不定期Twitter小説「ドーンオブドーン」略して「ドンドン」

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189 「やった」「いや。待て。レーダーに反応が出ている。まだ別のやつがいる」「そんな」「大丈夫だ。勝てるさ」「もうしょうがない。真黒様達はどこかに避難して下さい」「言われなくってもそうするわ」「頑張って〜」「すいません」「では愛窶君。私達の戦いはこれからだ」「あはい」 おしまい。

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188 「よし。では戦闘開始だ」足の蓋が閉まり愛窶達の前に外の景色が映像として映し出される。「指なのに見られるんですね」「細かい事を言うんじゃない」「はい」「では早速。でぇい。ちぇすとー」お父様の声とともに人型兵器が巨大ゾンビを一撃で粉砕する。「おお。凄いじゃないですか」

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187 「同じソケット内に入りなさい」「二つないんですか？　もしくはお父様が降りるとか？」「この体だからね。無理だね」「なんでも良いから早くしなさいよ。早く倒して運転手の傷の手当しないといけないんだから」「あはい」愛窶お父様の入っているソケットの隙間にとても細い指に変身して入った。

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186 「そんな事よりお父様。それは僕が使えるやつですよね？」「おお。その通り。乗ってみるかい？」「はい」「じゃあこっちへ」お父様が言うと人型兵器の足の先部分がパカリと開き指だけになっているお父様が接続されているソケットが出て来た。「君は指に変身して乗り給え」「どこにですか？」

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184 「待たせたな」もう一度聞き覚えのある声が言いその言葉を聞いた愛窶は「お父様？」と声を上げる。「待たせたなじゃないから。誰もあんたの事なんて待ってないから」真黒が絶対零度の冷たさを感じさせる言葉を放つ。「真黒様。それは酷い。折角対巨大ゾンビ殲滅用人型兵器を持って来たのに」

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183 「もうしょうがないな」真黒が運転手の後に続くようにして走り出す。「真黒様？」大型ゾンビが再び諸手を振るう。砂塵が舞い大型ゾンビの巨大な拳がアスファルトを打ち付けたのであろう腹に響くような鈍い衝撃音が鳴る。「間に合ったか」聞き覚えのある声がもうもうと立ち込める砂塵の中からした。

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182 運転手が大型ゾンビの方を見る。「運転手さん。足」血に染まっている片方の足を見て愛窶は言葉を漏らす。「あんたここで何もしないとかあり得ないから」「分かってます。でもどうすれば」「勝てない。大型ゾンビさん凄く強いもん」「皆様早くお逃げを」運転手が大型ゾンビに、向かって行った。

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181 アスファルトの路面が砕け弾けた破片が愛窶達に直撃する。「ちょっと大丈夫？」愛窶達の体を自分の体で覆うようにして庇ってくれた運転手に真黒が声をかけた。「大丈夫ですと言いたいところですが申し訳ない。走る事は厳しそうです。皆様は先に逃げて下さい。ここに残って時間を稼ぎます」

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180 「あんたこそそんな事言って後悔するわよ」真黒が愛窶の方を見る。「後悔するぞ？」愛窶は真黒の方に懇願するような目を向ける。「お前らこそ後悔するなよ」大型ゾンビが諸手を振り上げると愛窶達がいる場所を目掛けてその手を振り下ろす。「これはまずい」運転手が愛窶達全員を抱えて横に飛んだ。

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179 愛窶の視線の先には大型ゾンビがその大きな身の丈を屈めるようにして愛窶達を見下ろしている姿があった。「駄目〜。食べちゃ駄目〜」はつが愛窶達と大型ゾンビとの間に立って大きな声を上げる。「お前。人間の味方をするのか？」大型ゾンビが大きな体に見合う大きな目を睨むように細めた。

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178 「ずっとここにいたぞ。死に急ぐ人間ども」地獄の底から響いて来るような恐ろしい声がどこからともなく聞こえて来たので愛窶は声の主の姿を探した。「これはこれは」運転手が空を見上げ感心したような表情をして言葉を漏らす。「あれですか？」「あれですね」愛窶は運転手の返事を聞いて絶望した。

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177 真黒が周囲を一瞥すると口に両手を当ててメガホンのような形を作る。「この腐れゾンビども。こそこそ隠れてないで出て来なさい」真黒がこれでもかという大声で叫ぶと満足気な顔になって愛窶達皆の顔を見た。「好きで腐ってるんじゃないのにー」はつがとても悲しそうな顔で泣き出した。

