@dlit さんMLF発表実況 #gengo
いわゆる連用形名詞は範疇未指定の要素√が直接名詞化したものという先行研究に対して、√が一度動詞化され、それがさらに名詞化されたもの「も」あるというのが @dlitさんのご主張です(修正しました)
2011-09-25 10:05:29西尾寅弥(1961)「動詞連用形の名詞化に関する一考察」『国語学』43: 60-81. はこのテーマでは必見の文献とのこと。
2011-09-25 10:09:34ここでは単純動詞が名詞化したもの(救い、眺め・・・)と、複合動詞が名詞化したもの(引き延ばし、乗り換え・・・)のみを考察の対象としている
2011-09-25 10:12:27R-derived(√から直接形成される場合)とW-derived(一旦語彙範疇が指定された要素から派生、元の語の意味的、音韻的特徴を引き継ぐ)
2011-09-25 10:16:17R-derivedの例:眠る、細る、甘える・・・;W-derivedの例:接尾辞mar/meによる動詞化(高まる、・・・)
2011-09-25 10:17:30Volpe (2005): 1)連用形名詞はR-derivedであり、接尾辞「-もの」による名詞化(e.g. 食べ物)はW-derived(√→V→N)である、2)連用形名詞には自他交替に関わる接辞を含むものがあるが、それらは機能範疇vの具現形ではなく、√に付加する接辞的不変化詞
2011-09-25 10:23:36自他交替に関わる接辞が機能範疇vの具現形態とする分析が(語形成に関する統語的アプローチを選択した場合)有力、そうすると自他交替に関わる接辞を含む連用形名詞は動詞性にかかわる機能範疇をその内部に含むことになり、連用形名詞は動詞化を経ていないというVolpe (2005)と矛盾する
2011-09-25 10:28:30したがってVolpe (2005)は自他交替に関連する接辞をvの具現形ではなく、√に直接付加するaffixal participleと分析
2011-09-25 10:29:25dlitさんの反論:自他と形態はかなりの程度規則的に対応、自他ともにあらわれる-e形のみの対応をもって自他交替に関する接辞をすべてvと関係ないとするのは問題
2011-09-25 10:32:08