水俣病をめぐって(Rsider氏とのやりとり)

個人的なまとめでございます。 いろいろと親切に教えていただき、本当にありがとうございました。>Rsiderさん。 要望がありましたら非公開にしますので、保存したいかたはお早めにどうぞ。 『水俣と福島の相違点』( http://togetter.com/li/190958 )を前提にして話が進んでいきますので、そちらについても参照されたほうが分かりやすいかもしれません。
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パート1

私が『水俣と福島の相違点』( http://togetter.com/li/190958 )を読んでコメントを書いたところから話がスタートします。

flurry @flurry

疫学について本を合計0.5冊ぐらいしか読んでない状態で半可通顔で言うと。川端氏(@Rsider)の「記述疫学をこえて、分析疫学の段階に」という発言に代表されるような、記述疫学の軽視?みたいなものはあるかなあ、と。 http://t.co/q8QM04v2

2011-09-22 18:01:38
flurry @flurry

原発災害シンポジウムでの鬼頭氏の発表で紹介された、原田正純氏の(正確な文面は失念)「疫学的、エスノグラフィカルな水俣病像のとらえかた。ライフヒストリーなどにより、人間を総体としてとらえる視点の重要性」というのは、原田氏が疫学をどのように捉えているか考える点で大事かなあ、とは。

2011-09-22 18:04:37
川端裕人 『ドードー鳥と孤独鳥』(国書刊行会)いよいよ発売中! @Rsider

@flurry 記述しないと仮説も立てられないし分析もできないので、記述疫学を軽視しているわけではないですよ。そのあたり「基礎から学ぶ楽しい疫学」はすごくお奨め。 http://t.co/Gduc4eul 

2011-09-22 18:04:30
flurry @flurry

あ、まさしく、その本を読んだ上での話でした。 RT @Rsider: @flurry 記述しないと仮説も立てられないし分析もできないので、記述疫学を軽視しているわけではないですよ。そのあたり「基礎から学ぶ楽しい疫学」はすごくお奨め。 http://t.co/NcVnZzWl 

2011-09-22 18:05:47
flurry @flurry

@Rsider あ、直後にこのようなツイートをしていますので、よろしければ……(疫学についても水俣病についても、わたしより川端さんのほうがはるかに詳しいと思いますが) http://t.co/pAWhOmf4

2011-09-22 18:21:51
川端裕人 『ドードー鳥と孤独鳥』(国書刊行会)いよいよ発売中! @Rsider

@flurry ぼくもただの門前の小僧です。で、原田氏の何を読めばいいんでしょうかね。鬼頭さんに聞いてみると早いか。 http://t.co/OXKZpfZp 鬼頭さん、お久しぶりです。申し訳ないですが、ご教示いただけますかー。 @kitosh622

2011-09-22 18:53:15
鬼頭秀一 @kitosh622

@rsider 映画で「医学としての水俣病―三部作―〈第3部=臨床・疫学篇〉」があります。DVD買えます。日本評論社から1989に出た本『水俣が映す世界』の中の、「裁判における水俣病病像論―医学にとって認定とはなにか」の中で比較的詳細に記述があります。@flurry 何を読めば

2011-09-23 01:21:09
鬼頭秀一 @kitosh622

@kitosh622 ちなみに、原田さんの「疫学」は、狭い意味での医学生理学、病理学的な病像に対抗するものとしての「疫学」といういい方ですので、ディシプリンとしての疫学とは異なると考えた方がいいと思います。原田さんのやられたことは「疫学」という形では本来は捉えられないと思います。

2011-09-23 01:30:13

パート2

原田正純氏の「水俣病」「水俣が映す世界」を買ってきたらしいですよ。わたくしが。

Hideyuki Hirakawa @hirakawah

科学コミュニケーションとか関わる人は、カネミ油症事件、森永ヒ素ミルク事件、水俣病など四大公害病、薬害問題などに関しては、通り一遍でもいいから歴史と被害者の言葉を知っておくべきだと思うでござるよ。

2011-09-24 23:22:17
flurry @flurry

わたくし科学コミュニケーションとやらとは微塵も関係ないのですが、公害病の歴史などについてさっぱり知らないのはよくないと思ったので、とりあえず新書一冊で原田正純「水俣病」(岩波新書)を読み始めたのでございます。 http://t.co/9JeytPMX

