絆の検証メカニズムによるコミットメント

社会的な絆の強さはパートナーにコストを課すことで検証できる(ハンディーキャップ原理の応用)。 ハンディーキャップ原理:孔雀のオスが生存に邪魔な巨大かつ華麗な尾羽を持つのは、それだけのハンデを負えることをメスに見せつけるため。(ガゼルのライオンに対するジャンプも、ライオンに追っても無駄というサインを送るため) オマキザルは絆を試すために社会的パートナーの鼻に指を突き刺す。ペットが顔を舐めてくるのも、恋人同士でキスやハグをするのも、拘束や侵襲で絆を試している。
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“あいさつ” とか “意味もない儀礼” というのは、元々、チンパンジーの群れのボス(アルファ)が、従属している個体に強要する行為。「自分のいう事を素直に聞く」という部下の忠誠心が示される事で快感を感じるのだろう。これにより素直に言うことを聞けないクーデター予備軍を検出することもできる。 twitter.com/joriojorijori/…

2019-12-15 13:18:30
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

サピエンスは友情・信頼・恋愛関係において互いに絆を結ぶ動物だ。一般的に、生物の二個体間の「社会的な絆の強さ」は、パートナーにコストを課すことで “検証/test” できる。これはアモツ=ザハヴィのハンディキャップ原理(HP)を応用した考え方だ。進化生物学者のダリオ=マエストリピエリは語る… pic.twitter.com/Tg8dUvo59z

2019-12-15 21:31:15
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“ 絆の検証(testing the bond)の意義は、1977年にイスラエルの進化生物学者、アモツ・ザハヴィによって発表された「絆の検証」という論文で脚光を浴びた。彼は、この論文で協力とコミュニケーションについていくつもの新しい、しかし反論の多い考えを提示した。” pic.twitter.com/XXkIra5LDj

2019-12-15 21:31:17
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“ 進化生物学者としてザハヴィは、お互いに遺伝的関係のない個体間の協力関係は、血縁関係のあるメンバーに伴う協力関係よりも〔遺伝的な利益を共有しないために〕本質的に安定しないと論じた。”

2019-12-15 21:31:18
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“ 血縁関係のない二個体も、周知のように共通の利益を両者が共有し、パートナーがいなければ達成が難しいか不可能な目標───例えば子作りなど───を一緒に追い求めたいと考えるので、協力関係を築くことがある。” pic.twitter.com/tgNsGsp5Ek

2019-12-15 21:31:20
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“ しかし協力関係を一緒に保っていく環境は、すぐに、そして予測不能なほどに変化し得ることをザハヴイは認めた。したがってザハヴィが強調したように、投資を続けるか撤退するかを決めるために、絆の強さを頼繁に確かめること、パートナーの約束を評価することは重要になるのだ。” pic.twitter.com/BPpe4xiAk0

2019-12-15 21:31:22
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“ 人間の恋愛関係を例に取ってみよう。恋愛関係の相手に対してその関係の相互の約束を評価する直接的な方法は、お互いにいつも次のように尋ね合うことだ。「私を愛してくれている?」、「私を愛しているって本当?」、「いつまでも私と一緒にいたいというのは、確かね?」。” pic.twitter.com/eG19tmYTqm

2019-12-15 21:36:24
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“ 愛し合っているカップルは、当然のようにいつもこう言い合っている。ところが残念なことに、これは約束を評価するのに一番信頼できる方法ではないのだ(動物なら、それは全く選択肢に入らない)。人は時には不誠実であるし、自分の感情や将来の行動に関して愚かでさえある。”twitter.com/selfcomestomin…

2019-12-15 21:42:45
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“ 人類の間に言語が出現するとともに、だましや自己欺瞞の可能性は大きく広がった。言語が情報を事細かく、幅広く伝えることを可能にするなら……それはまた事細かく、幅広い偽りの情報を伝えることも可能にする。” pic.twitter.com/KDxx7gRdAP

2019-12-07 10:41:36
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“ ザハヴィの最初の思いつきは、ある関係がどれほどの価値があるかを評価する最も信頼できる方法は、市場価値、すなわちそれを求めるためにどれだけ多くの代価を支払う意思があるかどうかを評価することだというものだった。”

2019-12-15 21:42:46
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“ 職場のボスがあなたに君は有能な職員だと言い、いつもあなたの仕事ぶりを賞賛していることはよくあることだが、あなたのボスがあなたにどれだけの価値を認めているかの最良の物差しは、ボスがあなたに支払う意思のあるサラリーである。言葉は安いけれども、マネーは安くはないのだ。”

