デジタル・デビル・ストーリーの原作者、西谷史先生ご自身が語られた当時あれこれや作品に関する呟きなどをまとめました その2(2022/8〜)

RPG史に残る一大シリーズとなった「メガテン」。源流は80年代中盤に出版された一冊の小説にありました。その作者である西谷史先生がtwitterで呟いてくださった当時のあれこれをまとめてみました。「先生ご自身」のつぶやきだけを拾っているので、あえて会話形式にはしていません。気になるやりとりがあれば呟きの右肩にある青い鳥アイコンから飛んでくださいね。
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Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

ウルティマの作者のギャリエットさんと、仕事で連絡をとりあっていたとき、 彼が忙しいのはわかっていたので、キャラクターについて教えてほしいと書いた後「as soon as possible」を入れた。以後ピタッと連絡が途絶えた。 メーカーの人から「ギャリエットさんがその言葉に怒っている」と知らされた。 pic.twitter.com/4BSFgVckiS

2022-08-01 14:05:22
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Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

僕は外国語が苦手だ。 一時は字幕なしで映画が見られたし、ニュースも翻訳なしに聞けた。 でも思ったことを英語にしようとすると、すごく時間がかかる。 ある英国人と仕事したとき「君はなにを言ってるのかわからん。喋るな。ノートに書いてくれ。君は喋るより速く書くことができるから」といわれた。

2022-08-01 14:08:07
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

@tanigawahajime では、それについて。 私の大学の先輩がギャリエットさんと親しかったことから紹介を受け、新しいゲームについてPRするため、そしてうまくいけば、日本の神話に興味をもってもらうために、もっと言ってしまえば日本の神話を新作に取り入れてもらいたくて、FAXで連絡を続けていました。

2022-08-01 20:46:26
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

@tanigawahajime 背景として、ちょっと前にヒューゴ賞だったと思いますが、日本神話がSFの賞を獲っていました。 また、日本式の転生が注目を集め始めていました。 アバターについては、質問しても答えてはいただけませんでしたが、私は、アバターという言葉を転生の一部と解釈していました。

2022-08-01 20:52:06
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

@tanigawahajime 当時の私のお恥ずかしい英語力では、インド哲学としての転生を理屈で質問に取り入れることができず、「やがて」と考えていました。 もしかすると、先輩やプロデューサーへの配慮で、私の文章での質問には答えていてくれたのかもしれません。

2022-08-01 20:55:11
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

@tanigawahajime 記憶があいまいになっていますが、そのときFAXでのやりとりをしていたので、メーカーの宣伝用のキャラクターに関する質問を私が送りました。 その文章の中で、as soon as possible を使いました。そして連絡が途絶え、メーカーの方がテキサスに行って尋ねたとき、上記で怒っていると聞きました。

2022-08-01 20:59:29
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

@tanigawahajime おそらく、もうひとつの問題が潜んでいたこともわかっています。ギャリエットさんは、私のことを日本の物書きとして最初接したはずです。 それがいつの間にかゲームスタッフのようなやりとりをするようになったことも、不愉快になった原因だと思います。

2022-08-01 21:02:28
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

@tanigawahajime そのとき僕が学んだことは、英語のことではなく、「お前はなんなんだ? クリエータなのか、ビジネスマンなのか?」それをはっきりさせないといけないということでした。

2022-08-01 21:03:43
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

@tanigawahajime すいぶん長くなりましたが、その反省から一時期、まじめに英語をやり、日本に来ている作家と話す機会を作るようにしました。 その中に、同じテキサスだけで10万部も本を売った人がいました。彼は、「物書きで生きていくなんてクレージーだ。兼業があたりまえじゃん」といっていました。

2022-08-01 21:05:49
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

@tanigawahajime いろんな点で、私と同じ考え方の持ち主でした。 そうすると、当時超一流のクリエータであったギャリエットさんに対する接し方を、 デビューしたばかりの私は間違えていたという別の面の反省をしたものでした。これは公開すべき文章ではなかったかもしれません。

2022-08-01 21:08:53
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

母親の葬儀のとき、息子たちが、 「ばあちゃんは、もういないんだ。いくら豪華にやっても、喜ばないよ」と言った。それで、 「違う。葬式は、喪主がヒーローになるためにやるんだ。死者は飾り物だ。喪主のじいちゃんを立てるために、働け」 といったら、「そうだったのか!」と声をあげた。 pic.twitter.com/SKpwTk3aVb

2022-08-03 10:56:48
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Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

息子たちは20代、以後、大事なことは相談してくれるようになった。 「いままで葬式ってなんのためにやるのか、わからんかった。親父の一言で、意味がわかった」といっていた。 人生でいちばん印象に残っている一瞬のひとつだ。亡くなった母親は、息子と孫がやりとりする機会をくれた。感謝している。 pic.twitter.com/kKEpjCjHyx

