公開中「ヴァーティカル」のプロット過程

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榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

折角、ファミ通文庫オンライン(FB ONLINE)で拙作「ヴァーティカル」が公開中なので、それに絡めてちと創作ネタ。まあどんな風にアレのプロット立てたか、とかその程度の話ですが。 #sousaku

2011-09-12 23:58:25
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

件のホラー短編、慌てて無理に読む必要は無いですが、普通に「一読者」として読みたいと考えて下さる方は、このツイートは後でまとめか何かで見て下さい。オチから逆算して作った話ですから、ツイート見てから読むと、途方も無くつまらんでしょうし(苦笑) #sousaku

2011-09-13 00:00:42
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

さて。ただの回想というか過去話で創作論というのもしゃらくさい訳で、わざわざこの「ヴァーティカル」のプロットの話をどうして今ここでやるかというと、これが実は完全に、「自主的に思いついて書いた」ものではなく「他人に発注されて組んだ話」だからです。 #sousaku

2011-09-13 00:06:07
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

つまり、要求される要素から逆算して、お話を組み立てた訳ですね。ちなみに「ヴァーティカル」に関しては、実は当初、ファミ通文庫編集部から発注が在ったのではなく、別の会社からの発注でした。この時のプロットが割と気に入っていたので、書いたものを、丁度、ホラー特集を組む #sousaku

2011-09-13 00:07:54
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ファミ通文庫が拾ってくれた感じですね。まその辺は創作論とは基本関係なので細かい処ははしょりまするが。 とにかく当初、私はこう言われました。「ホラーの短編を何か考えて欲しい」と。「ホラーの短編は、上手くプレゼンすればハリウッド映画の元ネタとして売れるかもしれない」 #sousaku

2011-09-13 00:09:44
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まあハリウッド映画が、海外の小説や漫画やアニメからネタを色々拾ってきているのは、ドラゴンボールだのエヴァだののハリウッド映画計画の話が色々でてたりするので、皆さん御存知でしょうが。まあそういう処に売り込みにいくための「弾」が欲しい、というのが先方の発注でした。 #sousaku

2011-09-13 00:11:24
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特に「リング」「らせん」辺りがハリウッドでも注目され始めた頃だったので、和製ホラーを売り込みやすかったんでしょうな。まあ、この売り込み企画そのものは、色々在ってぽしゃりましたが(苦笑)  #sousaku

2011-09-13 00:12:18
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で――ここからが創作論というか、問題。ホラー。ホラーってなんじゃい、と。正直、私はそんなにホラーに詳しい訳じゃないというか、ホラー映画とか苦手なんですよね。だからそんなに精通している訳じゃない。でも、逆に言えば恐がりなので、その辺の感情の機微は分かる。 #sousaku

2011-09-13 00:14:07
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恐怖とは何か。例えば「死」は恐怖な訳ですが、よくよく考えると「死」というものの恐ろしさは二側面在って。「死んでからどうなるかわからない」という「未知」への恐怖と、「死ぬ事で自意識が消滅する」という「自我の消滅」への恐怖があるんじゃないかと。 #sousaku

2011-09-13 00:15:51
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まあこんな風に既存の「恐怖」を分析・分解した上で、要素を入れ替えてやれば、「恐怖のベクトルは同じだが、表面的な種類は違う」ものが作れるのではないか、と。 #sousaku

2011-09-13 00:18:18
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で――「例えばどんなシーンが恐怖ですかねえ」「例えば、ある映画にあったんですが、エレベーターに乗っていると、不意に、扉についている窓の向こう側に、女の人の姿が映り込むとか」「それ、何が怖いんですか?」「いや、だから人が居ない筈のところに人が居る恐怖で」 #sousaku

2011-09-13 00:19:46
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「じゃあ例えば宇宙空間に人が素っ裸で浮かんでたら恐怖ですか?」「いやそれは……」「となると、『人が居ない筈の処に人が居る』のが恐怖なんじゃないですよね」「うーむ?」 #sousaku

