2022年4月26日

法務人材のみた「キャンセルカルチャー」の恐怖

時に法的基準に劣後するが、時に法的基準を凌駕する「ソフトロー」の怖さを、現役弁護士が、キャンセルカルチャーを補助線として語る。
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平 裕介 @YusukeTaira

①国連機関が日経の月曜日のたわわ広告に抗議し一方的にマスコミに公表した件、 ②企業広告に「表現の自由」はないと断言した政治学研究者の件、 ③大学のコンサル的な人が文系研究者に、既に公表した論文をまとめたものを単著の本にしてはダメだと指導(制裁にも言及)した件、 これらには共通点がある

2022-04-25 22:37:29
平 裕介 @YusukeTaira

法令では規制されていない行為につき、指導・助言者の“専門”分野では異なる「グローバルスタンダード」等の規制ルールがあると述べ、曖昧で恣意的に運用できる主観的な“自主ルール”基準を振りかざし、従わない場合には不利益を与えるかレッテルを貼り、私人の人権や権利行使を困難にするという点である

2022-04-25 22:37:30
平 裕介 @YusukeTaira

①~③の(全部or)一部について、アドバイスしている側の“専門家”やコンサルの方を支持されている研究者の先生方や有識者の方々もいるようですが、全部自分の基本的人権や権利利益にブーメランとして刺さりかねない問題だと理解された方が良いですね。ぞれぞれ恣意的な基準で簡単に悪用されうるからです

2022-04-25 22:44:05
平 裕介 @YusukeTaira

「グローバルスタンダード」ではなく「企業価値」「大学のブランド」向上の目的に係る基準でも良いですね 労働者や研究者・職員は、何らかの不適切な行為をした場合、上記目的を過度に強調され、また、マスコミや特定の利益団体を利用されて、法的責任を超える“炎上責任”を問われる危険が高くなります

2022-04-25 22:57:01
平 裕介 @YusukeTaira

歴史学者の先生のケースでも分かるとおり、仮に訴訟で争い長い時間と高い費用をかけて何とか勝ったとしても、失われた時間とお金、そしてキャリアはかえってきません 法的に規制されていない権利や自由を事実上規制し、法的責任を超える“炎上責任”を負わせるキャンセル・カルチャーは恐怖の文化です

2022-04-25 23:05:44
平 裕介 @YusukeTaira

他の例ですが、「法人の価値・ブランド」向上の目的のため、“不祥事”(例…例えば故意に数年分確定申告を懈怠)を起こした大学研究者は、①個人研究費を“自主返納”する、②税金が原資の科研費の申請を“控えて”いただくという“自主ルール”を学校法人が策定しマスコミ等に「公表」したらどうなるでしょうか

2022-04-25 23:27:45
平 裕介 @YusukeTaira

その上で、“不祥事”が、何らかの方法で(例えば「社会インフラ充実のため正しい納税文化の定着を図る団体関係者」の「オープンレター」等で)外部に公表されてしまい、すでに公表されている“自主ルール”が適用される場合だとして“炎上”した場合、個人研究費や科研費の運用に悪影響を及ぼさないでしょうか

2022-04-25 23:34:45
平 裕介 @YusukeTaira

これにとどまらず、国・政府がこのキャンセル・カルチャーを同じ発想で悪用することもできるでしょう 例えば次の国の言い分が容易に想定されます “不祥事”を起こし、“炎上”した研究者に科研費を支給すれば、「国は納税申告・確定申告の懈怠に寛容だ」とか、「国は大目に見てくれる」などという(続→)

2022-04-25 23:47:11
平 裕介 @YusukeTaira

(続き→)「誤ったメッセージ」を文科省が発したと受け取られ、法定の申告方法によって正しく納税義務を尽くさない国民に対する国の「許容的な態度」や納税の義務(憲法30 条)を軽視するかのような態度が一般的に広まり、ひいては、文科省の「助成制度への国民の理解を損なうおそれがある」(続→)

2022-04-25 23:47:12
平 裕介 @YusukeTaira

(続き→)という観点から、当該研究者には科研費を交付しないという決定を行った。専門家らのピアレビューは尊重しているし、考慮もした。しかし、上記のような「国民の理解」などの“基準”から、不交付決定を適法に行ったところである。 異論は認めない。 こんな社会になっても、大丈夫ですか?

2022-04-25 23:47:12
平 裕介 @YusukeTaira

上記の科研費不交付決定の事例は、東京高等裁判所 令和4年3月3日・令和3年(行コ)第180号・助成金不交付決定処分取消請求控訴事件(同裁判例22頁の判示↓)を参考に創作してみたフィクションです が、近い将来、起こり得るかもしれません。基本的人権を軽視するとこうなります courts.go.jp/app/hanrei_jp/… pic.twitter.com/jKyTj1fW73

2022-04-25 23:59:06
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平 裕介 @YusukeTaira

国会・議会で制定されておらず判例通説の立場でもない“ルール”(しかも恣意的運用が可能)が“不祥事”“公表”と“炎上”を通して私たちの社会を支配すれば、「法の支配」は否定され、いわば「道徳の支配」となるでしょう 「自分がしてほしくないことは、しないこと」という“基準”が法より優先される社会です

2022-04-26 00:31:45
平 裕介 @YusukeTaira

その「法」ではなく「道徳」あるいは「道徳」に近い“ルール”なる者を提唱したり広める活動をしている一部の利益団体や中間団体の関係者が、立法手続を経ずにグローバルスタンダードあるいはコンサルティングの“基準”を定め、それが運用される社会とは、どんな社会なのか それは「人の支配」の社会です

2022-04-26 00:36:59

コメント

みどりかわだむ @DamMidorikawa00 2022年4月26日
端的に言って「ファシズム」だよね>キャンセルカルチャー
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ささのは @2_nuq 2022年4月26日
わめけば事実上の損害賠償に持ち込めるって、反社とやってること同じだからな
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kimuraお兄さん@小豆島 @nobuo_kimura 2022年4月26日
( ×H×)y-~~人類が長い間試行錯誤を繰り返したどり着いた叡智の結晶である罪刑法定主義を蔑ろにする人民裁判大好きな人たち。
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KPCG10 @KPCG10 2022年4月27日
まぁ単なる承認欲求だよね、選挙投票における「1票の格差問題」も似たようなもの。イキって現政権にケチをつけたい行動ありきで、現実では地方での貴重な議員数を減らす行為になるという。
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18473 @18473_tooltrust 2022年4月27日
フェミニストの行いは山賊が橋を占領して通行税を取るのと変わらない。 世を乱し、職権を乱用し、利権を貪る。公正もなければ合理もない。 現代に蘇った人治の賊徒だ。
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