地域の暮らしと"交通のバランス"を考える

滋賀県が地域公共交通維持のための新たな税を検討しているとの報に様々な意見が出る中、公共交通を維持する意義はどういうことかというのを、つらつらと書いたので…
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京都新聞 @kyoto_np

交通税、具体的議論へ 滋賀・県税制審が答申 鉄道バスは「社会インフラ」根拠に kyoto-np.co.jp/articles/-/776…

2022-04-21 12:41:17
リンク 京都新聞 交通税、具体的議論へ 滋賀・県税制審が答申 鉄道バスは「社会インフラ」根拠に|社会|地域のニュース|京都新聞 滋賀県が創設を検討している地域公共交通を支えるための新税(交通税)について、県税制審議会(会長・諸富徹京都大教授)は20日、導入に向けて具… 1 user 17
日経関西 @nikkeikansai

人口減少などで地方の鉄道やバスの維持が難しくなる中、滋賀県は全国で初めて公共交通の維持に向けた税金の導入を検討します。同県税制審議会は既存の税金に上乗せする方式を検討すべきだと答申しました。trib.al/VdJqk3m

2022-04-20 22:29:39
リンク 日本経済新聞 初の「交通税」滋賀で検討へ 鉄道など維持へ課税上乗せ 滋賀県税制審議会(会長・諸富徹京都大学大学院教授)は20日、同県が導入を検討している「地域公共交通を支える税制」について、個人県民税など既存税に上乗せする超過課税方式を基本に検討すべきだと答申した。新税は人口減少などで維持が難しくなっている地方公共交通を利用者だけでなく、地域全体で支える目的で検討しているが、導入時期や議論のスケジュールは示されていない。答申では上乗せを検討する税目は個人県民税 2 users 121
特急ニセコ @ExpressNiseco

滋賀県で全国初の『交通税』議論本格化…“公共交通存続”のため赤字路線を税で支える(MBSニュース) news.yahoo.co.jp/articles/3e5c9… ドイツを始めとした欧米の公共交通の維持に欠かせない「交通税」ですが、果たして日本では受け入れられるのかどうか…

2022-04-21 01:16:22
リンク Yahoo!ニュース 滋賀県で全国初の『交通税』議論本格化…“公共交通存続”のため赤字路線を税で支える(MBSニュース) - Yahoo!ニュース 全国初の『交通税』導入の議論が本格化しそうです。滋賀県の税制審議会は4月20日、公共交通を維持していくための税金『交通税』導入を求める答申を知事に提出しました。 4月20日、滋賀県の三日月大造 3 users 1000

滋賀県が地域公共交通を維持していくための財源として新税を検討ということで、暮らしの中で鉄道/バスを利用しない/居住地的にできない人たちを中心に「なぜ自分たちに必要のないものの維持費を税として徴収されるのか」という不満が大きいようで、さてこの新税の「社会的意義」とは、どういうことなのかと…。

せき のりかず @kotonoha_s

交通税にかかるアレコレの話が出ているようですが、ローカル鉄道や路線バスは直接の利用者の便益だけでなく「道路混雑を緩和させる」役目を地味ながら担っていたりするので、適切な形で公金を投入したり広く薄く負担を願うというのは、それなりに社会的意義があり実効性もあるモノなのですよね。 pic.twitter.com/MjoX1nOQqC

2022-04-24 10:41:06
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むかし、とある事件がとある地方都市で突然に発生したことがありました。

せき のりかず @kotonoha_s

むかし「負の社会実験」と言われる事件があり、1時間1~2本程度運行のローカル私鉄が色々あって突然「全線運行停止」となり、電車を利用していた人が自家用車通勤に切り替えたり通学対応の臨時バスを出したりした結果、朝夕の交通渋滞がマヒに近い惨状となり影響が都市圏広範囲に及ぶという事態に… pic.twitter.com/Xqkr8fUcs3

2022-04-24 10:54:11
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2001年から03年にかけて発生した「負の社会実験」と呼ばれる事態、長年にわたる赤字に苦しんでいた地方私鉄が安全面での投資が出来ず旧式の車両を使い続けることで老朽化が極度に達しブレーキ故障での正面衝突事故を半年間で2度も発生させ、国から「即時運行停止命令」が出され約30kmある2つの鉄道線が都市圏から予告なく消えることになりました。

