多世界解釈による量子消しゴム実験の説明

量子消しゴム実験を多世界解釈で説明しました。測定記録を残すと、分岐世界は合流せず、干渉しません。しかし測定記録を消すと、分岐世界は合流し、干渉します。
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x_seek @x_seek0

「多世界解釈で世界が分岐する時、意識はどの世界へ行くのか?」という疑問を持つ人が時々います。 多世界解釈は唯物論なので、体が複製されると意識も複製されます。分岐後の意識はそれぞれ「自分は分岐前の意識と連続している」と感じます。意識は体に宿るものではなく、体の機能の一つなのです。

2022-04-20 18:12:07
x_seek @x_seek0

@ohtamath 例えば二重スリット実験では、電子が左のスリットを通過した世界と右のスリットを通過した世界に分岐します。スクリーンの一点に電子が到達した時、分岐した世界は再び合流します。この合流により干渉縞が生じます。 このように分岐した他の世界の影響は、干渉効果として物理的に測定可能です。

2022-04-21 19:17:47
x_seek @x_seek0

@ohtamath 確かに、二重スリット実験でどちらのスリットを通過したか測定し記録すると干渉縞は消えます。しかし、その記録を完全に消すと分岐世界は合流し干渉縞は復活します。 従って、必ずしも測定で分岐した世界が永久に断絶するわけではありません。このような現象が起こることは実験で確認されています。

2022-04-22 18:47:51
x_seek @x_seek0

@ohtamath その実験は「量子消しゴム実験」と呼ばれています。 『どちらのスリットを通ってきたかという情報を知ることが出来ないようにして、その結果として干渉縞が復活することを示そうとしているのである。(略)測定してみても分からないというような状況を作ってみる』eman-physics.net/quantum/experi…

2022-04-22 23:58:46
x_seek @x_seek0

@ohtamath 何を経路測定とみなすかは個人により見解が異なるかもしれません。 私は「光子Aが通過したスリット」の情報を光子Bが持っているなら、光子Bの検出前であっても経路測定だとみなしています。なぜなら光子Bを特定の偏光板に通過させれば「光子Aが通過したスリット」を直ちに特定できるからです。 (1/11)

2022-04-23 21:51:07
x_seek @x_seek0

@ohtamath しかし「光子Bが検出されるまで経路測定とはみなせない」と考える方もいらっしゃるかもしれません。そう考える理由は、その人に確認しないと分かりません。 ご参考として、量子消しゴム実験を説明させて頂こうと思います。 (2/11)

2022-04-23 21:51:24
x_seek @x_seek0

@ohtamath 量子消しゴム実験の設定を下記とします。 検出器B←偏光板B←光子B 光子A→偏光板A,A'→二重スリット→検出器A ・偏光板Bは縦偏光 ・左スリットの前にある偏光板Aも縦偏光 ・右スリットの前にある偏光板A'は横偏光 (3/11)

2022-04-23 21:51:47
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@ohtamath 検出器Bが検出した場合、検出器Aに干渉縞は生じません。なぜなら常に左スリットを通過するからです。 検出器Bが検出しなかった場合も検出器Aに干渉縞は生じません。なぜなら常に右スリットを通過するからです。 当然、検出器Bの結果を見ずに検出器Aの結果を見てもそこに干渉縞は生じません。 (4/11)

2022-04-23 21:52:10
x_seek @x_seek0

@ohtamath 次に、偏光板Bを45度に傾けます。検出器Bの結果を見ずに検出器Aを見ても干渉縞は見えません。 しかし、検出器Bが検出した場合に限定すると、干渉縞が残ります。なぜなら、光子Bが持っていた「光子Aが通過したスリット」という情報を偏光板Bが消してしまったからです。 (5/11)

2022-04-23 21:52:28
x_seek @x_seek0

@ohtamath 同様に、検出器Bが検出しなかった場合に限定しても、干渉縞が残ります。 しかし両方のケースを合わせると検出器Aの結果は山のようになり、干渉縞は見えません。実は、半波長異なる二種類の干渉縞が重なり、干渉縞が見えなくなっていたのです。 (6/11)

2022-04-23 21:52:46
x_seek @x_seek0

@ohtamath さて、この実験の非常に奇妙な所は、検出器Aの観測が「終わってから」、偏光板Bの角度を自由に変えることができる点にあります。 それは、光子対の発生点から偏光板Bまでの距離を、光子対の発生点から検出器Aまでの距離よりも遠くすることで可能です。 (7/11)

2022-04-23 21:53:03
x_seek @x_seek0

@ohtamath 光子Bが偏光板Bに到達する前に、検出器Aで一個の光子を観測した場合、世界は次のように分岐しています。 ・左スリットを通過した世界 ・右スリットを通過した世界 (8/11)

2022-04-23 21:53:17
x_seek @x_seek0

@ohtamath 検出器Aで検出後、偏光板Bを縦方向にすると、次の分岐世界が合流せず干渉縞は生じません。 ・検出器Bで検出あり(左スリットを通過) ・検出器Bで検出なし(右スリットを通過) それは通過スリットの記録が残り、分岐世界に相違点があって合流できないからです。 (9/11)

2022-04-23 21:53:37
x_seek @x_seek0

@ohtamath しかし検出器Aで検出後、偏光板Bを45度に向けると、次の分岐世界は合流し干渉します。 ・検出器Bで検出あり(左スリットを通過) ・検出器Bで検出あり(右スリットを通過) それはどちらのスリットを通過したかという記録が消え、分岐世界が合流可能となったからです。 (10/11)

2022-04-23 21:54:09
x_seek @x_seek0

@ohtamath 量子消しゴム実験を多世界解釈で説明した今回の内容をまとめると下記になります。 ・記録を残すと、分岐世界は合流せず干渉しない ・記録を消すと、分岐世界は合流し干渉する 参考となれば幸いです。 (11/11)

2022-04-23 21:55:27
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「多世界解釈による量子消しゴム実験の説明 」をまとめました。togetter.com/li/1879231 pic.twitter.com/cb4GAwmfQx

2022-04-29 00:56:21
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