茂木健一郎さん連続ツイート 『「サンプリングは、もしやるとしたら、まじめにやった方がいい。」』

茂木健一郎(@kenichiromogi)さん連続ツイート
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茂木健一郎 @kenichiromogi

さま(1)そもそも、統計には限界がある。「5年後に生存している確率が30%」と言ったって、自分が実際に5年後に生きているかどうかは0%か100%のどちらかだ。それでも統計的真理を追うのはある程度は仕方がない。問題は、サンプリングをちゃんとやること。

2011-09-23 08:29:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

さま(2)統計学を人間に当てはめるときには特に注意しなければならない。世の中には多種多様な人々がいる。その中から、きちんと「サンプリング」をしなければ、結果が偏ってしまう。「民意」が実は「文句モンスター」の平均に過ぎないということは、しばしば起こる。

2011-09-23 08:32:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

さま(3)花火が中止になったり、送り火がダメになったり、震災関係で心が痛むニュースが多かった。このような時に、役所や主催者に抗議の電話をかけてくるような人は、サンプル的に偏っている可能性が高い。「本当に統計的に意味があるのか」と自省するリテラシーが必要である。

2011-09-23 08:33:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

さま(4)新聞などの「世論調査」においても、昼間に固定電話を受ける人、という時点でサンプルとして偏っている可能性が高い。そのような偏りを排除できないから、そもそも「支持率」などという幻にあまり一喜一憂しない方がいいし、新聞社も伝家の宝刀のように振り回さない方がいい。

2011-09-23 08:34:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

さま(5)「婚活」という言葉は好きではないが、もしやるとしたら、サンプリングに留意した方がいい。結婚紹介サービスや、合コンに来る人たちは、サンプル的に特定の傾向があるかもしれない。良い悪いではない。社会の人々の多様性を十分に反映していない可能性があるのである。

2011-09-23 08:35:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

さま(6)もし出会いを求めているのならば、特定の目的のために集められた集団よりも、社会の中でランダムに出会うプロセスの方がサンプリングとして信頼できる。出会ってすぐに人間として打ち解ける技術を磨いた方が、結婚紹介サービスに登録するよりも統計的には良質である。

2011-09-23 08:36:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

さま(7)時には、統計的な集団から外れた「outlier」こそが興味深いこともある。高校の時に出会った和仁陽、大学で出会った塩谷賢などはまさにそうだった。ぼくの親友は、みなoutlierばかりだ。ぼくが、世論調査で支持率が何パーセントとかいう数字を一向に尊敬しない理由である。

2011-09-23 08:38:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

さま(8)サンプル数最大の選挙でさえ、あの程度のもの、統計なんて、しょせんそんなものである。ましてや、ネットにしろ、電話にしろ、向こうから能動的に何か意見を言ってくる時には、サンプルは偏っているというのが当然の前提なのだから、主催者はこれからびびらないで欲しい。

2011-09-23 08:41:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

さま(9)何よりも世界に「私」は一人しかいない。私たちは、世論調査を構成する原子などではない。個性こそが輝き。新聞が世論調査をやたらと持ち出してくるのは、自分たちの凋落を自覚してのことだろう。首相が取材に応じないといってもぶら下がっているのが記者クラブじゃ語るに落ちる。

2011-09-23 08:43:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「サンプリングは、もしやるとしたら、まじめにやった方がいい。」ことについての連続ツイートでした。

2011-09-23 08:44:02