『007ムーンレイカー』大復権！

エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

1979年の『007 ムーンレイカー』は、当時のSFブームに便乗してボンドが宇宙に行ってしまったのが陳腐だと言われ、シリーズ中でも評判が悪いが、私はけっこう好きなのだ。史上初だった映画冒頭のスカイダイビングによる本格的アクションが素晴らしく、そこだけ観たくて何度か映画館に通った。 pic.twitter.com/K32MVOOpbB

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『007 ムーンレイカー』 当時のSF映画ブームに過剰に忖度した結果、「007映画史上最低」との呼び声も高いが、ロジャームーア・ボンド世代だし思い入れがある。実は、世評の良い『私を愛したスパイ』より好き。 みんなバカにするけれど、見どころ満載の映画なのだよ！ #ダメ映画だけど愛してる映画 pic.twitter.com/i7oNf0YNiW

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まず、冒頭の「史上初」と言って良い本格的なスカイダイビング・アクションに度肝を抜かれた。ここだけを見たくて、何度も映画館に通ったくらい衝撃だった。 後半のロープウェイでのアクションも、高所恐怖症的にはなかなかグッと来る。 中盤のヘタレ剣道などに眼を奪われて、過小評価されている。 pic.twitter.com/H5dbsoiXRU

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ボンドが悪の首領ドラックス邸に行くとヘリコプターで敷地を案内される。都会のビル、砂漠の工場、ミニチュアの未来都市、フランスの古城を編集で繋いで「超広大な敷地を有する大富豪の邸宅」を見せる！😄 バカバカしいけど印象的で、映画監督の大森一樹は「映画的モンタージュのお手本」と絶賛した。 pic.twitter.com/hyeYasaiZK

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グラマーで色気のあるタイプではないロイス・チャイルズのボンドガールも人気がなかったが、私は知的な美貌を持つ彼女のファンだった。 「なぜ、スターにならなかったのだろう？」と思っていたのだが、名物プロデューサー、ロバート・エヴァンズの自伝を読んだら、理由が分かってビックリした！ pic.twitter.com/utG1Vnb0km

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ロイス・チャイルズはロバート・エヴァンズの愛人でしたが、ワガママを言い過ぎて（エヴァンズが彼女のために苦労して取ってきた役を「何よこんな役？私が欲しいのは主役なのよ！」と吐き捨てた😅）エヴァンズを激怒させて、キャリアを潰されてしまったのであります。😢

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悪の首領、ドラックスの野望は、「環境保護のために、少数の美男美女だけ残して人類を抹殺する」計画。 当時はバカにされたが、もの凄く新しい「悪」だったのではないか。今では現実に「地球環境のために人類の数を減らすべき」とおっしゃっている大富豪もいて、アクチュアルですらある。 pic.twitter.com/U4wf03bIoj

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同じように実際に情報部員出身のスパイ小説の大家だが、ジョン・ル・カレはリアルでイアン・フレミングはファンタジーだと言われる。確かにそうなのだけれど、冷戦の記憶が遠くなり21世紀となった今では、イアン・フレミングの描いた荒唐無稽な「悪役」や「犯罪」の方が、現実味を帯びて来た気がする。

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007の悪役とそれが企む壮大な悪事は、イアン・フレミングの小説版でも映画版でも、昔は単にバカバカしいとしか思わなかったのだが、次第にアクチュアリティを増して来ている…と感じるのは、私だけだろうか？

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『キングスマン』を観た時、人類削減を企むIT富豪リッチモンドにトンデモ映画『007/ムーンレイカー』の影を見た。 IT富豪の悪役にアフリカ系のサミュエル・L・ジャクソンをキャスティングしたのは、一見荒唐無稽なこのキャラクターに潜む「リアリティ」を中和するためだったのではないかと思っている。 pic.twitter.com/UHpvQGWL0s

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ケン・アダムがデザインした悪の秘密基地。 ケン・アダムの美術は、いつもながら素晴らしい。 pic.twitter.com/FdNm4eRJ2f

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スペースシャトルの発射シーンは、実は現実より少し早いのだが、にもかかわらず、なかなかのリアリティと迫力であります。 pic.twitter.com/aYyEY7SN7j

