デフレ脱却に期待インフレ率に使うことについての最近の学会の動向についての院生さん他達の会話

17
Kohei Kawaguchi=Sunada @mixingale

ところで経済学クラスタの皆様におかれましては日本のデフレ問題って結局どういう認識なんですかね? ぼくが経済学やろうとしたきっかけは実はデフレ問題だったんですが、その後、マクロを専門としなかった&なんかタブー感があって、きちんと考えてこなかった。でもやっぱこれ最重要課題ですよね。

2011-09-18 00:52:52
Kohei Kawaguchi=Sunada @mixingale

(1)デフレやばい、(2)実質利子率下げなきゃ、(3)でも名目利子率は0より下がらない、期待インフレ率上げるしかない、(4)その為には将来のマネーストックが増えると信じさせればよい、(5)その為の手段は色々提唱されているがコミットメントの問題が残る:ここまではコンセンサス?

2011-09-18 00:57:54
Kohei Kawaguchi=Sunada @mixingale

ちなみにこの「経済学をやろうとしたきっかけは日本のデフレ問題だったのだが、その後、現行のマクロ経済学にあまり興味がもてなくてほかの分野に興味が向かっていってしまった」って話を以前某若手経済学者の方ともしたことがあって、けっこう「あるあるネタ」なんじゃないかと思う。

2011-09-18 01:11:13
Akio Ino @inoakio

@mixingale そこまではコンセンサスだと思います。ちなみに去年今年は青木先生が後半のコアマクロをやっているのでマネーの入ったモデルをやるようになりました。必要であれば講義資料を送りますよ。

2011-09-18 01:27:01
Kohei Kawaguchi=Sunada @mixingale

@inoakio 講義資料お願いします。そこまではコンセンサスでいいんだ。そこから先はどの点で意見が割れてるのかわかります?

2011-09-18 01:30:52
Kohei Kawaguchi=Sunada @mixingale

理論上コミットメントが効かない政策は、実際うまくいかない、って点の実証的裏付けはとれてるのかな? 理論上は無理でも実際は案外いけてしまった、なんてことは当然ありうるわけだし。

2011-09-18 01:40:58
Kohei Kawaguchi=Sunada @mixingale

あと「法律で縛ることによってコミットメントさせられないのか」って話に対して「政府は後で法律を変えられるのだから無理」って反論があったりするけど、その論理に乗っ取れば「期待インフレ率を上げる政策」以外にも相当な範囲の政策がうまくいかないってことにならんか?それほんとなの?

2011-09-18 01:55:18
Masataka Eguchi @maseguchi

消費税3%→5%に上げるときも散々消費税上げませんと選挙前は言いながら選挙勝ったら上げましたもんね。RT @mixingale: あと「法律で縛ることによってコミットメントさせられないのか」って話に対して「政府は後で法律を変えられるのだから無理」って反論があったりするけど、

2011-09-18 02:32:50
Akio Ino @inoakio

@mixingale NKモデルで最適金融政策を考えようって話が Eggertsson and Woodford(2003)で一区切りついた感があって、それ以降は特に近年の米国金融危機も相まって金融セクターに対する政策に関心が移動している様な気がします。

2011-09-18 02:07:44
Akio Ino @inoakio

@mixingale よくよく考えればアカデミアの話は2010年に出たHandbook of Monetary Economicsにまとまってるはずですね。もうダウンロードできるかわかりませんが、こちらで草稿版がダウンロードできます。http://t.co/PrZDo50l

2011-09-18 02:24:08
Kohei Kawaguchi=Sunada @mixingale

@inoakio ありがとう。Eggertsson and Woodford (2003)とHandbook of Monetary Economicsチラ見してみる。やっぱ論文を読み進めていくのがいちばんわかりやすいわ。

2011-09-18 09:37:40
Takeki Sunakawa @tkksnk

モデル上は、コミットメント政策で期待インフレ率を操作することでliquidity trapから脱出できる、のは当然だけど(Adam and Billi, Nakov)、問題は、①期待インフレ率が実際に操作できるのか(実務上の問題)

2011-09-18 10:57:16
Takeki Sunakawa @tkksnk

②コミットメント政策が社会厚生において望ましいのか(Dennis 2010)③それと関連して動学的不整合性の問題(中銀がコミットメントから逸脱するインセンティブを持つ、古くはKydland and Prescott, Barro and Gordon)、があると思う

2011-09-18 11:00:20
Takeki Sunakawa @tkksnk

①については、インフレターゲット採用国がマイルドなインフレを目指して上手くいっていた事例はある(たぶん論文もある)ものの、QEでliquidity trapから脱出しようとしたケースは現在進行形のため、これからの研究が待たれる、といった感じかなあ。

2011-09-18 11:03:05
Takeki Sunakawa @tkksnk

まあ、金融政策研究者からすると、②や③の理論的観点からのほうがペーパーにはしやすいのは確か。あとモデルにゼロ金利入れるのってコンピュテーショナルに結構難しい、特に確率的なケース。

2011-09-18 11:05:47
Takeki Sunakawa @tkksnk

Handbook of Monetary Economicsの論文の中では、Schmitt-Grohe and Uribeの論文はコンファレンス等の発表論文でよくciteされているのを見かける。最適なインフレ率は多くのモデルでゼロかマイナス(フリードマンルール)

2011-09-18 11:12:47
Takeki Sunakawa @tkksnk

これは目標インフレ率4%というブランシャール提言とは対照的。ただこの場合も、個人的には「何が最適か」という点は考慮の余地があると思う。普通はRamsey Problemの解になるわけだけど。

2011-09-18 11:14:40