福井都市圏での突然の私鉄電車の無期限運休、電車を利用していた人たちは自家用車利用に切り替えたり代行バスを利用することになるのですが、この結果道路交通量が激増し渋滞が破滅的な状況となり、代行バスも鉄道車両との輸送力の差が大きく大混雑となり積み残しも出るなど通勤通学が大混乱となり遅刻する人も続出、そしてこの道路交通事情悪化が沿線外の都市圏全体に影響を及ぼすような事態となり社会問題となったのでした。

せき のりかず @kotonoha_s

福井都市圏で意図せず実施することになった「負の社会実験」、運休路線沿線だけでなく都市圏の広範囲に交通混乱の影響が及んだことで「地味に思ってたけど社会的意義の大きな存在だった」と広く認知され、その後の都市整備の流れを大きく変えるきっかけになったのですよね。 twitter.com/kotonoha_s/sta…

2022-04-24 11:16:14

福井で発生した地域鉄道線の突然の長期運休、福井都市圏で活動するグループがまとめたレポートを滋賀県が参考資料としてアップしています。

福井での(意図せず準備もなく発生してしまった)社会実験の中で、交通問題を解決するのに新たな道路を整備したり社会システムの大きな調整を行うより「いま鉄道があるならそれを有効利用する方が結果的にいいのでは?」ということになり、設備の近代化や安定運営が出来る体制を官民協力して作り、鉄路を復活させることになったのでした。

せき のりかず @kotonoha_s

地域の公共交通路線、利用している人は(地域全体からしたら)僅かであっても「その人たちが道路交通への負担を軽減」する役割を果たしていたりするので、地域全体で「そのバランスを支えていく/より良いバランスに持っていく」ためのコストを負担し合うことは、社会的意義があることなのですよね…。 pic.twitter.com/MgYl70zeVH

2022-04-24 11:04:05
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せき のりかず @kotonoha_s

滋賀県の鉄道線維持のための新しい税についての件は、存廃について道路混雑への影響やバス転換時の所要時間増加などを広く検討した結果、存続させた方が「地域全体の暮らしに良い」ということになったので、受益者は鉄道線利用者だけではなく地域全体だということで検討されているのかと思うので…。 pic.twitter.com/XD6q7fyC9Q

2022-04-24 11:58:01
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鉄道への税投入について、別の事例では既に行われているものもあるのです。

うえぽん @kaorurmpom

自動車関係の諸税を鉄道維持に投入することに反対する諸氏は、都市部の立体交差化や地下鉄整備等で長年投入され続けてるのをご存知なのかどうか、それにも反対なのかどうか…… twitter.com/kaorurmpom/sta…

2022-04-24 10:11:46
うM1M2えぽM1M2M3M4ん @kaorurmpom

鉄道の赤字路線の維持は、基本的には事業者の内部補助ベースでいいと思いますが、それで手に負えなくなってるので公金投入するのも、要はバランスの問題で。

2022-04-24 10:10:53

都市部での鉄道線高架化や地下鉄の新規敷設は「道路交通を改善させるための事業」ということで、昔から道路系の財源(税)で実施されていたりします。

踏切を立体交差に切り替えて安全性と道路交通の円滑さを向上させる事業のうち、交差道路ではなく鉄道を連続的に高架化し複数の踏切を一気に解消するのが「連続立体交差事業」で、見た目には鉄道施設を改善する事業に思えるかも知れませんが事業の目的は道路交通の改善、なのですね。
(なので地上時代の設備をそのまま高架にするだけで鉄道設備の改良/拡張は補助対象外となります)
地下鉄や道路上に作られるモノレール/新交通システムの新規敷設については「クルマやバスの利用者が地下鉄/モノレール等の利用に代われば道路交通がより円滑になる」ということを基に支出されているのですね。

とはいえ…

せき のりかず @kotonoha_s

@kaorurmpom 「理屈は分かった。しかし釈然としない…」的な感覚を持たれそうですね…。世間一般的に鉄道高架化は「鉄道施設を立派にする事業」と受け止められているかと思いますので、この印象が拭いきれないのかな…と感じたりします、連続立体交差事業の仕組みや意義を説明する折に…。

2022-04-24 10:15:51

直接に関係しない部分で(自分が納付した)税金が使われる/賦課されるというのは、理屈はともかく感覚としては納得しがたい部分もあろうかと思いますが、言葉通り「めぐりめぐって広く皆に利益がある」ものであるということで、理解が深まればいいなぁ…と思います。

もちろん、その論拠がしっかりしていることと、程度問題があるのは配慮が必要ですけどね…