日本型アイドルとそのアマチュアリズムの源流

日本型アイドルについての呟きをまとめました。 (セルフまとめです)
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UWの落日 @uw_susu

久しぶりにCDショップを覗いた(もうCDの時代じゃないかもしれないが)ら、棚の一列が全部K-POPで、女の子が2人、しゃがんで熱心に見ていた。 AKBは坂道と一緒になって、コーナーの隅に小さくあった。 以前に来た時は、店内が坂道祭りだったけれど、時の移ろいは残酷だなぁ。

2022-05-13 17:31:26
UWの落日 @uw_susu

最近のAKBが「人気が落ちて来て、実力主義に転換した頃のモーニング娘に似ている」という意見を聞くけれど、そうなの?モーニング娘をよく知らないから、それは私には分からない。 本田仁美さんの重用を見ても、K-POPの影響じゃないかと思うけれど。

2022-05-14 12:21:30
UWの落日 @uw_susu

日本のアイドルがK-POPアイドルに比べて歌もダンスも未熟で…というのはその通りだが、それを日本のアイドルが発展途上だから、と捉えるのは少し違う。 日本型アイドルは(良し悪しは別にして)「未熟なアイドルに思い入れて、成長過程を応援することで熱量を高める」という明確なコンセプトがあった。

2022-05-14 22:45:25
UWの落日 @uw_susu

私は、日本型アイドルの出発点は桜田淳子、山口百恵、森昌子の「中三トリオ」と、同時期の西城秀樹、郷ひろみ、野口五郎の「新御三家」だと思っているが、彼らは歌は上手かったのだ。日本型アイドルは「普通に上手い歌手」から、「歌も踊りも未熟なグループアイドル」へと「進化」して来た歴史がある。

2022-05-14 22:46:23
UWの落日 @uw_susu

K-POPアイドルは、日本型アイドルの「外見」を取り入れて「これをハイレベルの歌とダンスにすれば、世界に売れるのでは?」と考えて、成功したのだ。 「未熟さに思い入れることが応援のグルーブを高める」という日本型アイドルのコンセプトそのものは、まだ世界で本当にジャッジされたことはない。

2022-05-14 22:48:05
UWの落日 @uw_susu

日本型アイドルのコンセプトはリアリティ・ショウやYouTuberのような「熟練より身近な親しみやすさ」への世界的な人気を、先取りしていたところがある。 だからこそ、今では「時代に追いつかれ、追い越されてしまった」のかもしれない。 twitter.com/uw_susu/status…

2022-05-14 23:13:54
UWの落日 @uw_susu

「アイドルは未熟な方が大衆に愛される」というコンセプトを、最初に明確に打ち出したのは、ジャニーズの創始者であるジャニー喜多川氏なんですよね。だから、ダンスのレッスンはさせても歌のレッスンはさせなかった。 米国出身なのに、そうしたコンセプトを思いついた理由を、誰か聞いて欲しかった。

2022-05-14 23:51:30
UWの落日 @uw_susu

黒柳徹子は声楽科卒であることにプライドがあり、その反動で他人の歌唱をなかなか褒めない、という癖があった。かなり上手い歌手でも「上手いですね」とは言わない。 その黒柳徹子が、西城秀樹の歌唱力を「ザ・ベストテンに出場した中で、最も上手い歌手」と絶賛していた。 youtu.be/cBIHrG3InKM

2022-05-15 06:38:03
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UWの落日 @uw_susu

中三トリオと新御三家は、事務所も違うしグループではないが、自然と3人の中で「キャラ割り」が出来ていて、それが人気を盛り上げたことも、日本型アイドルの出発点と考える理由。 桜田淳子(王道)、森昌子(実力派)、山口百恵(異端)。 西城秀樹(王道)、野口五郎(実力派)、郷ひろみ(異端)。

2022-05-15 07:11:35
UWの落日 @uw_susu

中三トリオも新御三家も、最初は王道(桜田淳子、西城秀樹)が先頭になるが、やがて異端(山口百恵、郷ひろみ)が頭角を表して、最後は異端がトップとなる(実力派は、人気ではちょっと別枠)、というストーリーを見せた。これこそ日本型グループアイドルが見せるドラマの典型だ。AKBにもあったよね。

2022-05-15 07:19:19
UWの落日 @uw_susu

西城秀樹は男の子にも人気があったが、郷ひろみは、可愛いルックス、フリフリの衣装、ハイトーンボイスで、女の子には大人気だが、男からはキワモノ扱いだった。 しかし、80年代に西城秀樹や野口五郎が大人の歌手になり切れずに苦悩する中で、独自の世界を築き、3人の中で最も長くスターであり続けた。

2022-05-15 08:00:52
UWの落日 @uw_susu

中三トリオの中で、最初に評価されレコードが売れたのは森昌子だけれど(森昌子の『せんせい』は大人でも知っていた)男の子に人気なのは圧倒的に桜田淳子だった。私の周りの男子も全部、桜田淳子ファンだった。(私より年長の作家、松井計氏も、そう証言している) 百恵ファンの私は変わり者だった。 twitter.com/matsuikei/stat…