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ちゃんとコントラストの強い暗黒の宇宙なのです。SF的にも、そうバカにしたものではない。 しかも、クライマックスは宇宙の白兵戦を見せるくれる大サービス😄 pic.twitter.com/SscNVtN5uf

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なんだ、タランティーノ『ムーンレイカー』も『オクトパシー』も公開時に観ていないのか。 ダメな奴だな。 公開当時に70㎜の大スクリーンで、『ムーンレイカー』の、あのオープニングを体験していないとは。 その直感は間違っていたね。 『ムーンレイカー』の悪役の「新しさ」の指摘なんて、今さらだ！ twitter.com/tsuruhara/stat…

鶴原顕央 @tsuruhara

タランティーノ「まず『ムーンレイカー』について語る。公開当時は未見。直感が働いたので。今回初めて見た。ロジャー・ムーアのベスト映画なら『北海ハイジャック』を挙げ、ボンド映画なしでリストを作る。そもそも1979年というのがSFが最大級の年だった」podcasts.apple.com/jp/podcast/the…

2022-08-02 20:20:59

鶴原顕央 @tsuruhara

タランティーノ「まず『ムーンレイカー』について語る。公開当時は未見。直感が働いたので。今回初めて見た。ロジャー・ムーアのベスト映画なら『北海ハイジャック』を挙げ、ボンド映画なしでリストを作る。そもそも1979年というのがSFが最大級の年だった」podcasts.apple.com/jp/podcast/the…

鶴原顕央 @tsuruhara

タランティーノ「『スター・ウォーズ』が1977年で、映画業界、ポップカルチャーを激変させた。その1年のすべてを奪ったという前例がない。観客が求めているものはコレだとなった。78年には間に合わないから79年。スペクタルとなったら大作だからもっとかかるが、全力で作って79年に間に合わせるぞと」

鶴原顕央 @tsuruhara

タランティーノ「この流行の最初の1本がテレビの『宇宙空母ギャラクティカ』。グレン・A・ラーソンが製作。最初の映画も同じグレン・A・ラーソンの『25世紀の宇宙戦士キャプテン・ロジャース』の劇場版。悪いテレビ映画ではないが、どうしてもやはりテレビ映画。だがこれが最初の1本」

鶴原顕央 @tsuruhara

タランティーノ「同じ年に映画版の『スター・トレック』があって、『ブラックホール』もあって、そして『ムーンレイカー』があり、最後の1本が次のレガシーになる、だが誰も注目していなかった1本。『エイリアン』」

鶴原顕央 @tsuruhara

ロジャー・エイヴァリー「『ムーンレイカー』のオープニングは、ボンド映画でベストだと思う。CGがない時代にあれをやっている。いまだったらトム・クルーズしかやらないようなことを。しかもとてもシネマチック」

鶴原顕央 @tsuruhara

エイヴァリー「ヴィランについて語ると、いまの世界と照らし合わせると、これが完全にイーロン・マスク」 タランティーノ「完璧にそうだね。宇宙船を所有して、世界一の金持ちで」 エイヴァリー「敵の狙いが明かされて、これ自体はボンド映画で再利用されるが、テーマが見えてくると……」

鶴原顕央 @tsuruhara

エイヴァリー「テーマについてはあとで語るが、映画としては変なシーンも多々あるが、限界に挑んだボンド映画だった気がする」 タランティーノ「いま見るとイーロン・マスクとのパラレルさは無視できない。宇宙に行く展開もいいのだけど、僕が感心したのは……」

鶴原顕央 @tsuruhara

タランティーノ「カルフォルニアに行けとなって、空港に2ndボンドガールがヘリの操縦士で、ボンドをドラックスのところに連れていく。カルフォルニアの砂漠を飛んでいくと、宇宙船を建造していて、さらに進んでいくと、木々が見えて、砂漠のど真ん中にヴェルサイユ宮殿」

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タランティーノ「もっと面白いのは、実際のヴェルサイユ宮殿で撮っている。ソフィア・コッポラの映画と同じように。ヴェルサイユで撮っているのに、カルフォルニアだと言い張る笑。このコンセプトがいい。賢くて面白い」 エイヴァリー「フランスとの共同製作で、フランスのプロダクションが達者」