日本の陸自には大規模な水陸両用強襲の能力は不要であることについて

『軍事研究』10月号が「島嶼防衛:逆上陸作戦プランの想定」として米国海兵隊の作戦教範を参考に陸自の大規模な水陸両用強襲作戦の実行のための装備について議論しているが、今後の作戦環境を考慮すれば陸自にこのような能力は必要ない。今後、西太平洋ではますます作戦の前提となる航空・海上優勢を中国相手に取ることは難しくなるからだ。使えない装備への資源投下はムダであり、もっと航空・海上優勢をきちんと取れる装備への投資をした方がよい。
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fj197099 @fj197099

『軍事研究』10月号が「島嶼防衛:逆上陸作戦プランの想定」として米国海兵隊の作戦教範を題材に陸自も大規模な水陸両用強襲が可能なように海兵隊並みの装備を保有すべきとする議論を載せているが、こういう議論で全く理解できないのはそんな作戦を現代に展開できると本当に思っているのかとの点だ。

2011-09-13 11:00:39
fj197099 @fj197099

水陸両用強襲(揚陸作戦)の実施のためにまず大前提として航空優勢、海上優勢を確保しなければならないという理解は誰にでも共有されている。その点、今後中国の軍事能力の向上を見ると、西太平洋地域では米空母ですら近寄ることを躊躇するほどの作戦環境の困難が見込まれるとされているのである。

2011-09-13 11:04:09
fj197099 @fj197099

そんな状況で脆弱な揚陸艦だの上陸舟艇だの運用できるはずがない。正に浮かぶ棺桶の如きもので、たちどころに撃沈なり大破なりの憂き目を見て大量に死傷者を出すであろう。中国相手に容易に航空・海上優勢が取れない時代がこれから来るというのに、そういう理解の全く存在しない妄説というしかない。

2011-09-13 11:07:03
fj197099 @fj197099

米国海兵隊ですら最後の大規模な水陸両用作戦は朝鮮戦争。それ以後は作戦環境が危険すぎるとして行われていないのである。これから中途半端に海兵隊を真似ようとする日本の陸自がそんな作戦を行えるはずがない。何やら組織防衛の匂いもするが、できもしない作戦の為の装備調達など完全なムダである。

2011-09-13 11:09:05
fj197099 @fj197099

巨大な揚陸艦、上陸用舟艇、水陸両用戦闘車…こういった装備は日本には基本的に不要であろう。どうせ活用できないしそれに割く資源があるなら、もっと航空・海上優勢を維持する装備に投下した方が遙かに有益である。島嶼奪還など実現性がない話。大規模部隊に上陸を許したら負け、という理解が欲しい。

2011-09-13 11:12:12
fj197099 @fj197099

むしろ上陸以前の段階で叩くということを最優先すべきである。その為に対空・対艦ミサイルの充実や機雷の大規模な運用を可能にすることなどは意義があるだろう。叩かれても大丈夫なように防御施設を堅固にすることもだ。そういう作業は大規模で使えない揚陸部隊を整備するのと比べ余程安価にできる。

2011-09-13 11:15:09
fj197099 @fj197099

防衛資源に限りのある中で何とか非対称な抑止力を強化しなければならないのが今後の日本の防衛政策。米国ですら持て余している大規模揚陸作戦の能力など日本には全く不要。組織防衛に付き合っている余裕もない。軍事組織は軍人の夢を叶える為にある訳ではない。軍事的にリアリティのある議論が必要だ。

2011-09-13 11:17:59
fj197099 @fj197099

これらが災害派遣で役立つのはその通り。ではそれだけのために巨大装備を多数保有するか?が論点。@a_nightbreed 今回のような大規模震災では活躍する場所が多かったのでは?@fj197099: 巨大な揚陸艦、上陸用舟艇、水陸両用戦闘車…こういった装備は日本には基本的に不要

2011-09-13 11:20:01