京都府立植物園で出会った植物たち

京都府立植物園は日本でトップクラスの植物園だが、開園100周年を前に北山エリア開発計画による破壊の危機に直面している。このまとめでは植物園を守る立場からいくつかの植物とその面白さを紹介したい。
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目  次

京都府立植物園を守ろう!
京都府立植物園と私
観覧温室
露地植えパパイヤ
ジンジャー
カシナガ防除
シャクナゲとシャガ
バラ園
四季彩の丘
植物生態園
黄葉と紅葉


京都府立植物園を守ろう!

植物園は園芸植物や希少植物の保存・情報発信を主たる目的とする施設である。同時に、地域の生物多様性ホットゾーン、すなわち、自然的環境や昆虫・小動物・野鳥等およびその生息場所を保全・創造する場としての潜在的価値を有する施設でもある。

京都府立植物園は1924年に開園され、もうすぐ100周年を迎える日本でトップレベルの植物園であり、面積24haの敷地にテーマ別に約12000種類、約12万本の植物が植えられている(京都府HP、Wikipedia)。

京都府は京都府総合計画で定めた「北山『文化と憩い』の交流構想」の実現に向け、「北山エリア整備基本計画」や「京都府立植物園100周年未来構想」を策定しており、府立植物園の現敷地を蚕食して商業施設やイベント用地が増設されようとしている(京都府HP、https://www.pref.kyoto.jp/kyoto_sports/news/documents/02_eriaseibi.pdf)。

今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 ウキペディアによると、「インドネシアのボゴール植物園は面積80ha以上。1942年3月に日本がジャワ島を掌握(侵略)。植物園と標本館ともに、中井猛之進が園長として就任(1943-1945年)。日本軍部の伐採要請を拒否して、園を守った。」そうだ。守れ!植物園 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C…

2022-06-06 14:32:35

このまとめでは、北山エリア開発計画から京都府立植物園を守る立場から、ここ10年間くらいに植物園で出会った植物の一部について画像を交えて紹介する。

なお、京都府立植物園の蝶類の種多様性については https://togetter.com/li/1889091 、野鳥の種多様性については https://togetter.com/li/1894667 をご覧いただきたい。


京都府立植物園と私

今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 初めて京都府立植物園を訪れたのは、高1のとき、1964年のこと。生物部へ入り、休日には同級のYさん、Kさんに誘われて保育社の原色図鑑をザックに入れ、生物の観察に明け暮れた。戦後、1961年に再開園された3年後のこと。1962年に架橋されたばかりの北山橋を通って。

2022-06-07 20:46:56
今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 Kさんは林学科卒業後、富山県に就職、自然保護に取り組み、富山県の生物相を出版、富山県中央植物園の開園(1993年)に尽力し、初代園長となる。Kさんの思いの詰まった園内を妻とともに案内してもらったのも良い思い出。面積は奇しくも京都植物園と同じ24ha。 bgtym.org/outline/

2022-06-07 21:03:25
今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 高校時代、北山橋を渡り、賀茂川左岸を南行して植物園正門から入園。たいてい右周りで東部、北部、中央部と進み、最後は西北部の薬草園で最も長い時間を過ごしていた。Yさんが薬草好きで・・・(以下、略)

2022-06-09 19:31:39
今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 京都府立大学グラウンドの西境に京都植物園の正門へと続く道路があり、両側にケヤキ並木が続く。写真は黄葉のケヤキ並木(2014年11月撮影)。新緑、深緑、落葉の並木も素晴らしい。 pic.twitter.com/sncEsX16Dn

2022-06-20 19:33:28
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今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 植物園の正門を入ると、花壇の向こうに観覧温室、桜林、その遥か北に京都市街から見える京都北山の最高峰、桟敷岳(さんじきだけ;標高896m)が見える(写真は2016年11月撮影)。あの山は、小4の夏、父に連れられて初めて到達した京都北山の三角点。植物園で最も好きな遠景だ。 pic.twitter.com/L4jou8kzf8

2022-06-20 19:35:23
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今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 植物園から東を望むと、比叡山が見える。写真は2013年11月に撮影したものだが、5月頃のバラ園から望む比叡山は、多様な色彩のバラ園が前景となり、カラフルで美しい。 pic.twitter.com/6cRkz0vNJc

2022-06-25 15:40:38
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観 覧 温 室

今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 スマトラ赴任から帰国した1985年夏以降、観覧温室(写真;2014年11月撮影)をよく訪れた。入った正面にラフレシアの花の立体標本?があり、パダンで見たつぼみを思い出す。左の熱帯雨林室に入るとスマトラの森やボゴール植物園と同じ熱帯の匂いがする。 pic.twitter.com/P04kgj1fDu

2022-06-15 20:37:02
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今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 写真は、インドネシア西スマトラ州ブキット・ティンギの森で見たラフレシアのつぼみ。 pic.twitter.com/LrDyCz3zIT

2022-06-15 22:03:05
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今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 観覧温室のホウガンノキ、2014年12月撮影。写真のものは小さいが、投擲競技で使う砲丸ほどの大きさになり、過去に温室で実物を見たことがある。幹生果。南米原産。虫媒花だが、温室では人工授粉で、国内では沖縄以外で花も実も見られるのは京都植物園だけだそう。すごい! pic.twitter.com/jRhqb8bcQC

2022-06-16 18:23:15
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今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 観覧温室のサガリバナ、2014年12月撮影。日本では奄美大島以南に自生。マングローブの後背湿地や川沿いの湿地に生育。夜間に開花し、翌日の午前に散るそうだ。オオコウモリが送粉者とされるが、西表島では4種のガが送粉者だったという報告もある。 pic.twitter.com/ZFHtv1fgVk

2022-06-16 19:24:57
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今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 観覧温室のオヒルギ、2014年11月撮影。日本では奄美大島以南に分布。マングローブの主要樹種の一つ。昔、某電力会社に天然ガス火力発電所の温排水で、マングローブ林を作ろうと提案したことがあるが、温排水は出ないという建前なのでと断られたことがある。 pic.twitter.com/a1s9KZQLRy

2022-06-16 19:46:03
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今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 オヒルギの大木と膝根(気根)、石垣島名蔵アンパル(網張)にて2014年2月撮影。北スマトラの海岸部でもよく見た。北スマトラでは有用材で、村人による伐採のため大木は少ない。根元からまた芽が出るので、持続的に利用しておられた。 pic.twitter.com/urcpkcfNSn

2022-06-16 19:57:10
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今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 観察路を挟んでオヒルギの反対側の食虫植物コーナーには、モウセンゴケ、ハエトリグサ、ウツボカズラなどが植えられている。ウツボカズラは壷状になった捕虫葉の中に水が溜まり、熱帯の原産地では細菌、原生動物、ボウフラなどから構成されるファイトテルマータ群集が形成される。

2022-06-17 17:51:19
今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 観覧温室の有用作物室には、熱帯性の各種が植えられている。幹生果のカカオ(左:2014年12月撮影、右:北スマトラ)やパラミツ、シナモン、コーヒー、パパイヤ、バナナなど。ドリアンは温室栽培が難しいよう。じっくり見ると、ここだけで半時間はかかる。 pic.twitter.com/0KwO30XWTV

2022-06-17 18:21:49
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