2011-09-13 00:20:56
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この手の分析と分解は、いかにして「レッテルを貼らない」「思考停止を避ける」かがキモ。例えば、人間「こういうのは怖い」と記号的に思い込んでいたりしますが、例えばスプラッタなんて、一歩間違えばギャグになっちゃう事を想うと、「血が出るのが怖い」のではないんですよね。 #sousaku

2011-09-13 00:23:07
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人間は「血が出る」事の向こう側にある、「痛み」や、更にその向こう側の「死」、そしてその奥に在る「自我の消失」や「訳のわからなさ」が怖いのであって。血が出る現象そのものが在っても恐怖の対象じゃない。 #sousaku

2011-09-13 00:25:28
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例えば、「在り得ない場所に誰かが居る」のは、「そんな場所に居る様な奴は、何が出来て、何を考えているのか分からない。きっと言葉でわかり合えない理不尽な奴なのだ」という連想が働くから怖いのではないか。だとすれば、実は「誰か」でなくても「何か」でもいいのでは、とか。 #sousaku

2011-09-13 00:28:27
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例えば、猫。猫って水嫌いじゃないですか。お風呂嫌がるじゃないですか。そんな猫が、水面から首だけ出していつもこっち見てたら、多分、すげえ怖い。 #sousaku

2011-09-13 00:30:15
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ああ、溺れてるのではなく、静かに、平然とした様子で見てるって事ねw 箱にのって川に流されている場合は、何処かの不良の兄ちゃん探して助けて貰って、フラグ立てましょう(何の話だよ) #sousaku

2011-09-13 00:31:31
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でもって、「訳が分からない」というのは、逆に言えば、「本来はぱっと見て判るもの」だから、余計に「意味不明」さが際立つというか。我々がよく見知っているものの中で、何か一つが狂っているからこそ、恐怖が生まれるというか。 #sousaku

2011-09-13 00:32:54
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つまり、日常の中に潜む、日常的な論理では説明不可能な異物(あるいは日常的な価値観を否定する様な異物)が恐怖になるのではないか。そう考えると、要するに、「日常的なもの」をまず探して、そこから、それを「本来在り得ない形」に変換するだけで恐怖は生まれる。 #sousaku

2011-09-13 00:35:27
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もっと確実を期すならば、そこに「死」のイメージが絡めば尚更に恐怖に直結しやすい。まあ、そんな事を発注者とお茶の水のオープン・カフェで会話しながら考えていた訳ですな。 #sousaku

2011-09-13 00:36:35
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ああ、ちなみに。ここで一つ念押しをしておくと、「ホラーとはこうでなくてはならない」という話ではないですよ。自分がホラーを組み立てるにあたり、ホラーとはなんぞや、という一つの理解を基礎に置くと、そこから組み立てやすい、という話。なので、例外多数だと思います #sousaku

2011-09-13 00:37:58
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

あくまで「恐怖」というものをレッテル貼って満足しないで、「どんな心の動きなのか」という筋道を立てる。そしてその延長線を描いていくと、ホラーになる、という。それだけの話です。 #sousaku

2011-09-13 00:39:20
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

で……そのお茶の水のカフェでぼんやり、「日常風景」を眺めていた私が、ふと、近くのビルにとまっているハトを見て。「そういえばヒッチコックの『鳥』なんてのもあったなあ」とかぼんやり想い出したのですな。あれは、「一件無害そうな鳥が、集団で襲ってくる怖さ」な訳で。 #sousaku

2011-09-13 00:41:06
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

となると、それこそ「スワーム」とか「ピラニア」とか「キラービー」とかそーゆー系統の、「何かの生き物が、群れをなして人間を襲ってくる系」の恐怖と近い訳ですが……(まあその中でも「鳥」はかなり異質ですがそれはさておき)これは実はあんまり「怖く」ない。 #sousaku

2011-09-13 00:43:30
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

何というか,災害と同じ「怖さ」なんですよね、あの手の動物襲撃ものって。もっと言えば、ゴジラが「恐怖」ではないのと一緒。よく私も使う表現ですが「いかにもとって喰われそうな」大きさの恐竜の方が怖くて、最早、ゴジラだと、直接的な恐怖は覚えない感じ。 #sousaku

2011-09-13 00:45:12
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