韓国Webtoon概論 ・・・Korean online manga の可能性と弱点

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mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

韓国ウェブトゥーンは1990年代半ばには登場していたのだが、2000年代に入っても「インターネット漫画」「デジトゥーン」「エッセイトゥーン」(初期のウェブトゥーンにエッセイタイプが多かったため)などと呼ばれ、まだその定義や作品の形が定まっていなかった。

2011-09-18 03:26:18
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

(承前)大体2004~5年くらいからだんだん「ウェブトゥーン」というジャンル名に統一されてきた。私自身、日本での初寄稿だった2002年から何年間は、このジャンルについて説明する時殆ど「オンライン漫画」と書いていた。

2011-09-18 03:27:44
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

「ウェブトゥーン」という名称の定着と共に、このジャンルの作品の基本形態も、「フルカラー」(一部あえてモノクロ作品もあり)、「縦長」、「マウスのスクロールに合わせる演出の工夫」など、現在の形がこのジャンルの外形的特徴としてほぼ定まってきた。

2011-09-18 03:30:07
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

ある程度基本形態が定まってきただからこそ、それに合わせた演出技法の開発もそれだけ進んでいるのである。『オクス駅クィシン』『ポンチョン洞クィシン』もその一例だと思えばいいだろう。

2011-09-18 03:30:41
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

つまり、ウェブトゥーン(webtoon)というジャンルは、韓国では1990年代に登場し2000年代に入って開花、2000年代中盤からはジャンルとして成立した上での多様性が進んでいる…と整理出来るか。

2011-09-18 03:31:38
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

つまり、ウェブトゥーン(webtoon)というジャンルは、韓国では1990年代に登場し2000年代に入って開花、2000年代中盤からはジャンルとして成立した上での多様性が進んでいる…と整理出来るか。

2011-09-18 03:31:38
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

ウェブトゥーンにFlashとかでアニメーション効果を入れるだけの技法は、韓国にも勿論1990年代からあったし2000年代初期にはかなり注目を受けた作品も出ていた。だから別にそれそのものが、それほど新しくはない。

2011-09-18 03:33:21
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

だが、ホラン作家の場合は既存のウェブトゥーン演出(韓国ではすでに「既存」という表現がおかしくなくなっている)を研究した上で、その効果を活かせる演出方法を模索してきたと見える。その結果が今回の作品(『ポンチョン(奉天)洞クィシン(鬼神)』)になったのだろう。

2011-09-18 03:34:53
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

『ポンチョン(奉天)洞クィシン』で使われた技法は、言うならば縦長に配置された従来通りのウェブトゥーンのコマを自動的・強制的にスクロールさせアニメーションのように見せた、ただそれだけ。自動的でないだけで、韓国のウェブトゥーン演出としてはすでに2000年代初から存在した技法だ。

2011-09-18 03:39:25
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

ウェブトゥーンの基本的な演出として、「ユーザー(「読者」とも言えるがあえて「ユーザー」と言いたい)のマウススクロールに合わせ、アニメーションみたいにも見える演出」というものがすでに成立していた。その上でのアプローチだったからこそ、大きな反応が出たのだろう。

2011-09-18 03:41:47
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

つまり韓国で「ウェブトゥーン」と言うジャンルがすでに一定の歴史、作品数、作家数、そして人気を得ているという証拠だと思える。(ウェブトゥーンというジャンルの限界もまたすでに色々と指摘されているが、それはまた別の話。)

2011-09-18 03:43:04
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

マウススクロールに合わせたアニメのようなウェブトゥーン演出については、私も2007年東京工芸大学での講演で http://t.co/3sxwIqzf 見せたことがある。その時漫画家の木ノ花さくやさんや聴衆からも興味深いという反応だった。

2011-09-18 03:47:37
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

「縦長スクロール」がすでに韓国ウェブトゥーンの基本要素になっているので、それから得られる演出効果については韓国内で色々と論議されている。例えば、下にスクロールしながら見るウェブトゥーンは、その特徴から映画で言う「tilt」技法が全ての作品に入ってしまうという点。

2011-09-18 03:48:54
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

(tiltは「パン(pan)」の一種。「チルト」「ティルト」と読むようだ。)「出版漫画」では、もしこの技法を使いたいと思っても紙の長さの問題で無理があるし、もし長い紙があっても印刷するには限界があるし制作費の問題もあるから現実的ではないだろう。

2011-09-18 03:50:57
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

だが韓国で今ウェブトゥーンというジャンルは、存在そのものがすでに「tilt」技法になっている。それを漫画としてどう見せるか…という点は、ウェブトゥーンの基本でありながら、まだまだ多くのウェブトゥーン作家が悩んでいる部分でもある。

2011-09-18 03:52:11
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

だが決してウェブトゥーンの未来が希望に満ちている訳ではない。今は韓国の検索・ポータルサイトの大手にとってウェブトゥーンの存在は当たり前のようになっている。だがあくまでポータルサイトの方針によって存在しているだけのウェブトゥーンの立場は、決して強くない。

2011-09-18 03:58:55
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

問題はウェブトゥーンが、ポータルサイトにとって利益を発生させないといけないということだ。会員数を担保したり、広告やページビューを増やしたり。今のところまだ大手のポータルサイトでは、ウェブトゥーンの有用性について疑っている雰囲気ではないが、だと言って強い立場にある訳でもない。

2011-09-18 04:01:30
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

だが韓国で社会的に大きな影響力を持つ大手ポータルサイトのメインページで、存在感がある部分にリンクが貼られているウェブトゥーン作品は、無料だという強さを生かして今のところ韓国でかなりの認知度を持っているのは事実だ。

2011-09-18 04:03:36
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

その長所のため、多くの人がウェブトゥーンを作りたいと思っているしその人たちから新しい技法や演出、色んな試みが試されているのも事実。まぁ私自身はまだ漫画を本の形で見たいと思っているのだが、新しい作品の形を他の国にも紹介したいとも思っている。

2011-09-18 04:05:55
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

『TIGER & BUNNY』『輪るピングドラム』は早く韓国放映しないかな…。アニプラス当たりで。(アニマックスでやってくれる方が私にはありがたいけど。)

2011-09-18 19:09:07
mirugi/宣政佑 @mirugi_jp

それにしても良い時代になったな。『エヴァ』『ウテナ』の時は、日本で知人から録画を送って貰わない限りLD発売を待つしかなかった。しかも『ウテナ』LDはVol.1に1話しか入ってなかったから高いEMSで買うには勿体無くて、2~5話が入ったVol.2が出るまで待って2枚一緒に買った。

2011-09-18 19:10:00