クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド #6

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
書籍 文学 ニンジャスレイヤー
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(第二部「キョート殺伐都市」より:「クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド」#6 )
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(前回あらすじ:機関室がニンジャの血に染まった!ハッキングの兆候を読み取り様子を見に行ったヴォルテージは背後から首を切られて無残に死亡。恐るべき暗殺を行ったのは狂ったニンジャ、フォレスト・サワタリであった。ナムサン!彼はトコロザワ・ピラーで死んだはずなのに!なんたるしぶとさ!)
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フォレスト・サワタリが「ジェロニモ」と叫び、発狂のスピードで部屋を飛び出して30秒。あっという間に足音が聴こえなくなったのち、機関室隅のロッカーがガタガタと揺れ、内側からガチャリと開いた。
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中からあらわれたのはガンドーである。190センチの長身をいかにも窮屈にロッカーに収め、彼は息を殺して一部始終をやり過ごしていたのだ。「……ウープス」血飛沫で染まったデッキと凄惨な臭気に彼は蒼ざめた。
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そう、数分前……ハッキング作業も大詰め、いよいよ仕掛けにかかろうとしていたガンドーは、接近する微かな足音を聴いた。それはブッダの啓示と言うべき気づきであった。彼は反射的に室内のロッカーに身を隠した。一分後、ゲリラめいたスニークウォークで、編笠姿の異様なニンジャが現れたのである。
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ニンジャ、しかも全く脈絡の無い出で立ち。ロッカー内のガンドーはひどく当惑した。同時に、死を覚悟した。とにかく相手はニンジャだからだ。彼は息を殺し、49口径のマグナムを扉の内側にぴったりとつけて構えた。ニンジャがこちらに気づいた瞬間にマグナム弾を全弾撃ち込み応戦するつもりだった。
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だが、その時は来なかった。もう一人近づく足音があったのだ。こちらはさほど警戒の無い、うるさい歩みだった。編笠姿のニンジャは入り口の脇の壁に背中をつけ、それを待ち構えた。その手に恐ろしい形状のナイフを構えて。
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入って来たのはこれまたニンジャだった。顔面や腕にサイバネティクス改造が目立つテクノニンジャだ。編笠姿のニンジャ、そしてガンドーは、どちらも息を殺して見守った。奇妙な空間であった。テクノニンジャがUNIXモニタを調べようと身を乗り出した時、編笠姿のニンジャが仕掛けた。
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あの迷い無き致命の一撃……ゾッとするワザマエであった。鮮血が室内を汚し、編笠姿のニンジャは瀕死のテクノニンジャを引きずり出す。そしてアイサツしたのち……どうやらニンジャというのはアイサツの前にアンブッシュを仕掛ける事ぐらいは許されるものらしい……無慈悲にとどめを刺し、殺害した。
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次は自分の番だ。ガンドーはいよいよ覚悟を決めた。息を止めていようと、ロッカー越しに心臓の鼓動音を聴かれればおしまいだ。何よりあれほどのタツジン。室内のクリアリングを必ずするはず。
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しかし、フォレスト・サワタリ……そうアイサツしていた……は、よくわからぬ熱狂とともにUNIXを操作し、わけのわからぬ「ジェロニモ」の叫びを上げ、一目散に機関室から走り出て行った。何もかも意味がわからぬが、とにかく九死に一生を拾ったのである。
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「さぁて、頼むぜ、もうちょっとだ」気持ちを切り替えたガンドーはデッキに屈み込み、激しいタイピングを開始する。「もうちょっとだぞ……」
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「機関室の様子はどうか!」トゥールビヨンはエンジニアの一人に問うた。「え、ええ、すぐに『異常なし』の通知が返ってきますが……」エンジニアは震え声で答えた。「何だと?だからどうした!」トゥールビヨンは叫んだ。「ヴォルテージ=サンは何をしている!」「エッ!?ヴォルテージ=サン……?」
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「だからヴォルテージがつい今しがた様子を見に行っただろうが!バカめ!」机を殴りつける!「アイエエー!」エンジニアは失禁!エンジニアはトゥールビヨンとヴォルテージの司令室外でのやり取りなど知らぬ!理不尽!「ヴォルテージ=サンとのホットラインをつなげ!」「ヨッ、ヨロコンデー!」
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「どうした」激するトゥールビヨンのすぐ横に、何時の間にか入室していたダークニンジャが立った。「万事!万事問題ありませんッ!」トゥールビヨンは反射的に叫び、気をつけの姿勢を取った。「私の方でインシデント全て把握しております。単にヴォルテージからの連絡がやや遅延しており……」
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「遅延?」「返事待ちの状態でして。実際数分の遅延に過ぎず、ホットラインを……」ダークニンジャはトゥールビヨンに構わず、エンジニアの横からUNIXデッキのキーボードをタイプした。IRCでヴォルテージへメッセージを打ったのだ。……10秒。20秒。30秒。応答は無い。「私が行こう」
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「私が行きます!」トゥールビヨンは食い下がった。「私が事態を把握します!」「ヴォルテージ=サンはなかなかの使い手だ、トゥールビヨン=サン。少なくとも、理由なく通信を無視する輩ではない」部屋を歩き去りながらダークニンジャが言った。「恐らく彼は殺されたのだろう。お前では同じ事になる」
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「エッ?殺され?」「お前はそこで全体を警戒しておれ」ダークニンジャはツカツカと去っていった。「……!」取り残されたトゥールビヨンは落ち着かない視線を周囲に走らせた。エンジニア達はさっきよりも一心不乱にUNIXに没頭し、タイピングを続けている。「……ええい、貴様ら!」「アイエエ!」
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「なん、ナンダコレー!」エンジニアの一人が悲鳴を上げた。トゥールビヨンはそちらへ振り向いた。「どうした!」「オーバーフローが……」こめかみをUNIXにLAN接続したエンジニアは残像が出るほどの速度でタイピングしながら泡を吹き始めた。「こんな、まずい、アア、アバーッ!?」
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エンジニアは泡を吹きながらキーボードに突っ伏し、耳から血を流して痙攣!彼のUNIXモニタには「大変過重労働な」の文字が無慈悲に左右へ流れ続けている。「な……これは一体……!」トゥールビヨンは無力感に苛まれながら、必死でタイピングする残りのエンジニアを見回す。「これは一体……!」
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(翻訳チームより:昨晩は解明困難な時間空間的複合要因により、なんかアイキャッチが入らない形で更新が停止しておりました事をお詫び申し上げます。また、最近アイキャッチ中断後に違うエピソードが何食わぬ顔で更新されますが、これはいわばキョート的な形而上学的対応としてご理解ください)
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(続き:ほんじつはこの後昨晩から引き続きクライ・ハヴォック……が更新されます)
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コメント

オスツ🍣 @alohakun 2011年9月28日
クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド #1 http://togetter.com/li/188112 クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド #7 http://togetter.com/li/193846
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