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クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド #1

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
書籍 文学 ニンジャスレイヤー
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NJSLYR / ニンジャスレイヤー @NJSLYR
クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド
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邪悪なる古代ニンジャヘレニズム様式のレリーフ彫刻と没薬の煙、奴隷ゲイシャが一心に爪弾くオコトの音が、ザイバツ・シャドーギルドの心臓部たるこの広間に、退廃的で謎めいたアトモスフィアを形作る。巨大なニンジャファラオ像に挟まれた玉座はこの日も紫のヴェールで覆い隠されていた。
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小柄で陰気なニンジャが彼を伴い入場すると、玉座の側で傅いていた数人のニンジャ達は互いに目配せを交わし、無言で警戒めいた剣呑な気配を漂わせた。玉座に座るロードの顔はノレンに遮られ、読み取る事は出来ぬ。
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小柄で陰気なニンジャ、すなわち大参謀パラゴンが促すまでも無く、彼はまず玉座に、そして高く掲げられた「ニューワールドオダー」のショドーに、そして他のニンジャ達に、丁寧なオジギをした。そして優雅ですらある仕草で片膝をつき、両手を額の前で組み、頭を垂れた。「ドーモ。ダークニンジャです」
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「フォー、フォー、フォー」ノレンの向こうで気だるげな笑い声が発せられた。「早い帰還、大儀であった」「ありがたきしあわせにございます」「……見せよ」ダークニンジャは頷き、腰に吊るしたカーボンフロシキを目の前に置いた。大きさはちょうど人間の頭くらい……そう、中身は実際生首であった。
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柱のそばで直立するグランドマスター・ニンジャ……イグゾーションは、フロシキの中から現れたニンジャの生首を見て、やや目を細めた。それはかつて彼が指導したニンジャ、パラベラムの成れの果てであった。
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「さすがだダークニンジャ=サン」ロード・オブ・ザイバツは賞賛した。「ギルドの秩序を乱す害虫の駆除の手際、実際鮮やかであった」「私からも礼を言わせて頂こう、ダークニンジャ=サン」イグゾーションが軽くオジギした。「そ奴はかつて私のアプレンティスの一人だった。教えに泥を塗ったクズだ」
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「……見事なワザマエだ」パラゴンはイグゾーションを一瞥した後、ダークニンジャに言った。「コフーン遺跡の件についても、オヌシの陣頭指揮を認めよう」「ありがたきしあわせ」「我らは本件の進捗を重大な関心で見守っておる……ギルドがオヌシに置いた信頼を、みすみす損なう事の無いようにな」
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「ソウカイヤの汚泥にまみれた私が今この場でこうしておられるのも、ロードの恩寵と皆様のご寛大なお心あっての事です。少しでも応えられるよう、未熟ながら一生懸命励みます」ダークニンジャは言った。「なんと……」「己の成功を鼻にかけもせぬ」「奥ゆかしい……!」ニンジャ達がざわめいた。
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「フォー、フォー、フォー。謙遜はよい」ロードが制した。「オヌシの持ち来った情報は兼ねてより我らが欲しておったもの。アラクニッドの占いを裏付けた形だ。真の三神器の力あらば、ギルドそしてキョートの繁栄は、いずれ、かつてのショーグン・オーヴァーロードの治世にも並ぶものとなろう」
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「このミッションには無慈悲さが求められる」パラゴンは陰気に言った。「だがオヌシのことだ。なんの問題も無かろうな」ダークニンジャは頷いた。「なんの問題もありませぬ」「よいぞ」パラゴンは言った。「劣等な人間どもの命など、村一つ、町一つ滅ぼそうが何の問題も無し」「おおせのままに」
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「期待しておるぞ……フォー、フォー、フォー」両脇から巨大フスマが玉座を遮るようにスライドし始めた。謁見の時間は終わりだ。パラゴンは儀式めいて両手をバンザイし、叫んだ。「ガンバルゾー!」他のニンジャ達も同様の仕草で唱和する。「ガンバルゾー!」ナムアミダブツ!なんたる禍々しい光景か!
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秘密の呪文めいて唱えられるザイバツ・シャドーギルドの文言「ガンバルゾー」が繰り返し暗黒の広間を震わせ、奴隷ゲイシャは恐怖の涙を溜めつつ不気味なオコト旋律を繰り返す。おお……キョートの暗黒は深くそして濃い……!「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」
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キュッキ、キュッキ、キュッキ。渡り廊下の床板が鳴る。エンシェント・キョート建築として秘伝される特殊な床板の張り方によって、キョート城の渡り廊下を人が通過する際、床板が小動物めいた音を立てるのだ。ダークニンジャは無表情である。足早に渡り廊下を進んでゆく。手摺の向こうには満月。
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キュッキ、キュッキ、キュキュキキ、キュキュキキ。床板の鳴き声が不自然に重複した。ダークニンジャは前方の闇を睨む。床を踏み鳴らし現れたのは一人のニンジャであった。薄茶色のニンジャ装束を着込み、額には「身勝手」と赤く書かれたハチマキが巻かれている。この赤は血だ!不穏!
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「ドーモ、ダークニンジャ=サン……デザートバットです」オジギするデザートバットは憎悪に染まった目をダークニンジャに向けた。「貴様には死んでもらう」「ドーモ、デザートバット=サン。ダークニンジャです」ダークニンジャはオジギを返した。「確かパラベラム=サンの相棒だな」「そうだ」
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デザートバットはハチマキの「身勝手」を指差した。「これは個人的な怨恨に基づく独走だ。おれはイグゾーション=サンの部下だがイグゾーション=サンには一切咎は無い。とにかく殺す!ダークニンジャ=サン、殺す!そして俺はセプクする!」ダークニンジャは構えた。「穏やかで無いな」
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「当たり前だ!」デザートバットは叫んだ。「パラベラム=サンには事情があったはずなのだ。それを貴様は……」ワナワナと拳を震わせる。ダークニンジャは無感情に言った。「くだらん感傷と憶測に俺を突き合わせるな」「ウオオーッ!殺す!」デザートバットは両手を広げダークニンジャに「イヤーッ!」
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「アバッ?」「……」ダークニンジャはデザートバットの後ろに着地した。その手にはカタナが握られている。「アバーッ!」デザートバットの胴体が斜めに裂け、血を噴き上げてよろめく!「雑な太刀筋だ。やはりベッピンで無くば」ダークニンジャはカタナを不満げに見下ろし、呟いた。
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「アーッ!アーッ!」デザートバットは血を噴き上げながら欄干にもたれかかる、そして、「サヨナラ!」無残に爆発四散した。ナムアミダブツ!「……」ダークニンジャは懐に手を当てる。そこには折れたる刃がしまわれている。妖刀ベッピンの刃が。「……だが、じきだ。もうすぐだ」彼は満月を睨んだ。
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(第二部「キョート殺伐都市」より:「クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド」#1 終わり。#2へ続く

コメント

オスツ🍣 @alohakun 2011年9月16日
クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド #2 http://togetter.com/li/188664
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