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176 運転手が愛窶の傍に来ると愛窶のお腹を撫で撫でする。「真黒様。今のはエロではないかと」「良いの。だってこいつは絶対にそういう気持ちになってたはずだもん」「はつもエロじゃないと思う」「あんたもうるさい。早くゾンビの所に案内しなさいよ」「でも猫ちゃーが」「もう良い。分かった」

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175 「猫ちゃーは本当ににそれで良いの？」はつが愛窶の頭を撫で撫でする。「はううう〜。撫で撫でしゅき〜」愛窶は今は猫ではないのにその場に寝転んでお腹を見せるという猫になっていた時のような反応をしてしまう。「このエロ人間が」真黒が愛窶を睨みつつ吐き捨てるように言った。

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ドンドン 174 そうですよね。それですよね。ああ。これでこそ僕が愛してやまない真黒様。愛窶は途中から無理矢理にそう思うと真黒に向かって頷いた。「何よ？　今更そんなふうにやる気を出したからってかわいいなんて思わないんだからね」真黒が満更でもないというような顔をしつつ顔を横に向けた。

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ドンドン 173 「真黒様。戦うのはちょっと」愛窶は、そうね。癒やし担当の貴方はやっぱり戦わなくって良いわ。という真黒が絶対に言わなそうな言葉を微かに期待してそう言った。「はあ？　何言ってんの？」真黒が蔑むような目を愛窶に向けつつ愛窶の心をこれでもかと踏み潰すような声音で言う。

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ドンドン 172 真黒が言って愛窶に向かって手招きをする。「元に戻りなさい。人の姿に」愛窶は真黒の傍に行き人の姿に戻ると人の姿となった自身の体に目を向けた。「これはこれは」運転手が感心したような顔になる。「猫ちゃー？」はつが呆然としつつ呟くようにそう言った。「これなら戦えるでしょ？」

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ドンドン 171 「こう見えてそこにいる猫ちゃんは強いの。きっと戦ってくれるわ」真黒の言葉を聞いた愛窶はふっと意識か遠退くのを感じたが真黒様の為なら戦える。戦える？　戦えるはずだよね。などと思いつつ小さく頷いた。「猫ちゃーは戦えないよ？　こんなに小さいんだもん」「分かってないわね」

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ドンドン 170 「ボスがいるの。大きいゾンビ。その人が駄目って言うと思う」「ふーん。そうなんだ。じゃあそいつの所に連れて行ってよ」「どうするの？」はつが心配そうな目を真黒に向ける。「倒す」真黒がニヤリと笑う。「凄い大きいんだよ？」「問題ない。早く案内して」真黒が愛窶の方に目を向けた

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ドンドン 169 愛窶はそこ重要なんだ。と思いつつはつの方に目を向ける。「とにかく。食べないから。というかそういう事を知ってるって事はここに詳しいの？」「何回か来た」「だったら誰も来ないような安全な場所に案内しなさいよ」はつが不思議そうな顔をしてから何かを考えているよう顔をした。

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ドンドン 168 「そんなの良い場所でもなんでもないわ。危ないじゃない」「皆をはつと同じにすれば良いんだよ。そうすれば皆助けてくれる」真黒が表情と身振り手振りで酷く呆れているというようなアピールをする。「絶対に嫌。まずいもん」「まずいの？　はつまずかった？」はつが酷く悲しそう顔をした

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ドンドン 167 運転手が真黒のいる方に顔を向ける。「一緒に撫でませんか？」「別に撫でたくないから」「そうおっしゃられているわりにはつまらそうに見えますが」「そんな事ない。そんな事より移動しましょう。また変なのに襲われても困るわ」「はつが良い場所知ってるよ。ゾンビ仲間いっぱい」

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ドンドン 166 はつが愛窶のお尻を運転手の方に向ける。「では。わしゃわしゃ〜」「そういう事？」愛窶は安堵の息を漏らしつつすぐに運転手のテクニックに腰砕けになった。「撫でるのうまいね」「はい。こう見えて猫好きなのです」ちっという露骨な舌打ちの音が真黒のいる方から聞こえて来た。

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ドンドン 165 「運転手さん。笑ってないで早く」「では参戦させて頂きましょうか」運転手が近付いて来て愛窶に向かって手を伸ばす。「一緒に撫でる？」「はい。よろしければ」「じゃあ半分こ？　頭？　お尻？」「ではお尻で」「どういう意味？」愛窶は二人の言葉を聞いて不安になった。「ではお尻で」

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ドンドン 164 真黒の笑みの迫力が増す。「ふーん。気持ちが良いんだ」「いやあのその気持ち良くないです」「気持ち良くないの？」「いやそんな事」「ふーん。そんな事何？」愛窶は運転手に助けを求めて視線を向ける。「これはこれは。何かを訴えかけるような目を」運転手が言ってその顔が綻んだ。