茂木健一郎氏 @kenichiromogi アメリカ的正義感(自分達が正しいと信じ戦争をする)【戦犯だとか、そういう粗暴な言葉を使ってはいけない】についての連続ツイート
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「連続ツイート」をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 本日は、いささか真面目なテーマについて。
2011-09-25 07:03:22せそ(1)あれは大学院生の頃だったか、ある女性と話していた。その人はきわめてリベラルな人で、進歩的な考え方をしており、およそ保守的な見方とは無縁の、自由人であるように感じられていた。
2011-09-25 07:04:22リベラル⇒自由主義的。自由主義者。
一般に保守の対義語で使われる政治的信条、自らの政治的立場、主張をさす。ときに、がりがりの保守主義と比べてNEETの擁護、柔軟で理想的な政策、中絶の容認、市場の保護管理、個々人の自由の擁護等の総体として使われる。
特に日本におけるリベラルな主張が広くかつ明確に理解されていないため、使用する人により大きな差が生じている。
「はてなキーワード」より http://p.tl/W5JQ
せそ(2)何かがきっかけで、戦争の話になった。周知のように、首相をされていた東条英機さんを始め、何人かが「戦犯」として裁判にかけられている。突然、彼女が、「そんなの、戦争に負けたからでしょ」と言った。「うちの母親も言っているわよ。戦争に負けたから。それだけのこと。」
2011-09-25 07:05:51せそ(3)ぼくは、いつもリベラルで、およそ国家主義とか愛国主義とかそういうものとは無縁な彼女が、突然そんなことを言ったので驚いた。死ぬときには、排水溝でのたれ死にしていいと言っていた彼女の、激しい言葉に強い印象を受けて、それが今まで記憶に残っている。
2011-09-25 07:07:17せそ(4)戦犯だとか、戦争犯罪人だとか、そういう言葉はいやな響きがある。戦争に至った道筋や、その過程でのさまざまなことで、反省すべきことはあるとしても、少なくとも一国の指導者であった人たちが、「犯罪人」と断ぜられるとは、「戦争に負けたからでしょ」という彼女の言葉が真実だろう。
2011-09-25 07:09:25せそ(5)それを言うなら、こちらだって言いたいことがある。私の父親は東京大空襲の夜、東京の下町を逃げまどった。戦闘行為にかかわってもいない民間人を、一夜にして十万人も殺したのは、戦争犯罪ではないのか? 原爆を二度も落としたのは、戦争犯罪ではないのか?
2011-09-25 07:11:05せそ(6)アメリカはいい国だが、自分たちが正義だと信じて疑わないことは、あの国の深い病気であって、戦争犯罪人うんぬんも、彼らのそのような偏見に基づく世界観であり、そんなものに日本人が付き合う必要は、全くないと私は考える。
2011-09-25 07:12:00せそ(7)戦争はイヤだよ。小津安二郎が『秋刀魚の味』で看破したように、「ばかなやつらがいばりやがるしね。」二度と戦争なんてしたくないし、馬鹿なやつらにいばらせたくない。そのことと、戦争犯罪人がどうのこうのというのは、全く別の問題だ。
2011-09-25 07:13:34せそ(8)野田首相が、就任なさる直前だったか、「A級戦犯がどうのこうのとか、そういうことは意味がない」というような発言をされていたと思うけれども、まったく真っ当な見解だと思う。泥の中にいるどじょうにだって、そんなことはわかるんじゃないかな。
2011-09-25 07:14:46せそ(9)自分たちは正しいことを疑わないアメリカ的な正義感の方が、これからも戦争を引き起こしていく。実際アフガンでもイラクでもリビアでも、自分たちが正しい、と信じて戦争をしている。そんなものに、日本人が付き合う必要はない。戦犯なんて言葉を、オレたちが使う必要はない。
2011-09-25 07:16:49小林秀雄は、「利口なやつはたんと反省すればいい。ぼくはバカだから、反省などしない」と言ったね。以上、「戦犯だとか、そういう粗暴な言葉を使ってはいけない」という連続ツイートでした。
2011-09-25 07:17:32小林 秀雄(1902- 1983年)
日本の近代批評の確立者であり、西田幾多郎と並んで戦前の日本の知性を代表する巨人であり、戦後も保守文化人の代表者であった。
「ウィキペディア」より http://p.tl/RImJ