2022-05-15 08:33:26
UWの落日 @uw_susu

女性アイドルに、男の子が歓声を上げたりコールしたりするのは、今では普通の光景だけれど、この現象が初めて現れたのが桜田淳子だった(その後、キャンディーズの登場で急速に広がる)。 当時、新聞記事に取り上げられて「この世の終わりだ」とか書かれたんですよね。😅

2022-05-15 08:39:54
UWの落日 @uw_susu

山口百恵は、中三トリオの中で明らかに3番手だった。アイドルとしては、どこか暗い色気と重さがあり、それを売り物にされて「青い性」的な歌を歌っているのがキワモノっぽかった。 山口百恵ファンだと言うとハッキリ「変わってるね」と言われた。 それが『ひと夏の経験』のブレイクで一気に逆転する。

2022-05-15 08:59:23
UWの落日 @uw_susu

ピンクレディーが忙しくて「夜のヒットスタジオ」のリハーサルに間に合わなかったので、桜田淳子と山口百恵が飛び入りで『渚のシンドバッド』を演じて見せた時の映像。ハモり始めたとたんに終わってしまうのが、もったいない。 youtu.be/eJtzAulsI-E

2022-05-15 11:14:35
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UWの落日 @uw_susu

『ひと夏の経験』でブレイクした山口百恵に対しても、まだ「邪道」という声があったが、山口百恵は「王道アイドル」に戻るのではなく、自らの希望で、阿木燿子(作詞)宇崎竜童(作曲)のコンビに曲を依頼した。そして『横須賀ストーリー』でアイドルの枠を超え始める。この時、山口百恵は17歳だった。 pic.twitter.com/drwo8KwzgN

2022-05-15 12:50:47
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UWの落日 @uw_susu

『横須賀ストーリー』以降に山口百恵が提示した、気が強く自立した女性像は、演歌全盛の当時には極めて新しかった。若手アーティストのニューミュージックにも、そうした女性像は見られなかった。 この頃から山口百恵は、文化人などに「論じられる」対象になり始める。 youtu.be/2e8NIF0o5cg

2022-05-15 13:15:02
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UWの落日 @uw_susu

その後の日本型アイドルの光と影の全てを、山口百恵は7年間の活動で見せていた。 ①少女によるエロティシズム ②異端のアイドルとして登場し、正統派スターとなる ③アイドルからアーティストへの脱皮 ④アイドルと人生(恋愛)の葛藤と卒業 日本型アイドルは、まだ山口百恵の掌にいるのかもしれない。

2022-05-15 13:34:15
UWの落日 @uw_susu

山口百恵は、デビュー当時はあまり歌が上手くなくて、その後、どんどん上達して行った人なので、「成長過程をファンがともに応援する」という、その後の日本型アイドルのコンセプトを先取りしていたとも言える。 もっとも、その後の日本型アイドルの多くは、山口百恵ほど上達しなかったけれど。

2022-05-16 12:06:50
UWの落日 @uw_susu

森昌子、桜田淳子、山口百恵の中三トリオは『スター誕生』出身だった。スター誕生』は日本最初の公開オーディション番組。中三トリオを始め、岩崎宏美、ピンクレディー、小泉今日子、中森明菜などを輩出し、70年代から80年代のアイドルブームを支えた。 この番組の成功の裏にはある権力闘争があった。

2022-05-15 16:41:28
UWの落日 @uw_susu

当時の芸能界では渡辺プロの勢力が圧倒的で「ナベプロのタレントがいなければ、歌番組やバラエティは作れない」と言われていた。しかし、日本テレビの井原高忠というプロデューサーが、ナベプロの横暴な要求に怒って決裂してしまう。 日テレはナベプロの歌手やタレントが使えなくなってしまったのだ。

2022-05-15 16:48:11
UWの落日 @uw_susu

当時のナベプロの凄さは、例えば『新春、スターかくし芸大会』を思い出せば分かる。オールスターが隠し芸を見せるこの番組をお正月に観るのが、かつての日本の風物詩だったけれど、この番組、実は「ナベプロの内輪番組」なのだ。 ナベプロのタレントが揃うと、オールスターに見えてしまったのである。 twitter.com/uw_susu/status…

2022-05-15 17:34:36
UWの落日 @uw_susu

『スター誕生』は、ナベプロと喧嘩して「スターが使えなくなってしまった」日テレが、「それならスターを作ってしまえ!」と始めた起死回生のオーディション番組だったのだ。 渡辺プロは『スター誕生』に参加していなかったので、この番組から生まれたアイドルは、一人もナベプロには行かなかった。

2022-05-15 16:52:40
UWの落日 @uw_susu

『スター誕生』がなぜ成功したかというと目的の違いではないか。多くのオーディション番組は、番組の盛り上げが目的なので、優勝の決まる瞬間がゴールになってしまう。 しかし、『スター誕生』は「本当にスターを生まなければならない」という日テレの事情があったから、番組はスタートだったのだ。

2022-05-16 13:57:33
UWの落日 @uw_susu

『金曜10時!噂のチャンネル』も日テレ対ナベプロの抗争から生まれた。「ナベプロのタレントが使えないなら素人がやればイイ!」と、新人歌手の和田アキ子に「ゴッド姉ちゃん」というキャラを与え、新人アナウンサー(徳光和夫)とプロレスラー(デストロイヤー)が絡んだりする、型破りの番組だった。

2022-05-15 17:09:35