栃木県南部と茨城県西部の神社の装飾彫刻 (宮彫り)めぐり

先日作成した「北総地域と京成本線沿いの宮彫めぐり ~神社の装飾彫刻~」(https://togetter.com/li/1874435)「東京都内の神社の装飾彫刻 〜23区と多摩地域の宮彫めぐり〜」(https://togetter.com/li/1888092)群馬県南部の神社の装飾彫刻 ~西毛・中毛・東毛の宮彫めぐり~(https://togetter.com/li/1908385)に引き続き、ここ最近に自分が参拝した栃木県南部と茨城県西部の神社の中から見応えのある彫り物を紹介していきます。 また、探訪に当たっては前回と同じく以下のサイトを参考にしました。 新・龍元洞雑記帳 続きを読む
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八坂神社(栃木市 大平町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

月曜日に参拝した、栃木県 栃木市 大平町の榎本地区に鎮座する八坂神社さん。本殿は格子のある覆屋内にありますが、隙間の幅も広く鑑賞には差し支えありません。なお、本殿の向拝柱には昨年の記載のある木札が添えられた耐震用の補強材が施されていました。 pic.twitter.com/llAJuH8taO

2022-05-04 08:59:48
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は左右が唐子遊び(漁り/獅子舞)、背面は高砂の尉と姥、脇障子は神仙図(陳楠仙人/張果老)でした。なお、縁の下には特に彫り物は施されていません。 pic.twitter.com/vxaCnn75vG

2022-05-04 09:14:03
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馬門稲荷神社(茂木町 馬門)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

この前の16日と18日に栃木県南部と茨城県の西部にある宮彫ガッツリ系の神社を廻ってきたので、例によって少しずつレポートを上げていきます。 16日の1箇所目は茂木町の馬門稲荷神社さん。唐破風が前方に長く伸びた特徴的な拝殿の向拝部分と軒下には龍をメインに干支の彫り物が配されています。 pic.twitter.com/ebX3t9j41H

2022-07-24 21:41:50
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

本殿は覆屋内に鎮座するタイプで、やや低めの位置にある開口部には御覧のような形に横木を渡していますが、縦の隙間自体は広めで光量もある程度確保されているので、少しばかり見上げる体勢になりますが鑑賞自体は容易な方だと思います。 pic.twitter.com/CYxTbuzSMH

2022-07-24 21:54:18
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は左右が二十四孝の郭巨(口減らしのために我が子を埋める穴を掘ったところ黄金の釜を掘り出す)唐夫人(年老いて歯の抜け落ちた姑に自らの乳を飲ませ、諸々の孝行を尽くした)、背面が稲荷神の眷属の狐となっています。また、重厚な海老虹梁の龍や軒下の彫り物も含めて見所たっぷりの本殿です。 pic.twitter.com/1PI6nRiGjF

2022-07-24 22:13:34
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樋口雷神社(筑西市 樋口)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

茂木駅を出発後に雨が降り始めたので、当初予定していた益子や真岡のレンタサイクル周遊を取り止めて、2箇所目は久下田駅近くの筑西市・樋口雷神社さんへ。こちらの本殿は板塀仕様の覆屋内にあり、板同士の隙間が10cm程度で少々狭めですが鑑賞の条件としては そこまでキツくはありません。 pic.twitter.com/cA2e6AARLd

2022-07-25 15:16:33
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は左右が七福神と吉祥天(推定)による双六と囲碁、背面は司馬温公の甕割りとなっていますが、時代がやや古いためか細密系の彫り物ではありません。また、脇障子はL字形で最後部に配するという珍しい形式ですが彫り物は無く、近年に補修されたと思しき板が嵌め込まれていました。 pic.twitter.com/gvziaKHcOc

2022-07-25 15:30:20
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

加えて軒下の組物部分には龍、獏、息などの神獣・霊獣の頭部を多数配し、腰羽目にも霊亀や波兎の彫り物をがあり、こちらも社殿の規模に比べて彫り物が豊富で見事でした。 pic.twitter.com/3NW3CugqZP

2022-07-25 15:42:09
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貴布禰神社(結城市 結城)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

3箇所目は結城市の東結城駅近くの貴布禰神社さん。こちらも覆屋内に本殿がありますが、御覧のように開口部が広く取られているため楽に鑑賞ができます。なお、縁よりも下側には彫り物は殆ど無く、前者に比べて控えめな造りとなっています。 pic.twitter.com/HE9GmfTuXn

2022-07-25 16:34:34
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

本殿は脇障子は無し。胴羽目は掲載順に仙人の烏鷺(囲碁)、志度の浦の玉取姫、張良と黄石公となっていますが全体的に浅めの彫りで、加えて左右の面は背面に比べて風化が進んでおり虹梁より上部の彫り物に比べて保存状態は良好ではありませんでした。 pic.twitter.com/ofFKItAQ3M

2022-07-25 16:49:08
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星宮神社(上三川町 多功)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

当日最後の4箇所目は再び栃木県に入って上三川町・多功地区の星宮神社さんへ。こちらの本殿覆屋も板塀仕様ですが隙間の幅が4cmほど、加えて御覧のように側面の前方には半透明なビニールが両側に打たれており、斜め前方からの撮影は不可能と、鑑賞条件も含めてかなりの難物件です。 pic.twitter.com/fA7UsfLnsK

2022-07-25 17:27:38
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は順に琴高仙人、控鶴仙人、盧敖仙人、脇障子は太公望(推定)と李白観瀑と全て唐土関係で統一されていますが、当日参拝した4社の中では一番シンプルな造りの本殿でした。 pic.twitter.com/146APn0VJt

2022-07-25 17:43:26
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東箭神社(小山市 南小林)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

さて、休養日で一日挟んだ18日は小山市周辺の宮彫ガッツリ系の神社をレンタサイクルで廻りました。1箇所目は南小林地区の東箭(とうや)神社さん。本殿の収まる覆屋は井桁状の格子に金網の二重ガードに加えて開口部が少し高めの位置にあるので鑑賞難度は若干高めです。 pic.twitter.com/smyVjYXSY1

2022-07-25 20:21:11
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

また、右側面には開口部が無く板壁で完全に塞がれているため可視部分は限定されますが、胴羽目(右側面:孔子懐妊、背面:張良と黄石公)や縁下の彫り物は精緻で見応えがあります。 ※他の方のブログの撮影記録によれば右側面の板壁には節穴があるので、頑張れば目視は出来るようです。 pic.twitter.com/Oot6wzdUWi

2022-07-25 20:44:11
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中里神社(小山市 中里)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

2箇所目は南下した中里地区に鎮座する中里神社さん。こちらの本殿覆屋は板塀仕様ですが、隙間が非常に狭いことに加えて頭の上あたりの高さに庇が来ていることもあり、鑑賞はまだしも隙間からスマホを差し込んで角度を付けての広範囲、或いは上部の撮影も困難という、かなりの高難度物件です。 pic.twitter.com/Su7J6nBUtD

2022-07-25 21:10:17
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

しかしながら、彫り物に関しては先に参拝した東箭神社さんと同様に こちらも一級品で胴羽目(掲載順に唐子の漁り、養老の滝、浦島太郎と乙姫)や頭貫より上部の組物の下に隠れるように配された植物の彫刻に確かな技量が見て取れます。 pic.twitter.com/rJqID8AS6i

2022-07-25 21:22:48
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間中稲荷神社(小山市 間中)