2019-12-15 21:42:46
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ マネーが伴わない場合、人が商品に対して支払う意思がある代価は、別の通貨で算定できる。動物にとって最も有意義な通貨は、適応度、すなわち個体が生存でき、かつ繁殖できる能力である。適応度こそ、自然淘汰が取引に使う通貨なのだ。” pic.twitter.com/u0fq5dVtj4

2019-12-15 21:42:48
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“ 商品(例えば食物、交尾相手、同盟のパートナーとの関係など)としての動物の価値を評価するには、その商品を獲得したり維持したりするために、その動物が進んで自らの生存や将来の繁殖を危険にさらそうとする程度を測定しなければならない。” pic.twitter.com/uSITzvftuO

2019-12-15 22:25:55
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“ ザハヴィによれば、「もう一つの個体のコミットメント〔=約束された行動の縛り〕について、信頼できる情報の得られる唯一の方法は、他の個体に負荷を負わせること───自己に対して弊害をもたらすように行動すること、である」。”

2019-12-15 22:25:55
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“ この絆の検証メカニズムで得られたコミットメントについての情報は、誠実に約束された唯一のパートナーがこの負荷を進んで受容するので信頼できる、とザハヴィは考えている。”

2019-12-15 22:25:56
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“ 負荷を次第に高め、パートナーがその相互作用をやめようとする点を決めることによって、その関係への他個体のコミットメントとそれに投資しようとする最新の意思についての正確な情報が得られるのだ。”

2019-12-15 22:25:56
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“ 自分の同盟のパートナーがその関係にどれだけの価値を感じているのかを正確に知りたいと望むオスのヒヒは、頭を打たれるか噛みつかれるまで、パートナーの宰丸を握り続ける。” pic.twitter.com/SJQsfDfbjR

2019-12-15 22:25:57
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“ ネガティブな反応を受ける蓋然性は、時間がたつと指数関数的に増えるから、一秒でも儀式を引き延ばせることは、コミットメントの強さを示す重要な成果〔=証〕なのだ。”

2019-12-15 22:25:58
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“ 社会的な絆の強さはパートナーにコストを課すことで検証できるというこの考えは、ハンディーキャップ原理(HP)と呼ばれるもっと一般的な仮説の一つの応用である。ハンディキャップ原理は、1975年にザハヴィによって初めて提唱され、その後の年月をへて洗練化された。” pic.twitter.com/6EgQhlfWDH

2019-12-15 22:26:00
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“ HPは、動物がコミュニケーションをとる際、ごまかしがなかったり信じられそうもなかったりする情報がなぜ存在するのかを説明するために発展したが、他の多くの現象を説明するのにも応用できることが分かっている。例えば後に述べるが、人間の行動の多くの側面にも応用できる。”

2019-12-15 22:26:01
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ HP理論の重要な考えは、安っぽいシグナルは偽造しやすく、誰でもそれを発信できるが、高くつくシグナルは優れた個体だけが所有する資場 源を必要とする、というものだ。したがって高くつくシグナルは、そのシグナルを使える個体の質の高さについてごまかしのない情報を伝えていることになる。” pic.twitter.com/0mS3I9UxQQ

2019-12-15 22:26:02
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“ 伝えられるところではザハヴィは、クジャクのオスがなぜ大きくて華麗な尾羽を持ち、クジャクのメスはなぜ最も長く、最も重そうな、飛ぶのに一番邪魔になる尾羽を備えたオスと番いになるのを好むのかの理由を学生に説明しようとして、HPの着想を得たという。”

2019-12-15 22:26:03
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“ 大きな尾羽が作るのに苦労もしない安っぽいものでよいなら、オスというオスはみんな、年齢、体長、力強さ、健康にも関係なく、そうした尾羽を持とうとするだろう。しかし大きな尾羽は、安っぽくはなく、オスの生存にとって現実に弊害をもたらすかもしれない。”

2019-12-15 22:26:03
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ するとそれは、作るのに高くつくものとなるし、クジャクが飛ぶのに邪魔にもなり得る。その結果、捕食者から逃れる能力を減じる可能性がある。強くて健康なオスなら、大きな尾羽を持つ余裕があるが、弱くて健康でないオスなら、そんなゆとりはない。” pic.twitter.com/gyBF1g4WH1

2019-12-15 22:26:05
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“ ザハヴィの用語を用いるなら、クジャクの尾羽はハンディキャップなのである。───それならオスは、そんなハンディキャップをなぜあえて背負おうとするのか?たぶん単純なことだ。自分はハンデを負うことができるんだぞ、とメスに見せつけるためだ。”

2019-12-15 22:26:05
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

“ オスは、自分がいかに良いクジャクなのかをメスに示すために自らを不利な立場に置いているのだ。そしてそのハンディキャップが大きければ大きいほど、そのオスは健康で強いということを見せつけることになる。”

2019-12-15 22:26:06
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