マリーヌ・ル・ペンはなぜ4割以上のフランス人に支持されたのか・・・フランス社会のトレンド

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Shuichi KAWASHIMA @kswith

フランス大統領選の結果が出たのでいくつか感想を。 ・最終的な数字であるマ:58,5%、ル:41,5%は予想された中で最大のマクロン寄りの数字だが、マクロンの58,5は決して多くはない。ルペンでもよいという人が41%もいることの意味の方が大事 1/9

2022-04-25 12:17:54
Shuichi KAWASHIMA @kswith

・棄権票が多く、近年増え続けていて、これまでならこの棄権票の多くがどちらかに投票されていただろう。マクロンが6割いかなかったのは本来マクロンに入れる人が棄権したからだし、ルペンがもっと肉薄しなかったのも同様の理由だろう。 ・2002年のシラク再選以来の現職再選。2/9

2022-04-25 12:17:55
Shuichi KAWASHIMA @kswith

第五共和制において再選したのは、ド・ゴール、ミッテラン、シラクの三人しかおらず、マクロンはサルコジやオランドとは違って名を残す大統領となったと言えるかも知れないが、そうなるためには、5月の国民議会総選挙で与党が勝利することが必要。こっちの方が難しいのではと現在言われている。3/9

2022-04-25 12:17:55
Shuichi KAWASHIMA @kswith

・ルペンは極右と分類されているが、近年穏健路線を取っており、この穏健路線が実際どの程度本当で、評価されるのかがこれからポイントになるだろう。極右というのは、フランスの政治的体制の基本である共和主義を否定する、という反体制的勢力という意味合いがある(極左も同様)。4/9

2022-04-25 12:17:56
Shuichi KAWASHIMA @kswith

これに対して急進右派は共和主義の枠組みは守る体制内での最右翼という意味になる。ルペンのRN(かつてのFN)が極右なのか急進右派なのか、それが問題だ。急進右派となった場合、どのような共和主義を標榜し、それが以前のフランスとどの程度連続するのか(それとも断絶に近い変化をもたらそう 5/9

2022-04-25 12:17:56
Shuichi KAWASHIMA @kswith

とするものなのか)が問われる。 ・前回の選挙で社会党(左派の既存政党)が壊滅し、今回の選挙で共和党(右派の既存政党)が壊滅した。社会党の代わりにマクロンが登場したのと同様に、共和党の代わりにRNが登場した、と解釈すべきか、マクロンが共和党の人材を実際の所吸い上げている所もあり、6/9

2022-04-25 12:17:56
Shuichi KAWASHIMA @kswith

これまでのフランス政治の左右対立軸の中間地点が、より右寄りにシフトするように見える。このあたり、メランション支持層がどのような政治勢力になっていくかに大きく依存している。 ・左右対立という構造は大きく変わらない。また、今回マクロンVS. ルペンが二回続き、マクロンが再選となると、7/9

2022-04-25 12:17:57
Shuichi KAWASHIMA @kswith

マクロンは次は出られない。ルペンは出られる。次回ルペンの三度目の正直となるか。しかし、正直マリーヌの賞味期限は切れてしまったようにも見えるし、大統領としては正直力不足と評価されたようにも見える。8/9

2022-04-25 12:17:57
Shuichi KAWASHIMA @kswith

・今回、マクロン対ルペン対メランションという三つ巴になったが、第五共和制期において三つ巴になったことはない。まだまだ政治的な混乱は続くだろう。マクロン後のLREMはどのように引き継がれ、RNがどう脱ルペン家化していくか。メランションが次回決選投票に出る可能性は大きいのではないか。9/9

2022-04-25 12:17:58
Shuichi KAWASHIMA @kswith

以上、フランス大統領選雑感でした。いずれにせよ、マクロン当選という当初の見立てが当たってよかった。。

2022-04-25 12:17:58