TwitterAPI有料化は可能な限り対応予定です。続報あり次第公式アカウントにて報告いたします。
2022年8月27日

自分は如何にして「カシマさんの謎」を解いたか 〜本当の恐怖は謎解きの後に〜

呪いの都市伝説「カシマさん」に残された「三つの謎」を解いた結果、「カシマさん」に目をつけられてしまった青山葵の話。
39
青山葵 @aowasabi1972

具体的に分類項ごとに見ていくと、例えば「呪文/問答」型は、呪文も色々問答も色々あり、しかも呪文と問答で揺らぎがある しかし、怪異と何らかの言葉を交わす「対話」要素だけは共通していて色濃く残る。この項では「対話」が「素体」的要素と分かる

2022-08-21 18:04:23
青山葵 @aowasabi1972

「兵士/女性」型の項も揺らぎがある。また、「カシマさん/カシマレイコ/キジマさん」などの呼び名の項も、「四肢欠損/火傷」などの形態の分類項も同様である 「素体」は、「なにか」との「対話」が残る ほとんどの事例にあるため分類されていない「話を聞くと現れる」という要素が、最も色濃く残る

2022-08-21 18:04:23
青山葵 @aowasabi1972

まとめると 「なにか」と「対話」する話を聞いた(=「対話」した)ら、「なにか」が現れる というのが「カシマさん」の話の「素体」となる 本当にこれだけでいいのか、怖くなるのか…? いいのだ。自分には確信があった。「素体」とはほとんど「初めてのカシマさん」である。 遠回りして戻ってきた twitter.com/aowasabi1972/s…

2022-08-21 18:04:24
青山葵 @aowasabi1972

「カシマさん」の話の「素体」とは 「なにか」と「対話」する話を聞いた(=「対話」した)ら、「なにか」が現れる 列車事故などの由来や四肢欠損などの形態、呪文・問答、性別そして「カシマ」の名前などの【物語の内容】は全て揺らぎの中に消えて…… 【語りの形式・構造】だけが残ることになった twitter.com/aowasabi1972/s…

2022-08-24 19:47:30
青山葵 @aowasabi1972

【語りの形式】だけで、怖がらせることができるのか?が問題です なぜ「カシマさん」の話は、怖いのか? それは聞き手が「カシマさん」が現れることを信じてしまうからです どんな話でも「聞いたら来るよ」と付ければ怖くなる訳ではない この【語りの形式】に、それを信じさせる“機能“があるのか?

2022-08-24 19:47:30
青山葵 @aowasabi1972

「素体」は主に、対称性を持つ2つの対話から構成されています 語り手と聞き手の「対話①」 と 聞き手と怪異の「対話②」 この2つが「入れこ」構造になっていて図式化すると 「対話①」[「対話②」] この【対称性】と【入れこ構造】の組み合わせがこの形式のほぼ唯一の構成要素となります

2022-08-24 19:47:31
青山葵 @aowasabi1972

局面ごとに見ると 虚構現実軸局面 「現実の対話」[「虚構の対話」] 時間軸局面 「現在の対話」[「未来の対話」] 因果律局面 「原因の対話」[「結果の対話」] 【現実/虚構】【現在/未来】【原因/結果】という対立項が【入れこ構造】になっていることがこの「語りの形式」の特徴です

2022-08-24 19:47:31
青山葵 @aowasabi1972

似たようなもの【対話】を並べて、ねじってくっ付ける【入れこ構造】ことで秩序混乱を生じさせる それにより、時間軸・因果律・虚構現実境界を混乱させ、ついには境界侵犯が起きる 虚構の「カシマさん」が、現実に現れることを信じてしまう pic.twitter.com/IvaseG69Yc

2022-08-24 19:47:33
拡大
青山葵 @aowasabi1972

たとえば「聞き手目線」で考えて…… 最初に、怪異に直面して交わされる呪文や問答についての話【結果の対話】を聞かされる 次に、「この話を聞いたら…」と今語り手と聞き手で交わされているものこそが【原因の対話】と知らされる この時、聞き手は因果律が混乱し、逃げられない状態になっている

2022-08-24 19:47:33
青山葵 @aowasabi1972

さらに「三日後に現れるよ」などと決めつけられてしまうと、聞き手は強烈な暗示にかかって そして「カシマさん」が現れることを信じてしまう…… これが「カシマさん」の話の【語りの形式】が聞き手を怖がらせる“機能“です ここまで来るとこの形式・手法はもはや、【呪いの作法】の様に感じます

2022-08-24 19:47:34
青山葵 @aowasabi1972

では、「カシマさん」の話が怖いのは「物語内容」ではなく【語りの形式】が理由である、という考え方で「カシマさんの3つの謎」が解けるのか試してみようと思います 「カシマさん」3つの謎 ⚫︎なぜ長く語り継がれるのか? ⚫︎なぜバリエーションが多いのか? ⚫︎なぜカシマなのか?

