ドイツ語「vogelfrei:破門された」という言葉がある……破門された人間の遺体は埋葬すら禁じられた「遺体は鳥(vogel)が自由(frei)に、ついばむに任せよ」

日本には村八分と言う言葉があるけど、残りの二分は葬式と火事らしい。 どんな嫌われ者でも、葬式はしてもらえた。 _(:3 」∠ )_,
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けんこまけん @kemkomakem

破門された者の末路 ドイツ語に「vogelfrei」という単語がある。フォーゲルフライと発音し「破門された」という意味を持つ形容詞。宗教用語なので、日常会話ではまず使わない。習うこともない。 この単語、ドイツ語を勉強した人ならわかっていただけると思うが、ものすごく響きが良い。

2022-07-16 16:18:16
けんこまけん @kemkomakem

vogelは英語で言うとbird、要は鳥ね。freiを英語にするとfree、これは自由という意味だね。 つまり、言葉の響きだけ聞くと、鳥が自由に飛び回るようなイメージなので、ネガティブな要素は全く感じられない。それが何で破門というワードにつながるのか?

2022-07-16 16:18:52
けんこまけん @kemkomakem

はじめこの言葉の響きとその意味するものを聞いた時、「破門されることで、カトリック教会という枠組みや規範から、まるで鳥が大空を羽ばたくように自由になる」から、こういう“ポジティブな”ワードが産まれたのかなと理解した。 しかし、真相はまるで違う。

2022-07-16 16:19:19
けんこまけん @kemkomakem

中世ヨーロッパではカトリック教会が絶対だった。人々に信仰の自由などは無く、産まれてから死ぬまでカトリック教徒であることが求められた。 “カトリックに非ずんば、人に非ず”を地でいく社会だったのね。それを象徴する出来事として有名なのが「カノッサの屈辱」。

2022-07-16 16:19:56
けんこまけん @kemkomakem

1077年、カトリック教皇グレゴリウス7世が、対立したローマ王(後に神聖ローマ帝国皇帝になる)ハインリヒ4世を破門に処した。 ハインリヒ4世は、破門を解いてもらうべく、グレゴリウス7世が滞在していたカノッサ城を訪れ、許しを乞うた。

2022-07-16 16:20:12
けんこまけん @kemkomakem

雪の中、裸足で飲まず食わず3日間立ったまま許しを乞うたというのが定説となっているが、実際にはそこまでではなく、かなり脚色されたものらしい。 ただ、謝罪が受け入れられ、破門が解除されたのは事実。この出来事を指して「カノッサの屈辱」という。

2022-07-16 16:20:53
けんこまけん @kemkomakem

カトリックのローマ教皇は皇帝すら凌駕する力を持っていた訳ね。こんなカトリック教会が支配する社会で破門されたらどうなるだろうか。 まず、家、土地、田畑、その他財産が全て没収され、文字通り身ぐるみ剥がされて路上に放り出される。

2022-07-16 16:21:11
けんこまけん @kemkomakem

破門された人間に関わった者は、同じく破門されてしまうため、誰も彼らを助けようとはしない。見て見ぬふりをされるのね。逃げようにもヨーロッパ中がカトリックなので逃げようがない。 水も食料も得られなくなると、命を繋ぐことができず、当然ながら死んでしまう。しかし、恐ろしいのはこれから。

2022-07-16 16:21:44
けんこまけん @kemkomakem

彼らの遺体は埋葬することすら禁じられているのだ。 つまり「遺体は鳥(vogel)が自由(frei)に、ついばむに任せなさい」ということ。この状態を指してvogelfreiと言う訳。まるでチベットの鳥葬みたいな感じだけど、それより酷い。葬ってすらいないからね。ただ放置するだけ。

2022-07-16 16:22:20
けんこまけん @kemkomakem

現実の残酷さを言葉の響きのキレイさで隠したのか、それとも残酷さを皮肉ってあえてキレイな言葉で装飾したのか…よくこんな言葉思い付くよね。ワードセンス尊敬するわ。 最後にこれだけ覚えて帰ってくれよな。 「訓読みの訓(クン)は、音読みです」 ー 完 ー

