ダランベールの原理はどうしてこうわかりにくいのか?

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uroak_miku @Uroak_Miku

ダランベールの原理を本当にわかっている方、物理学者にもほとんどいない気がする。ダラやんの著作は論が粗雑でわかりにくいのですが要は力概念を力学原理から完全抹消するためには拘束力の計算式の抹消からいくしかないねって主張。狙いはいいとして実力が追いつかなかった。

2022-08-05 09:33:50
uroak_miku @Uroak_Miku

ウィキペディアにあるダランベールの定理の説明、こんなに緩いとは思いませんでした。

2022-08-05 11:44:21
uroak_miku @Uroak_Miku

@dai_hatano 等価原理に擬えて説明する方もいますが、当時のダラは「力って定義でしかないし、運動量で立式するのが正当なんちゃう?」つまりアンチ力を提唱していて、彼独自の法則その3として言い出したのです。

2022-08-06 05:04:48
uroak_miku @Uroak_Miku

[続き]等価原理に擬えて説明する方もいますが、当時のダラは「力って定義でしかないし、運動量で立式するのが正当なんちゃう?」つまりアンチ力を提唱していて、彼独自の法則その3として言い出したのです。

2022-08-06 05:08:04
uroak_miku @Uroak_Miku

ニュートンの提唱した、今でいう「作用反作用の法則」に代わるものが好ましいとダラが提唱。今風にいうと「物体の不特定点で運動量は相殺される」の法則。力ではなく運動量で立式するのが筋やという主張で、ただ当時は解析学が十分進んでいなくてこのアイディアはあまり計算に使えなかった。

2022-08-06 05:14:36
uroak_miku @Uroak_Miku

現代から見ると「運動量保存則」なわけですが当時は保存則の考え方は輪郭をなしていなくて、ダラはあくまで「力なんて曖昧模糊な概念を数式に入れるな!」の原則論に則っての運動量論を訴えたのです。

2022-08-06 05:27:06
uroak_miku @Uroak_Miku

彼の信念を解析学に昇華してみせたのはもう少し後の学者さんでした。ラグランジュ先生。マリー・アントワネットの家庭教師も務めたえらいひと。現代でいう「ダランベールの原理」は彼が整理したものでダラやその取り巻きたちのイメージしていたものとはほぼ別物。

2022-08-06 05:30:40
uroak_miku @Uroak_Miku

ダラは百科全書派の旗手。詳しくは検索セヨ。当時の啓蒙思想と彼の力学理論は地続きで、そこをわかっていないとダラ原理は理解できない。 彼は音楽理論にも功績を残しています。力学を音響理論に高め、今でいうコード理論の基礎を作った。

2022-08-06 05:34:40
uroak_miku @Uroak_Miku

@dai_hatano 動力学と静力学を同じ数式で表せるというアイディアはダラよりもっと後、ラグランジュの仕事です。彼がダラ原理の解釈を変えて、今のものに整えました。前者が幾何的発想に留まったのに対し後者は代数的、つまり「いいから解法を覚えてしまえ」方式。おかげで便利だけど理解困難になった。

2022-08-06 12:28:34
uroak_miku @Uroak_Miku

@dai_hatano 「力」を力学より排除して「運動量」を基軸通貨にすべきだって主張です。天才オイラーによって「F=ma」の式が見出されたものの、F(力)の定義式ともa(加速度)導出の因果式とも取れてしまうのがネックでした。ダラは「Fに一切頼らない力学原理を打ち立てればええんや」と熱弁。

2022-08-06 17:47:57
uroak_miku @Uroak_Miku

@dai_hatano ①慣性、②速度の分解、③運動量の相殺 この三つを力学の新たな原理として提唱。①はガリレイやニュートンが提唱したもの準拠で、②は非弾性衝突の場合の速度ベクトル分解(にあたるものらしいです)③はニュートンの作用反作用法則の運動量翻案版。ダラ原理の種ですねこれ。

2022-08-06 17:54:55
uroak_miku @Uroak_Miku

@dai_hatano ③は現代的に解釈すれば運動量保存則ですが当時はそういう概念がなくて、ダラはこれを使えば「力」を数式から消せることに気づいて興奮した(と思います)。

2022-08-06 17:59:37
uroak_miku @Uroak_Miku

@dai_hatano どうして私の説明が歯切れが悪いかと言うと、ご本人は原理の説明にあたって数式を使っていないから。当時は論文ではなく知的サロンでかっこよく語れるかどうかが重要視されていました。ダラは弁舌の才があったぶん、本や論文の記述は多弁な割には非常に雑で、ダラ原理についてもつかみどころのない説明

2022-08-06 18:03:12
uroak_miku @Uroak_Miku

@dai_hatano 数式で補うならば、運動量(mv)は力積(FΔt)と等号で結べるわけだから「力」(F)をうまく運動量に繰り込めますよね。仕事(FΔx)についても同様。ただダラは数式でそう語っているわけではないので、本人はあくまでイメージ思考に留まった気がします。

2022-08-06 18:09:52