東野圭吾「マスカレード・ホテル」

翔DMWL @shoDMWL

周囲の視線が集まっていることに気づいた。「皆さま、どうもお騒がせして申し訳ございませんでした。何も問題はございませんので、どうぞご歓談をお続けくださいませ」一礼し、その場を離れた。－東野圭吾「マスカレード・ホテル」

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あんな些細なことで、と新田は思ったが、口には出せなかった。どんなことで人が傷つくのか、他人にはわからない。－東野圭吾「マスカレード・ホテル」

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「さっきだって、実に落ち着いていた。大したものだな。俺、思ったよ。プロってこういうものなんだなって。生徒にからかわれたぐらいで教育実習を放り出すような人間は、所詮プロにはなれないんだ」－東野圭吾「マスカレード・ホテル」

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「手嶋の番号は、本多さんのケータイに登録されていました。だから電話をかけようと思えば、単にそれを選んで発信ボタンを押すだけです。仮にその番号が違っていたとしても気づかない」－東野圭吾「マスカレード・ホテル」

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ふと、能勢なら優れたホテルマンになれるのではないか、と思った。自分が目立つことは一切考えず、何をすれば人のためになるか、を冷静に考え、実際に行動に移せる人物だ。－東野圭吾「マスカレード・ホテル」

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本来、結婚式は幸せを象徴する儀式だが、式を上げる本人たちが幸せなだけで、誰もが心の底から祝福しているとは限らない。一生の伴侶として特定の異性を選んだ以上、当然他の人間は選ばれなかったわけだ。その中に、なぜ自分ではないのか、という不満をもつものがいてもおかしくはない。－東野圭吾「マ

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「うん。でもいつもなら、その程度のことで慌てたりしない。式をキャンセルする偽電話がかかってきたり、当日になって弔電が届いたりなんてことは、しょっちゅうだもの。新郎に振られた女性が、喪服姿で現れたことだってあったし」－東野圭吾「マスカレード・ホテル」

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「覚えておけ。庶民というのは、一度ごちそうを出してもらうと、いつでも出してもらえると思い込み、出てこないと文句を言うものだ」－東野圭吾「マスカレード・ホテル」

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新田の、縁の下の力持ちは嫌だが悪を逃がすのはもっと嫌だ、という言葉がよみがえってきたからだ。彼のあの強い思いを無視したくなかった。－東野圭吾「マスカレード・ホテル」

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「昔、先輩からこんなふうに教わりました。ホテルに来る人々は、お客様という仮面をかぶっている、そのことを絶対に忘れてはならない、と」－東野圭吾「マスカレード・ホテル」

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「何かの手がかりから推理を組み立てるってことなら、得意にしている刑事が私のまわりにも何人かいます。だけどあなたは違う。何の材料もなしに、犯人になったつもりで想像力を働かせ、今まで誰も思いつかなかった仮説を立ててしまった」－東野圭吾「マスカレード・ホテル」

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「どうするか?そんなのは決まってるじゃないですか。x4であろうとなかろうと、人の命を狙っている奴がいるなら、それを阻止するのが俺たちの役目です。大切なお客様の命を守るのもね」－東野圭吾「マスカレード・ホテル」

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「初めて訪れたお客様にも心を開いていただけるにはどうしたらいいか、今後の課題にしたいと思います」－東野圭吾「マスカレード・ホテル」

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「些細なことで恨みを抱くことはあっても、恨まれた方はさほど気に留めず、ましてや記録しておくことなどないと冷静に考えていれば、今後のような七面倒くさい計画を立てることもなかったでしょうねえ」－東野圭吾「マスカレード・ホテル」

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マスカレード・ホテル（東野圭吾）読了。新主人公、新田浩介が活躍する記念すべき第一作目。いまだ新主役を捻りだす頭脳にただただ感服するばかり。ストーリー展開もまったく期待を裏切らない素晴らしい出来となっています。 #mybooklist