2022-08-25 16:24:57
青山葵 @aowasabi1972

一つ目「なぜ長く語り継がれるのか?」という問題 簡単に言うと「とても便利な怖い話だから」という事になる 物語内容や話術の如何を問わず、「語りの形式・作法」通りに語れば、簡便に確実に聞く者を怖がらせることが可能なので、使い勝手の良い怪談として、怪談あそびの場で重宝されたという事

2022-08-25 16:24:58
青山葵 @aowasabi1972

二つ目「なぜバリエーションが多いのか?」 一般的には怪談の怖さは物語内容に起因する。しかし「カシマさん」の話は「語りの形式」で怖がらせる。 もし語り手がその事を理解していないとしたら… なぜだか分からない怖さを解釈しようと、次々と尾ひれを付け加えていく。だがどれも的外れなものだ

2022-08-25 16:24:58
青山葵 @aowasabi1972

語り手が怖いと感じる多種多様な尾ひれを【物語内容】にどんどん付け加えていく ところが【語りの形式】に致命的な変更が加えられない限り、どんな尾ひれでも受け入れられ、次々と伝承されていく 「不幸の手紙」における「棒の手紙」と同様の事象 「棒の手紙」とは↓ 【kokorohaitsumo15sai.la.coocan.jp/bonotegami.htmpic.twitter.com/U2oGR68kov

2022-08-25 16:24:59
拡大
青山葵 @aowasabi1972

この場合、語り手にとって 「なぜ怖いのか分からない怪談」 とはつまり 「どう語っても怖い怪談」 と同義で 「カシマさん」は【物語内容】の“器“となる それは、「対話」を並べてねじってくっ付ける【語り形式】で出来上がった、「クラインの壺」のようだ これがバリエーションの多い理由である

2022-08-25 16:25:00
青山葵 @aowasabi1972

次に⚫︎なぜカシマなのか?の謎です 【物語内容】ではなく【語りの形式】に「カシマさん」の話の怖さの核心があるとすれば、【物語内容】の一部である「カシマ」という言葉も扱いを慎重にする必要がある 「カシマさん」の名には他に「キジマさん」や「オカムロさん」などの事例ごとに"揺らぎ"がある

2022-08-27 12:43:53
青山葵 @aowasabi1972

身も蓋も無く言えば、「カシマ」でなくても【語りの形式】は保たれ恐怖は発動し、語り継がれる 事例的に揺らぎの無い要素を抽出すると、ここで必要とされたのは「カシマ」でなく「○○さん」の方だとも言える この人名を思わせる「○○さん」という言葉が【語りの形式】には、どうしても必要だった

2022-08-27 12:43:54
青山葵 @aowasabi1972

【語りの形式】で対称される二つの「対話」のうち、語りの中で示される「虚構の対話」にはどうしても対話する"相手"を聞き手に想像させる事が必要 その容姿や由来や設定を細かく説明するよりも、「○○さん」という人名を想起させる言葉だけで、聞き手の脳裏に“対話相手"の像を結ばせる事ができる

2022-08-27 12:43:54
青山葵 @aowasabi1972

だから「カシマさん」を代表とする「○○さん」という呼び名は、性別容姿や由来因縁などの他の【物語内容】よりも【語りの形式】との関連度が高い また、なぜ怖いのか分からない語り手にとって、呼び名は残されたほぼ唯一の手掛かりである などの理由で偶々最初期に選ばれた「カシマ」が語り残された

2022-08-27 12:43:54
青山葵 @aowasabi1972

「カシマ」という言葉が、なぜ選び取られたのかという疑問には 見てきたように「カシマさん」の【語りの形式】によって、時間軸・因果律・虚構現実の“境界“が侵犯される これらの境界侵犯の"鎮守"として「ミチキリ」の習俗の「カシマさん」を置く神話的想像力が、語り手に働いたのかも知れない

2022-08-27 12:43:55
青山葵 @aowasabi1972

語り残されただけでは無く、唯一の手掛かりの「カシマ」という言葉は、語り手の印象に強く残り ・「カシマさん」の名前を3回連呼する ・「カは仮面のカ〜」の呪文を唱える などの呪文として使い回され、いわゆる「呪文型」の成立に寄与することになったと思われる

2022-08-27 12:43:56
青山葵 @aowasabi1972

「不幸の手紙の口伝化」という「カシマさん」の話の出自のため「平凡パンチ」に報告のあった最初期の事例には、「三日以内に五人に語らなければならない」といった「不幸の手紙」由来の解除条件が付く 聞き手が強制される【語り】行為は ・カシマさんとの問答 ・解除条件 と重複してしまうことになる twitter.com/aowasabi1972/s…

2022-08-27 12:43:56
青山葵 @aowasabi1972

【語り】の重複を一度に統合したのが「呪文型」で、その呪文に選ばれたのが唯一の手掛かり「カシマ」の言葉だった 年代を経るうちに解除条件が消失して語られる理由でもある 「カシマさん」を一種の【呪い】と捉える時、[聞く=呪い]と[語る=祓い]のサイクルが完成していてこの形の方が腑に落ちる

2022-08-27 12:43:57
青山葵 @aowasabi1972

以上のように「三つの謎」に回答を与える事が出来たことで 「カシマさん」の話の恐怖の核心は【物語内容】ではなく【語りの形式】にある という考え方によって「カシマさん」の謎は全て解けた、と少なくとも当時の自分は感じました

2022-08-27 12:43:57
青山葵 @aowasabi1972

その頃「カシマさんアンケート」展開母体のサイト「Urban Legends 」は既に閉鎖されており、公開する場も機会もないまま時は流れ、自分の興味も「カシマさん」から離れていきました ただ自分は「カシマさん」の謎を解いた唯一の人間だという自己満足だけを残して…

2022-08-27 12:43:57