1。住んでいる村が新種のウィルスによって占領された。このウィルスが発症すると、8割の確率で死亡、2割の確率でウィルスに意識を乗っ取られる。正確には人間とウィルスの性能がハイブリッドした新人類となる、これがめっちゃ強い。
2016-04-20 08:31:41知力、筋力が大幅アップなうえいくら戦ってもほとんど息が上がらず傷ついても短時間に血が止まり不死身に近い。感染力も強くて空気感染可能。潜伏期間は、ウィルスが現れた当初は感染即発症だったが今はまちまちで即発症~数日後発症と幅がある。
2016-04-20 08:38:09「この女、全然発症しないんすよ」私は鎖に繋がれていた。「とっくに感染してるはずなんすけどねぇ」「人間には抗体というものがある。体内でウィルスの情報を分析し、対抗する武器を生み出してしまったのか・・」
2016-04-20 08:46:15「ええ~、やばいじゃないっすかそれぇ~!殺すしかね~じゃん!」「まあ待て。これ以上人間を殺したくない。すでに人間の数が減りすぎた。感染失敗や我々に抵抗したため仕方なく処分したりで人間は数千人いたのに我々の数は20人足らずだ。これでは種として生存できない」
2016-04-20 08:53:14「でも、まだ隠れて生き延びてるやつらがいるはずっす!」「ああ。無論その者らも絶対に確保する・・」まだ隠れてる人がいるのか!逃げればその人たちと合流できるかな?逃げたい・・絶対発症したくない!と私は思った
2016-04-20 08:57:50「ウィルスも日々進化している。型の変化したウィルスならばこの女を再感染させることもできるだろう」ひー!いやだ!「あっサイトウさん!いいこと思いついたっす!」新人類たちは人間だった頃の名前で呼び合ってるようだ
2016-04-20 09:00:59「あの山の向こうに行けば、別な街があるっす!もっと人間がいっぱい!ガッポガッポっす!」「そんなこととうにわかってる」「えー」「・・自分が発症した時のことを覚えてるか?」
2016-04-20 09:04:52「えーっと・・たくさんの人間に捕まって、変な薬を飲まされたり、切られたり、マシンガンを乱射されたり・・もうあんな目には遭いたくないっす~!」「そう。我々が今隣町に行けばまたそうなる可能性が高い」
2016-04-20 09:08:49「我々としては精一杯人間らしく振る舞っているつもりなのだが、人間から見ると一目で違いがわかるらしい。人間の無駄な遊びの多い筋肉の動きを模倣するのは難しくてな・・」
2016-04-20 09:12:27と、いうような感じ。新人類はそうとう燃費がいいらしく1日1回わずかな肉料理を食べるだけ。睡眠は1回30分程度で昼夜なく必要な時に眠る。幹部が常に見張っていたら無理だっただろうが、私は戦闘力の低そうな下っ端が見張りの時を見計らい、逃げることに成功した。
2016-04-20 09:20:41隠れている他の人間ともすぐに合流できた。地下にいた。10人ぐらいだろうか。老若男女。隣町に逃げるべき派とここで助けを待つべき派に別れて対立しているところだった。
2016-04-20 09:24:59老賢者風のおじいさんは「なるようになる」といい私も「そうですね!」と言った。老賢者の孫である茶髪三つ編み女子高生はここでの暮らしがすっかり板についたらしく、楽しそうにみんなのごはんを作ったりしていた。ちなめっちゃかわいいし巨乳。
2016-04-20 09:30:22ところが第3の派閥「新人類どもぶっとばす派」が無断で地上に出やがったため、アジトがばれ逆に攻め込まれてしまう。逃げ延びたのは、私と巨乳女子高生の2人だけ。「隣町に逃げよう」「うん」
2016-04-20 09:34:36狭い地下道をはいつくばりながら進む。「大丈夫ですか?」「あと半分です」女子高生は私に優しい言葉をかけてくれる。この子を守りたいと思った。私の心を急に不安が襲う。
2016-04-20 09:37:12このまま隣町に行っていいのか?私の体には本当に抗体があるのか?感染から何十日も経ってるのに発症しないなんてあり得るのか?隣町の人たちはどう思う?私が隣町に行ったらどうなる?この子はどうなる?
2016-04-20 09:42:17「忘れ物しちゃった、先に行ってて」「でもさまんささん」「いいけん」私は街に戻り、スコップを見つけて地面に穴を掘った。新人類を殺すのに唯一有効な手段は生き埋めであるとすでにわかっている。
2016-04-20 09:47:04結論からいうと私の体に抗体はないのだ。ただウィルスが自らの意志で発症を押さえているだけだ。この街での侵略が手詰まりな以上隣町に行くしかない。怪しまれずに行動するには旧人類の意識を保持する必要があったのだ。
2016-04-20 09:53:11とはいえ、人間と融合していないウィルスにそこまでの知性はないと思うので、たまたまか単なる直感だろう。私は彼に反抗したことがウィルスにばれる前に自分を生き埋めにしなければ。
2016-04-20 09:55:36穴掘りに疲れた私を、ふと誰かが手伝ってくれた。見たことがある人だ。ああ、私の家に入り浸っていた幹部の一人だ。大柄でひげもじゃ。寡黙な人。「死にたいんだろう?」「わかるよ・・手伝ってあげる。」新人類にも優しい人がいるんだなあ・・そんなことを思っていた。
2016-04-20 09:59:29