2022-08-03 10:58:44
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Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

ぼくは土葬地域に生まれたので、亡骸を埋めるための穴掘り、埋葬に、二度参加したことがある。 深い穴の底の棺桶に土をかけるとき、とてもいやな気持がしたことが忘れられない。故人のなにかが残ったまま、無理矢理に別れをしいられるような。 pic.twitter.com/9RyW7iJUuK

2022-08-03 15:23:26
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Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

母親はよく土葬にしてくれといったが、母がまだ50歳くらいのときに断った。 死んだら、未練なくあの世に行って、生まれかわるなら、生まれ変わるべきである。いつまでも現世の未練を引きずっていたら、自分もまわりも不幸になるだけだと。 たぶん納得してくれたろうと思う。

2022-08-03 15:24:23
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

@motohirookumura おっしゃるとおり、火葬された骨は、もうその方が別の世界にとびたたれた象徴のような気がします。だから安心できる。 でも、土葬の場合、その人の眠る土は自分が歩いている場所の土につながっているような、そんなものを感じます。

2022-08-03 18:05:57
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

日本の伝統的な儀式で、お葬式ほど平等なものは少ないかもしれない。 友人の携帯番号から、友人が亡くなったという知らせを聞くことが何度かあった。 いつ聞いても、あれは辛い。友人と、息子さんの声が似ているときはよけいに…

2022-08-03 23:08:31
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

@motohirookumura 確定的なことはいえないのですが、あの時代のクリーチャーには、キリスト教的な概念が入っていて、祝福の外にあるもの、という概念があったような気もします。 非キリスト教が普通になった今日とはモンスター概念が異なるのではないかと。

2022-08-04 11:03:45
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

@ake_yumi 三重県中勢で完全に火葬になったのは、1980年代だと思います。土葬は個人墓を作り続けることになります。そのスペースがなくなったのが、最大の理由ではないかと。 東京が、明治以後完全に火葬になったのは、スペースの問題だったという考古学者のレポートを読んだことがあります。

2022-08-04 11:08:31
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

いわれる幽霊は信じていないが、特別な感覚を持った人には何度かお会いした。 1986年から2013年までの間。 僕から求めたわけではないが、道ばたで、駐車場で、あるときは事務所まで訪ねて来て、人目もかまわず、僕を心配してくれた。 もちろん報酬を要求した人などひとりもいない。 pic.twitter.com/Pap1c86riC

2022-08-04 13:38:08
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Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

いわれることはいつも同じだった。 あなたはこのままでは危険。こうしなさい、とアドバイスして去って行った。 「ここを抜けられるか、抜けられないかはあなた次第。知恵を働かせなさい」という人が多かった。 どの人とも二度とあわなかった。

2022-08-04 13:38:45
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

一度、とてつもない美人霊能者に、紀州でお会いしたことがある。 一緒にいると頭がおかしくなりそうなほど美しい人だった。 ただ、その人が出して下さった食べ物には手を触れなかった。だから、別れるとき、とても厳しく睨まれた。 でも、なにかを口にしたら、虜になるという予感がぬぐえなかったから

2022-08-04 13:41:47
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

@ake_yumi イスラム教がといいますか…一神教は最後の審判のときに天国に行くのが大きな目的なので、亡骸がないと天国に行けない、と考えることが多いですね。 ですから、亡骸をとても大切にするし、キリスト教もカトリックはほとんど土葬じゃないでしょうか。

2022-08-04 22:30:59
Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

『あちこちオードリー』は、出演者が本当にためになることを喋る。 中川家の剛さんは、「どうして中川家の漫才は、タクシーや列車の中が多いのですか?」という質問に、「列車やタクシーは閉ざされた空間で、乗り合わせた人が逃げることができないから、ドラマが発生する」と答えていた。至言だ。 pic.twitter.com/dzL4O4ZaI7

2022-08-04 22:49:59
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Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

ライトノベルでは、やっぱり2010年代にヒットした『バッカーノ』。 一冊まるごと列車アクション。禁酒法時代はやっぱり列車だよね。 pic.twitter.com/xt7Gyzmw53

2022-08-04 22:54:38
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Aya Nishitani 西谷史 @ayanakajima3

ただ、こういう列車の利用方法を最初に提示したのが、芥川龍之介の『蜜柑』。あれは名作ですよ。 横須賀からの列車に、芥川らしき人と、出稼ぎの少女が乗り合わせる話。芥川の作品の中で、僕はいちばん好きかもしれない。

2022-08-04 22:56:20
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