【散光行路】福間健二 #k2fact331

5月20日から29日まで。季村敏夫さんの編集した『一九二〇年代のモダニズム詩集』は、楽しめるという以上に役立てることができる本。そこにあった近藤正治という詩人の「散光」という作品から、10で明かしたように、タイトルを考えた。内容は、モダニズムをむしろ反面教師的に受けとめて、いろんな側面をもつこの世界の姿が見えてくるように、均質的じゃない条件の要素を組み合わせることに執着した。 音楽は、6で出したレッド・ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」を、Danielle Nicole Band で。これを聴いた後では、本家ツェッペリンも迫力不足。 https://www.youtube.com/watch?v=OYzbfn2o6B4
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福間健二 @acasaazul

きのう、気温二十五度の灰色。でも、明るい灰色。歌う島がまだあって、ホイットマン的歩行、たぶんいろんな職業の人々とすれちがった。無職の人、いつもなにかに腹を立てている人もいただろう。つかのまの、密度。花は枯れていたけど、ハンカチの木ってあるんだね。(散光行路1)#k2fact330

2022-05-20 12:24:36
福間健二 @acasaazul

あっさりした味の七面鳥を食べて貧弱な目的を思い出すこともあって。それがどうした、があふれるこの地上で、一瞬、きらめく。熱ある体、紙屑、涙の目など。しかし、火事はどこだろう。鳴き声はどこからだろう。回帰線の上、方向感覚が少年になって這いあがってくる。(散光行路2)#k2fact330

2022-05-21 09:55:39
福間健二 @acasaazul

名乗ってほしい。コータローでもサクタローでも自分の闇から歩く。不死、ある意味での障害となって。市民農園の先、とりあえずカラスを配置した楕円はさらに押しつぶされ、周囲の白さ、重力から自由ってことはなく、よろしい。このしみじみとした楽しさ、ツイートするよ。(散光行路3)#k2fact330

2022-05-22 11:14:37
福間健二 @acasaazul

船が見えなくなると舞踏病も去っている。そよ風と、はにかみの小鳥の、のぼり坂。新しい体の使い方のヒント、もうちょっとでつかめそうだが、電話が鳴る。久しぶりの人。用事の電話で、会いたい、じゃないのだ。動かない表面の下に見送った曲線が戻っている。荒れるために。(散光行路4)#k2fact330

2022-05-23 11:04:49
福間健二 @acasaazul

そんなの、昔のお父さんだけでいい。耐える歯車、自問自答、直流する庭への情熱。古典を読むなら、銀色の体温はあきらめることだ。大きな木が倒れて負傷した十二人もそれぞれ荒れるために帰る家があってこその、愉快な乞食時代のページ。余白に卵をたくさん描きましたよ。(散光行路5)#k2fact331

2022-05-24 07:57:44
福間健二 @acasaazul

耳は燃える。目は光る。地下から地上へ。いま何時だと思いながら、人間よこんにちは。どうやら負傷もこたえない強烈な卵と犬たち。暗くなったり明るくなったり、動詞の帰り道が消える会話。ほんとうに何時だろう。理解できない葉をはらわない。胸いっぱいの愛を。鳴らすよ。(散光行路6)#k2fact331

2022-05-25 10:32:13
福間健二 @acasaazul

野菜、必要か。必要にきまっている。なぜフライパンをもっているのか。叩くために。あるいは、廃棄のために、もある。言いにくいけど、誤用された詩人が裏口の訪問者になる半世紀だったのだ。冷却装置への傾斜を拒み、植えかえわすれたアマリリスのかわりに七つの塔の調べだ。(散光行路7)#k2fact331

2022-05-26 10:14:53
福間健二 @acasaazul

子どものはずなのにもう船長で遺書も用意している。だれかの病気を心配してオレンジの枝を絵に入れた。解釈のひとつだ。どの動詞も性的な意味があると教えられた。とんち教室の時代の食事係は偶然からだが、こうしよう。七つの塔が見える窓からわかる役割分担は色彩に負ける。(散光行路8)#k2fact331

2022-05-27 08:56:38
福間健二 @acasaazul

よい人間であること。赤い布をたらした壁の前で。ちょっと暗いかなあ。外はジャガイモ畑と使われていない線路。血の跡って赤くない。詩の友は性別や権力との距離に関係なくみんな妹を探している。母語であきらめる夜の体勢が早い。要注意、星は日本の上にあるわけではない。(散光行路9)#k2fact331

2022-05-28 11:08:33
福間健二 @acasaazul

生きるための水。ベース弾く少女もウイスキー党のぼくも間に合わないからこその島。黄色いドレスは到着している。蔓性、植物の特権にしたくないし、円錐に近づく生活に目的はない。タイトルと明るさの参考にした「散光」の作者は、近藤正治。まさじ、と読む。生没年不詳。(散光行路10)#k2fact331

2022-05-29 10:15:38