翻訳家のみた「米国焚書・検閲」キャンペーン

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heatwave_p2p @heatwave_p2p

米国では昨年あたりから人種、ジェンダー、セクシュアリティを扱った書籍を「子供達に有害だ」として学校図書館から撤去する検閲キャンペーンが各地で激化している。 twitter.com/yomoyomo/statu…

2022-04-19 00:05:30
yomoyomo @yomoyomo

Book banning efforts are inspiring readers to form banned book clubs - CNN edition.cnn.com/2022/04/15/us/… 禁書を読もうという十代のブッククラブができているという禁書指定の皮肉な効果

2022-04-18 08:02:28
heatwave_p2p @heatwave_p2p

とりわけ、共和党が強い州では知事や州議員がこの検閲キャンペーンを政治的に後押ししている。次の選挙に向けたアジェンダセッティングや選挙運動の活発化も当然見据えているのだろう。 edition.cnn.com/2021/11/04/us/…

2022-04-19 00:06:03
heatwave_p2p @heatwave_p2p

検閲に対する抗議によって一部の書籍は書棚に戻されつつあるが、「子供達を守る母親達の戦い」「『親の権利』を行使するための戦い」として草の根の検閲キャンペーンは続いている。 kvia.com/news/education…

2022-04-19 00:06:41
heatwave_p2p @heatwave_p2p

この運動の直接的な源流は反CRT(批判的人種理論)キャンペーンにあるとみて良いだろう。そこでは学校での反人種差別教育によって「迫害者」のレッテルを貼られた子供達が傷つき、心を病んでいるというナラティブが盛んに持ち出された。 afpbb.com/articles/-/335…

2022-04-19 00:07:52
heatwave_p2p @heatwave_p2p

この親達の反CRT運動は、学校でのマスク着用、ワクチン接種義務化への反対運動とも相まって一層加熱していった。(ちなみCRTは学術的な理論であって、陰謀論的なこじつけによって批判されている向きが強い) washingtonian.com/2021/10/08/pho…

2022-04-19 00:11:43
heatwave_p2p @heatwave_p2p

その後、この運動は範囲を拡大し、ジェンダーやセクシュアリティを扱った本まで標的にするようになる。たとえばLGBTQをテーマにした本の「性的な」描写を「ポルノ」だと非難し、教育委員会の会合に押しかけて学校図書館からの撤去を迫るようになった。 chicago.suntimes.com/education/2021…

2022-04-19 00:12:26
heatwave_p2p @heatwave_p2p

もちろん、そうした描写は文脈があって描かれているのだが、この手の運動にあってはそうした文脈を切断し、ただ単に「ポルノまがい」あるいは「まごうことなきポルノ」が「高校の図書館にある」ことを殊更に強調する。

2022-04-19 00:12:57
heatwave_p2p @heatwave_p2p

なぜ必死にポルノのレッテルを貼るかといえば、ポルノであれば未成年者への閲覧を制限しなければならないという社会的合意が既にあり、それを根拠に「議論の余地なく」LGBTQをテーマにした書籍を図書館から排除できるためである。

2022-04-19 00:13:36
heatwave_p2p @heatwave_p2p

検閲の圧力(ブックチャレンジ)に抵抗する図書館側からは「組織的な」運動との指摘もある。実際、政治的・宗教的な動きと密接に連動しているのだが、しかしその繋がりは統制されたものというよりは、緩やかなものにみえる。(以下の記事はプラウドボーイズの参戦) chicago.suntimes.com/education/2021…

2022-04-19 00:14:49
heatwave_p2p @heatwave_p2p

その意味では、やはり「子供を守る母親達の(草の根の)戦い」であることも確かである。と同時に、心底ポルノから子供達を守ろうとしているとも思い難い。真に見せべきでないなら、大きく印刷してプラカードに貼り付けたり、子供の前でディルドを見せたりはしない。 tpr.org/education/2021…

2022-04-19 00:15:55
heatwave_p2p @heatwave_p2p

教育現場での「リベラルによる洗脳(教化)」から子供を守らなければならない――おそらくはそれが本心であり、恐れていることなのだと思う。イデオロギー、陰謀論、信仰、あるいは政治的になされたフレーミングを信じて行動しているんだろう。

2022-04-19 00:17:46
heatwave_p2p @heatwave_p2p

草の根運動の色合いが強い検閲キャンペーンではあるが、この運動を先導する(方法論を広めている)組織もある。それが“Moms for Liberty”。団体名も、親の権利を求める母親たちの連帯という点でも、一見するとリベラル風ではあるが―― momsforliberty.org

2022-04-19 00:18:15
heatwave_p2p @heatwave_p2p

反ワクチン/反マスク/反・反人種差別教育/反ダイバーシティ教育の立場から教育現場に介入しようとする保守系ママによる非営利団体である。実際、街頭での抗議活動には母親達の姿が目立つし、「MOMS」を強調するプラカードも多い。リベラルへの当て付けも多少感じる。

2022-04-19 00:18:55
heatwave_p2p @heatwave_p2p

大人たちが検閲キャンペーンに熱を入れる一方で、当事者である子供達から検閲に対する抗議運動も起こるようになり、禁書を集めた私設図書館が作られたりもしている。 nytimes.com/2021/10/02/us/…

2022-04-19 00:19:45
heatwave_p2p @heatwave_p2p

最初の記事にある子供達の禁書クラブも反図書館検閲の動きの1つと言えるだろう。ストライサンド効果よろしく、誰かが主張する「検閲すべき理由」こそ、「我々が読むべき理由」なのである。 edition.cnn.com/2022/04/15/us/…

2022-04-19 00:21:15