2011-09-25 01:03:34
flurry @flurry

で、原田正純「水俣病」(岩波新書)を途中まで読んだのですけど。このtogetterでの川端氏のツイートにある『患者の側に立った臨床医はたぶん疫学の武器も持っておらず、大局観を形成できなかった』という理屈、マジで意味分からん感じ…… http://t.co/q8QM04v2

2011-09-25 01:07:05
川端裕人 『ドードー鳥と孤独鳥』(国書刊行会)いよいよ発売中! @Rsider

水俣病の医学はまず患者を認定しないがために使われた感がある。患者の側に立った臨床医はたぶん疫学の武器も持っておらず、大局観を形成できなかった。水俣病で、記述疫学をこえて、分析疫学の段階に進んだのは、ここ10年ではないかという認識(もっとも初期にもあったそうなのだが、顧みられない)

2011-09-21 13:57:43
flurry @flurry

@Rsider たびたびすみません。先ほど原田正純「水俣病」を読んだばかりでの質問で 申し訳ない限りなのですが。水俣病の正式発見(昭和31年5月)以降、10月までには地域への疫学調査が実施されており、魚介類との関連も提言されているとあります。(続く)

2011-09-25 01:18:28
flurry @flurry

@Rsider (続き)それ以降も拡大を続けたのは、「原因がはっきりしないと対策も補償もしない」というチッソおよび行政の姿勢であって、そのため、熊本大学医学部は原因究明に向かわざるをえなかったという事情があると書かれています。

2011-09-25 01:19:04
flurry @flurry

@Rsider この『水俣は初期に疫学を意識出来れば拡大しなかった例』というのが、どの部分を指しているのか分かりませんでしたので教えていただければと思います。お忙しいところすみません…… あるいは、ひょっとして昭和31年の水俣病正式発見以前の話をされていたりするのでしょうか?

2011-09-25 01:20:10
川端裕人 『ドードー鳥と孤独鳥』(国書刊行会)いよいよ発売中! @Rsider

@flurry 「医学者は公害事件で何をしてきたか」を読まれるのをお奨めします。初期に調べられたデータを再検討して、クリアな疫学的分析がなされたのは最近なのです。また、水俣病が実は食中毒事件で、大事にする前に地方自治体がコントロールしえたということが認識されるようになったのも。

2011-09-25 01:44:47
川端裕人 『ドードー鳥と孤独鳥』(国書刊行会)いよいよ発売中! @Rsider

@flurry 魚介類との関連が初期から指摘され、その点については一度も疑われたことがないのに、メカニズム論・病像論に陥り、アウトブレイクをコントロールできず被害を拡大さたのが水俣病ともいえます。

2011-09-25 01:46:37
flurry @flurry

@Rsider 読んでない状態で言うのもなんですが、「水俣病」に描かれる範囲では、クリアな疫学的分析についてはアウトブレイクを防止する上で不可欠ではなかったと思いますし、それがあっても行政は対策しなかっただろうと思います。(原因物質が特定されるまで食品衛生法を発動することを拒否)

2011-09-25 09:33:33
flurry @flurry

@Rsider たぶん、このツイートの主語について私が分かってないのだと思います。別のツイートで『患者の側に立った臨床医はたぶん疫学の武器も持っておらず、大局観を形成できなかった』でおっしゃっていたので、医師たちにも責任があると読んでしまったのですが……

2011-09-25 09:34:08
flurry @flurry

@Rsider 初期の調査に実施した熊本大の医師たちだとすると、地域への健康調査という疫学の(最初にして最大の)武器はそれなりに持っていましたし、調査によって5ヶ月後には魚介類や漁業との関連を提言するなど、大局観もあったように思われます。

2011-09-25 09:35:13
flurry @flurry

@Rsider 一応ご参考までに……『しかし一応、中毒の線が出たところで、このあと原因物質はなにかという研究に焦点が絞られ(略)この段階では因果関係の追求のみの疫学があって、ほんとうの意味での疫学は存在しなかったと言ってもいい』 (原田正純「水俣病」27,28ページ)

2011-09-25 10:20:28
flurry @flurry

@Rsider 「初期の現地の疫学的調査の精神がさらに受け継がれて進展していたならば(略)しかしそういう作業は、水俣というチッソ支配の城下町ではきわめて勇気がいることで、ほとんど不可能に近いことであったろう」

2011-09-25 10:20:52
flurry @flurry

@Rsider 「原因をつきつけなくては責任をほおかぶりしようとしたチッソや行政に対抗する熊大医学班にとって、因果関係の究明こそまさに至上命題であったし、それこそが、患者救済につながる唯一の方法と考えられたのであった」

2011-09-25 10:21:24