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【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】いままでみたいにストーリーやテーマに注目するのでなく、「アニメ固有の表現」を確認してみましょう。 第2回目は「奥行き」についてです。 #アニメてにをは pic.twitter.com/2ddjZ1CLSf
2022-06-02 18:54:24【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【1ー1】当たり前すぎて忘れがちですが、アニメは「ひらべったく」出来ています。セル画、背景画はひらべったい絵にすぎません。 だからそんなひらべったいアニメが「奥行き」を持っているように見えること自体驚きなのです。 #アニメてにをは pic.twitter.com/hJ9JVMPtrf
2022-06-02 18:57:28【1-2】こんな風にひらべった素材で出来ているんですね。セル画なり作画用紙なり。ちなみにこの素材はまんだらけで買いました。 #アニメてにをは pic.twitter.com/79jtyDVQLO
2022-06-02 18:58:07【1-3】さっきから見せているこれ、トトロのオープニングですが、「ひらべったい」感じじゃないですか? また後日詳しく説明すると思いますが、宮崎さんはこうやって自分の作品をときどき「ひらべったく」する癖があります。 #アニメてにをは pic.twitter.com/qO0YjnzlwY
2022-06-02 18:59:05【1-4】アニメの画面に奥行きが見える?当たり前じゃないか。背景画が遠近法にもとづいて描かれてるんだから。そんな風に思ってますか?いや、それだと書き割りに遠近法があるだけで、アニメの「画面そのもの」に「立体的な空間性」は生まれていないんです。 #アニメてにをは pic.twitter.com/XgEEVoNQo4
2022-06-02 19:00:47【2-1】さて謎かけ。これは『となりのトトロ』の画面ですが、これが「書き割りに過ぎない遠近法」ではない点がわかるでしょうか?答えというか話の続きは、夕飯が終わったころに再開しましょう。 pic.twitter.com/5gc98270FK
2022-06-02 19:01:34【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【2-2】さて続き。 さきほど画像であげた「トトロ」のカットの、その冒頭と末尾を対照して見てみましょう。 まず冒頭。バスが遠くから進んで来ますね。一方、引っ越し家財を積んだトラックは手前から現れています。 #アニメてにをは pic.twitter.com/ck3Ium5lVy
2022-06-02 19:36:11【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【2-3】でカット尻。 トラックは道の向こう。バスは手前に。 2つの車の「運動する軌跡」に共通点があるの、気づきました? 一方は「手前から奥へ」、もう一方は逆に「奥から手前」へ。それぞれ「斜め方向に」進んでいます。 #アニメてにをは
2022-06-02 19:39:00【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【2-4】この画面も、微妙に「斜め奥」の方向に進行しているの、わかりますか? 宮崎さんは背景画の「書き割り的遠近法」では飽き足らず、この「斜め奥の運動」を提示することで「空間のなかに運動」を入れ込んだのです。 #アニメてにをは pic.twitter.com/QCnzbwWwLu
2022-06-02 19:41:59【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【2-5】言葉足らずだった。「空間の中に斜め奥の運動を入れ込む」ことで「空間が(書き割り背景でなく)立体化」しているのです。 この自転車のおじさんが遠くに走っている道が「斜め奥」に設定されているでしょ。 #アニメてにをは pic.twitter.com/BZNc2ynWBw
2022-06-02 19:45:25【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【3-1】これもどうでしょ。道の「斜め奥」から現れて…… #アニメてにをは pic.twitter.com/xLhYQ5lhwh
2022-06-02 19:47:49【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【3-2】こうして「斜め手前」へ進んでいます。『トトロ』しか例を出してませんが、多くないですか? 宮崎さんは空間に立体性を与える工夫のひとつに、「斜め奥と斜め手前」を軌道する運動を描くことを「発見」したのです。 #アニメてにをは pic.twitter.com/ymDC4qkTid
2022-06-02 19:50:07【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【4-1】『もののけ姫』冒頭。畑道をアシタカがヤックルに乗ったり、徒歩で「斜め奥から~斜め手前へ」進んでいますね。『トトロ』に比べ、空間の広さ・のびやかさが現れているのが違いと言えば違い。応用が効くんですね。 #アニメてにをは pic.twitter.com/eJDo3n0Lyx
