく。 pic.twitter.com/5bG6JDDiKd

2022-04-18 09:27:01
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めんたね(あぶない) @dmentane

自分の不全感を十分に自覚して言語化できない春日君ではあるが、とにかく、常磐さんとの間に溝が生まれ、そのまま離れようとしている気配だけはなにか感じている。このままではいけない気がする。それがとっさに振り返って常磐さんの名前を呼びかける行動につながる。 pic.twitter.com/qI8Qh4CDLy

2022-04-18 09:30:14
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めんたね(あぶない) @dmentane

でも「…何?」と常磐さんから問い返されると、春日君は言葉にならない。さっき、春日君が常磐さんの問いかけに「…え…」「何で…?」と返したときと反対の状況が生まれる。目的・意図を言葉にできず「いやごめん…何でもない」と飲み込むしかない。

2022-04-18 09:33:02
めんたね(あぶない) @dmentane

その次のコマの常磐さんの表情の背後にはどんな気持ちがあるのか?そこでぼくは悩みこむ。ちょっと満足気でもあるのだ。でもあきれているのかもしれない。表面上、少し笑顔を浮かべてみせただけで内心は悲しいのかもしれない。 pic.twitter.com/rSJluwFQTs

2022-04-18 09:35:22
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めんたね(あぶない) @dmentane

でも、ぼくらが実際に人とやりとりするときってこんな風にわからないことばかりである。相手の本心がどこにあって何を考えているのかわからない。わからないなかで色々と推測して、その推測に賭けて反応する。そして、その推測が当たったのか外れたのかもよくわからないことも多い。

2022-04-18 09:36:54
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