2022-07-16 16:25:43
まとめ ドイツに帝国アハト(追放)刑と言う刑罰があった…死刑より凄まじく、『法の保護の外に置く』、国家の保護から1人の人間を.. こういう流れを見ると、「人権」ってのがどうやって生まれたのかが見えてくる _(:3 」∠ )_ 48112 pv 321 46 users 19
『ナチスと鉄道』(NHK出版新書)/『ふたつのドイツ国鉄』/『鉄道のドイツ史』も発売中です @MIZUTORIAB

誤読は恐ろしい。昔聞いた、「・・・史料には『私は鳥のように自由だ』とあって、民衆に解放の喜びが」「ちょっと待って、”Vogelfrei”ってあったの? それは”法的保護を離れた”つまり”心細い”ってくらいの意味ですよ!」で学会報告の中心テーゼが一瞬で崩壊・・・というのが忘れられない。

2018-03-29 18:40:53
パウル @paul1895h

クラウン辞典で引いたら、「罪人が野外に吊るされて鳥の餌食になることから」とあった…自由に羽ばたくのとは全く逆だw twitter.com/MIZUTORIAB/sta…

2018-03-30 12:55:57
ITO Toshikazu @toshiitoh

中世の分国法に「公界往来人に準拠」=自由に移動している人と同じ扱いという言葉があるが、それは殺されそうになっても誰も守ってくれないという意味だったりする。twitter.com/MIZUTORIAB/sta…

2018-03-31 15:21:56
赤城毅/大木毅 @akagitsuyoshi

この Vogelfrei の間違いは、昔からありますね。「法の保護を奪われた」ぐらいの意味合い(日本流にいうと、「無宿人で、人別帳に載ってない」ってな感じですかね)。私も、そのかみに、西川正雄という大家が、駆けだしの助手を「轟沈」したのを目撃したことがあります。 twitter.com/MIZUTORIAB/sta…

2018-03-29 19:39:35
鬼頭えん🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿 @kitoen2173

おおよそ15世紀前後の破門を現代に置き換えると、『死後は地獄に直行と教会が公式宣言すると同時に職場解雇、年金保険料生活保護その他の公共サービスを受ける権利剥奪、破門された人と付き合えば魂が破滅するので地域コミュニティからは迫害されて、あらゆる意味でぼっちになる』たぶんこんな感じ。

2014-06-23 13:12:34
中村 聡/さっし💉×5 @Sa_sshi

@kitoen2173 ガリレオ・ガリレイやマルティン・ルターはそう言う意味でも凄かったわけで。

2014-06-23 13:15:14
鬼頭えん🏴󠁧󠁢󠁷󠁬󠁳󠁿 @kitoen2173

@akai_koucha 人生を抹消されたわけではないですからねえ…。>村八分

2014-06-23 13:17:45
スエヒロ @numrock

はじめて「カノッサの屈辱」に臨まれる人向け謝り方などFAQをまとめました。謝る前にぜひ。 pic.twitter.com/Orgghc7tS8

2022-06-26 12:07:17
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僭フランツ・ヨーゼフ帝/二重の人 @frantuyozehu

一般人「カノッサの屈辱ってなに?」 高校生「神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世が〜」 害悪オタク「ちなみに当時のハインリヒ4世はドイツ王だがまだ皇帝として戴冠しておらず〜」

2021-08-06 06:34:15
yrms@コマリスト @yrms9

Q.どうして破門されたら問題になるの?教会なんてほっといて勝手に言わせとけばいーじゃん! A.当時の教会の権威は大きすぎて無視できないからです 破門された王様の言うことなんて、誰も聞いてくれなくなるんです twitter.com/numrock/status…

2022-06-26 14:16:52
ICHIGO @berry_yr_reb

世界史に疎い人間からすると、世界史用語だろうしかわからないけど、とってもわかりやすい。日本の平安時代に、なんかやらかして破門された皇帝がローマ教皇に破門解いてもらわないといけなくなったんだろうなと言うのがわかった。で、このあとどうなるの? twitter.com/numrock/status…

2022-06-26 13:32:17
酔いどれ猫 @D1l86qBGcLWHXPd

なお教皇に破門のビートを撃ち込まれて一度謝ったが、破門が解かれた途端喧嘩を売って来てたドイツ諸侯を軒並み殴り倒し、終いにはローマ迄攻め込んでるので本心では全然謝るつもりは無かった模様 twitter.com/gyutei_4koma/s…

2021-08-06 11:50:37