2022-06-02 19:55:28【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【4-2】あ、あと丁度いいから前回の「作用/反作用」のおさらい。 この橋桁に昇るヤックルの重みで、橋桁がたわんでいるのも「重みの作用」と「たわむ反作用」とが起きている表現ですね。 #アニメてにをは pic.twitter.com/3tNCQhrNur
2022-06-02 19:58:52【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【4-3】ヤックルの角につかまって乗馬しようとするアシタカが進む道は「斜め奥から~斜め手前へ」と設定されています。そしてこの「道の両側」に草が生えていることで道の存在感が強調されていることも後で再確認します。 #アニメてにをは pic.twitter.com/z5oO6Pqqhe
2022-06-02 20:02:07【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【4-4】で、「道の両側」に石の土手が築かれていて、より「斜め奥」へ続く道の軌道が強調されています。 そして「奥から手前」と「手前から奥」への二方向の運動が同時に起こっています。運動によって空間が立体化する。 #アニメてにをは pic.twitter.com/6wVnjdVbHX
2022-06-02 20:05:36【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【4-5】アシタカと三姉妹が「奥~手前」同士でぶつかって会話し、それぞれ別れる。アングルは逆構図になり、「手前~奥」の2つの運動軌跡をさっきと逆向きに見せる周到さ。 空間が立ち上がって来てワクワクしませんか? #アニメてにをは pic.twitter.com/2fjf5HHjGR
2022-06-02 20:09:50【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【5-1】『紅の豚』の冒頭。賞金稼ぎの通報があって隠れ小島から出発するポルコ。「斜め奥」へと進んでますね。プロペラの強い風の「作用」に、傘があらがい「反作用」も。 #アニメてにをは pic.twitter.com/38VH3tpqU3
2022-06-02 20:13:26【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【5-2】離れ小島から出発。「斜め奥~手前へ」。その「立体的軌道」を際立たせるのは、草でなく石の土手でなく、島の断崖がまたも「道の両側」に。 もうこの仮説を受け入れるしかないでしょ。こんなに証拠物件あるんですから。 #アニメてにをは pic.twitter.com/taB5f1LjER
2022-06-02 20:18:12【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【6-1】『魔女の宅急便』から。 このキキの一連の動きですが、もちろん「斜め奥~斜め手前」へと移動している点は先と同じですが、この「藪の裏」から現れて、手前へ「回り込む」点に注目してください。 #アニメてにをは pic.twitter.com/U3Iard8hLH
2022-06-02 20:40:46【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【6-2】この動きと空間を、こんな風に分類して考えたらどうでしょう。 つまり、ここには3つの空間ポイントがある。 A=藪の背後の空間 B=藪という支点 C=手前の空間 もっと言えばA~Cの「3層」でこの空間は出来ている? #アニメてにをは pic.twitter.com/dBVPG8bLva
2022-06-02 20:44:57【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【6-3】そう考えると、キキはB=藪という支点(あるいは蝶番)を介して、AからCへ違う層の空間を移動したように見えます。 ちょっと戸惑ってるかもしれませんね。 他の例もあげて考えてみましょう。 #アニメてにをは pic.twitter.com/eeY8lVhxdQ
2022-06-02 20:47:11【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【6-4】さっきの続きのシーンです。今度2つの空間をつなぐ支点/蝶番(ちょうつがい)は「柵」です。 いまキキは柵の「奥の空間A」にいます。 #アニメてにをは pic.twitter.com/nWtfrDL5tI
2022-06-02 20:49:44【アニメのてにをは!基礎編その2~奥行きについて】 【6-5】さあ、キキはこれから、奥の空間Aから、手前の空間Bへ、トランスポートするために「柵」という支点/蝶番を「くぐり抜け」ます。 #アニメてにをは pic.twitter.com/DRGe3oqOIh
2022-06-02 20:52:23